【Hiroto.N】
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※妊娠のシーンがあります。事実と異なる点もあるかもしれませんが温かい目で見ていただけると幸いです。
👶👶👶
「えっ!?」
「だから、子ども、いるみたい」
妊娠報告したときから驚きすぎて、壁に頭ぶつけてた旦那こと洸人。
痛いのか感動かわからない涙を浮かべて、もっと大事にするからって言いながら抱きしめられたときはやっぱり男前なパパだこと~なんて思ってたんだけど。
赤ちゃんをお迎えする準備中、過保護かつドキドキの様子はかわいいひろくんだった。
「ね、子どもになんて呼ばれたい?」
通販サイトでベビーベッドを調べてる背中に何気なく問いかけると、すごい勢いで振り返るし。
「え!?」
「パパ?」
「うわ、パパはやばい」
まだ呼ばれてもないのにそんなに手足ジタバタさせてたら、本当に呼ばれたときどうすんの。
「お父さん?」
「それもジーンと来る」
「でも意外とあだ名とかちょけてる家族多いよね。洸人そういうの似合いそう」
「まーそれも仲良しって感じでいいよなあ」
全部肯定してんじゃん。
既にデレデレな様子に、絶対子供に尻に敷かれてるタイプの父親なんだろうなって想像した。
「あ、でもみににはたまにでいいから洸人って呼ばれたい」
「え?」
「子ども生まれたらパパとかになる親、多いじゃん?でも、みにに自分の名前呼ばれなくなんの、なんか……」
そこまで言っといて、恥ずかしいこと言ってる!と言わんばかりに頭を抱えてる。
やばい、子どもを守らなきゃって日々思ってたのに、洸人が愛おしい。
「寂しいんだー!洸人かわいい!」
「ねーもういいから!そういうことでいいよ!」
なんでそっちが折れてやったみたいなスタンスなの。
きっと、言われたとおりに洸人って呼んだら、またすっごい照れてくれるのかな。
そう思うと、洸人とふたりの日々もそりゃ楽しかったけど、ひとり増える生活がもっともっと楽しくなるって確信してて。
絶対にふたりのこと守るぞって、誓える。
「あ、やっぱ気持ち悪い」
「うぉ!?トイレ行く?しんどいよな、マジで」
ほんと悪阻って嫌になる。
それでも洸人は自分がいるときは絶対に肩を貸して支えてくれて、もはやほぼ抱き上げながら連れてってくれるんだ。
背中を摩って、水や毛布を持ってきてくれたり、ずっと横に居てくれたり。
だから、この嫌な状態とも戦えるんだ。
そんな妊婦生活も、忍耐が必要な出産も、無事にやり遂げて。
「ありがとう……ほんとによかった……」
「うん、良かった」
筋力が入らなくて震える手を握りながら大号泣してる洸人と、既に愛おしい産声を上げる我が子が同じ空間にいるっていう、何があっても忘れられないであろう光景を目に焼き付けておいた。
検査しても、赤ちゃんにはなんの問題もないことがわかって。
その小さな身体を大事に受け取って抱きかかえ、しわしわのお顔を覗き込むと、庇護欲がマックスに込み上げてきた。
「ママだよ~ママがあなたのこと絶対守るからね」
そう話しかけると、ふわ~とあくびをされて、それさえも愛おしくてたまらなくなる。
ずっと寄り添ってくれた洸人にも早く抱っこしてもらおうと思って、横を向くと。
「う~ちょっと待って」
「泣きすぎ~」
またもや大号泣のパパ。
急いでティッシュで洟をかんで、少し落ち着いてからはい!と期待に満ちた赤い目で両腕を伸ばしてた。
お腹にいたときから溺愛してたわけだから、そーっとね、なんてわざわざ声をかける必要もないだろう。
ゆっくり渡すと、離れた体温が少し寂しかったけど、それ以上に洸人のとびきり優しい表情にこっちまで嬉しくなった。
「ぱ、パパだぞ~」
「パパ緊張しすぎ」
秒でどもっててクスクス笑ってると、急に真剣なことを言い始めた。
「パパがみーんな守るから。おっきくなるんだぞー」
みんなって、何?とは聞けなかったけど。
その真摯な表情に、すっごい頼りがいを感じて、じーんとしてしまった。
「あれ、今度はママが泣いてますけどー」
「うわ、いじってきた」
瞳に溜まった涙を指を拭ってからまた宝物を受け取ると、洸人が私の目を見た。
「みに、愛してるよ」
これまで、こんなにストレートに愛情表現してもらったことがあっただろうか。
大事な子を迎えて、なにか既に大切なものを身に着けたみたい。
「私も、愛してる」
「「……ふ」」
結局耐え切れずに照れ笑いが零れてしまったけど、これから、絶対いい家庭を築いていけるって確信できる時間だった。
……まあ、それから、育児って難しいなって感じることはいっぱいあったけど。
その度に探り探りで一緒に正解を探して、泣き声が収まると安心して。
愛情を注ぐってどういうことかわからなかったけど、できてるんじゃないかなって自分で思えるくらいには、パパとママを頑張ったように思う。
もううちの子と一緒に外出できそうになった、ある日。
家族みんなで買い物に来たベビー用品売り場、なんだけど。
「うわ、めっちゃ混んでるやん」
「ね、今日セールだから」
大盛況で、大事な我が子を抱っこしたまま突入できる感じではなかった。
「……俺、行って来るわ」
「え?」
「ふたりでここいて。電話する」
見かねた洸人がこっちを向いてそう言い放ち、躊躇なく突入していった。
買いたいものは事前に話してたから、わかるだろうなと思ってたけど、秒でスマホに着信。
「もしもし?」
「あんさー、靴下…ピンクと水色どっちがいい?」
「ふっ」
混んでて無理!とかかと思いきや。
えー今頃靴下の目の前で眉間に皺寄せながら考えてるのかな。
……すっごい見たい。
「笑うなよ」
「ごめんね。洸人のセンスに任せるよ。洸人が似合うなって思う方でいいんじゃない?」
律儀に聞かなくても、洸人が選んだっていいのに。
そう思って返事すると、想像より深刻そうな声がした。
「……無理。選べねえ」
「え?」
「ピンクのは、うさ耳が上んとこについてて絶対かわいいし、水色のは、足の甲んとこにスマイル描いてあんの。ね、両方かわいい」
力説してんのがかわいいよ、洸人。
別に両方買ったっていいのにさ。
「どっちも買う?」
「いいの!?」
「うん。靴下1足くらい荷物じゃないし」
急に嬉しそうな声だから、これは2足ともカゴに入れたなって確信。
このままいけば順調だろうと思ったら、すぐにまた深刻そうな口調に戻るもんだから、笑いそうになる。
「え、やば、上着かわいいけどこれは予定外だよな」
「……どんな?」
買うのを諦めるのがあまりに絶望したような声。
一応尋ねると、ラップみたいに早口で返ってきた。
「フードんとこにクマの耳ついてて、被ったらこぐまみたいになる。もこもこしてるから冬あったかいし抱っこしてたらかわいすぎてやばい。でも着せたい」
「そこまで言うなら買いなよ。セールだし」
「あざす!」
段々自信がついてきたみたいで、そこからは音声で聞く限りはスムーズに進んでるみたいだった。
こっちも大人しくスヤスヤ寝てて、気持ちも解れてる。
結局売り場から出てきた洸人が片手で持ってるエコバックは思ってたより膨れてて、爆買いパパ丸出しだった。
「……俺が持ち帰るんで、はい」
「ふふ、いいよ」
目線に怯えた洸人が言うから、もう立派な親バカだなって、面白かった。
