【Masaya.K】
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とん。
大きな机の下、隣の人と軽く足が当たった。
犯人を盗み見ると、全然こっちを見てない。
けど、表情筋が僅かに緩んでいるから絶対にわざと。
今は、INIフォルダの撮影中だというのに!
「みにちゃんは?」
「あー、うん。良くないと思う」
「雑すぎるでしょ。絶対聞いてなかったやん」
裁判長役の大夢に急に振られ、適当に返すと、洸人から容赦なくツッコミが飛んでくる。
「ちょっと〜みに〜」
犯人は、屈託のない笑顔で頭をぐしゃぐしゃ撫でてきた。
誰のせいだと……!
「キム、みにちゃんの髪崩れる」
威尊がなだめてくれて、柾哉の手が止まる。
話題が逸れると、柾哉はすーっと髪を梳かして戻してくれた。
その後も、机の下が映らないのを良いことに、調子に乗ってる柾哉。
しっかり前を向きながら、小指を絡ませてきたり、膝をくっつけてきたり。
それでも頑張って企画に参加し、ボケたり正論をかざしたりした。
なんとか撮影は終わり、スーツのままプラメやSNS用にオフショを撮る。
「めっちゃ喜ぶんじゃない?甘々ケミ推し」
隣に来た京介に肩を組まれながら言われた。
無言でセルカ撮ろうとすんのやめなさい。あんたと違って私が事故るから。
甘々ケミとは、柾哉と私のケミ。
お互い甘党で、かつ柾哉の対応が甘すぎてメンバーも呆れることからついた、何とも言えないケミ名である。
「なんで?」
「え、あんな頭撫でられといて『なんで?』とか言うわけ?」
やばい。ミスった。
は?って京介の顔に書いてある。
「慣れちゃったのかな」
「……柾哉くんめっちゃみにのこと好きだしね」
多少身構えて返したら、案外すぐ京介は納得してた。
「俺とも撮ろー」
京介と撮り終えると、次に近づいてきたのはたじ。
「たじ、本当スーツ似合うね」
「そーお?みにも似合うよ」
微笑んだ彼は、少し屈んで長い腕を伸ばす。
スマホの内カメラに目を向けると、遠くで柾哉と迅が顔をくっつけて撮ってるのが見える。
さっきは匠海と、その前は雄大と、同じ構図で撮ってなかった?
(全て採用されるとは限らないけど)
あの距離感バグめ。
「ふふ、柾哉くん気になるの?」
「え!?全然」
「今見てたでしょ」
たじは、ふわふわしてるようで、人のことをしっかり見てる。
嘘は通用しないと悟りながら首を横に振り続ければ、それ以上触れられることは無かった。
私服に着替え、送迎車に乗って宿舎に帰る。
隣にいた優しいフェンファンや理人には、撮影中のことを気にしてか「忙しすぎじゃない?」「無理してねえ?」と軽く心配された。
秘密を抱える罪悪感に苛まれそうになりながら、「大丈夫だよ」と返す。
でも、アイドルである以上、絶対に隠し通すって二人で決めたから。
車に揺られながら眠気に負けて目を瞑ると、告白された時を思い出した。
オーディション中から、練習生みんなに仲間意識を持っていたはずなのに、柾哉にだけ違う感情を持ってることは自覚してた。
無意識に姿を探してたし、ふとした時に体に触れるとドキドキしたから。
それなのに柾哉は隣から離れてくれなくて、国プの皆さんに「ずっと一緒にいてね」と言われる始末。
そして、お互いデビューができるって決定した最終日の夜。
柾哉に呼び出され、二人きりで話した。
「気づいてるかもしれないけど、みにが好き」
「私も、柾哉が好きだよ」
でも、これから私たちがなるのはアイドルだ。
国プさんの言う「はよ付き合え」という言葉だって、アイドルである以上私たちが恋人に発展なんてしないことが前提の言葉。
全部全部、わかってたから。
「これで最後にするから、キスしていい?」
目を伏せて言う柾哉に頷いて、一筋の涙を流しながら、そっと唇を重ねた。
そして、私たちのケミが絡む頻度は下がり、仲間として見られるようになってきたというのに。
デビューして時が経ったある日、このバカは目に涙を浮かべながら言ったんだ。
「ごめん。俺、ずっとみにが好きなまんまだ……」
苦しかった。そう付け足す柾哉を見てると、蓋をしたはずの思いは簡単に戻る。
「MINI、スタッフさん、メンバー。一人にでも勘付かれたら終わりね」
「うん。その覚悟はしてる」
そうして、絶対に秘密の恋人関係がスタートした。
表で絡む機会をちょっとだけ増やして、どこかが切り取られても「最近仲良いな」で済むようにした。
柾哉は距離感バグだと認知されてるし、正直今日だって普通に見えてるはず。
“恋人未満”だと思われるように、細心の注意を払ってきた。
「……みに、起きた?」
目を覚ますと、私の部屋のソファにいた。
そして、目の前にちょこんと柾哉がしゃがんでた。
「え、寝てた?」
「うん。よく寝てたから、『俺が運びます』って言ってきた」
「ありがとう」
「おんぶしたし、誰も怪しんでなかったよ」
安心する言葉をくれて、目を細めて頭を撫でられる。
「ごめんね、秘密共有させて」
「ううん、それでも幸せだから」
心苦しい瞬間があるのも事実だけど、こうしてふたりきりの空間で、とびきり甘い柾哉と一緒にいる時間が幸せなのもまた事実。
「でも、あんなことすんのやめてよ」
「割と俺、誰に対してもあんな感じじゃない?」
撮影中の出来事を持ち出して抗議すれば、ふにゃりと笑って反論された。
「そうだけど……」
「みんなにくっついてれば、みににくっついても『柾哉、距離感近いもんね〜』で許されるじゃん?楽しいけど」
「え、戦略家すぎない?」
「へへ、頭いいでしょ」
どうやら、意図的なスキンシップもあるらしい。
だめだ、そんなこと知っちゃったらもう。
メンバーとくっついてるとこを見ても嫉妬なんて無くなって、むしろ嬉しくなっちゃうじゃんか。
「でも、私の反応でバレるかも」
それでも、きっと私がどんどん冷たくなくなってるのを見つけられるかもしれない。
「割と前からみにはなんか嬉しそうにしてるよ」
「嘘」
柾哉によれば、その心配もないらしい。
確かに、秘密が秘密じゃなくなると一緒にいられなくなるんだから、慎重に動いてるか。
安心して、無意識に息を吐く。
起き上がって柾哉も座れるようにスペースを開ければ、何も言わなくても慣れたように座る柾哉。
「今だけは、俺のみにでしょ?」
距離がぐっと近づいて、耳にキスされた。
「ひゃっ」
「ここ弱いって知ってんの俺だけ」
イタズラっぽく笑って、耳をすりすり触ってくる。
「ねえ、くすぐったい」
「んー?」
身を捩って逃げると、楽しそうに柾哉は笑う。
「やめてほしい?」
「うん」
「じゃあみにからちゅーして」
すっと手を外して、柾哉が目を閉じる。
素直に口づければすぐに離してもらえる、わけもない。
息が苦しくなってトントンと肩を叩いたら、離れてくれるけど。
「じゃあ、おやすみ」
満足そうに笑った柾哉は、ポンポンと私の頭を撫でた後、自分の部屋に戻ろうと立ち上がる。
ぼーっと見つめてたら、切なげに柾哉は微笑んだ。
「そんな顔しないで、帰りたくなくなる」
「……そんな顔してた?」
変顔をすると、やめなさいって爆笑しながら柾哉は帰っていった。
大きな机の下、隣の人と軽く足が当たった。
犯人を盗み見ると、全然こっちを見てない。
けど、表情筋が僅かに緩んでいるから絶対にわざと。
今は、INIフォルダの撮影中だというのに!
「みにちゃんは?」
「あー、うん。良くないと思う」
「雑すぎるでしょ。絶対聞いてなかったやん」
裁判長役の大夢に急に振られ、適当に返すと、洸人から容赦なくツッコミが飛んでくる。
「ちょっと〜みに〜」
犯人は、屈託のない笑顔で頭をぐしゃぐしゃ撫でてきた。
誰のせいだと……!
「キム、みにちゃんの髪崩れる」
威尊がなだめてくれて、柾哉の手が止まる。
話題が逸れると、柾哉はすーっと髪を梳かして戻してくれた。
その後も、机の下が映らないのを良いことに、調子に乗ってる柾哉。
しっかり前を向きながら、小指を絡ませてきたり、膝をくっつけてきたり。
それでも頑張って企画に参加し、ボケたり正論をかざしたりした。
なんとか撮影は終わり、スーツのままプラメやSNS用にオフショを撮る。
「めっちゃ喜ぶんじゃない?甘々ケミ推し」
隣に来た京介に肩を組まれながら言われた。
無言でセルカ撮ろうとすんのやめなさい。あんたと違って私が事故るから。
甘々ケミとは、柾哉と私のケミ。
お互い甘党で、かつ柾哉の対応が甘すぎてメンバーも呆れることからついた、何とも言えないケミ名である。
「なんで?」
「え、あんな頭撫でられといて『なんで?』とか言うわけ?」
やばい。ミスった。
は?って京介の顔に書いてある。
「慣れちゃったのかな」
「……柾哉くんめっちゃみにのこと好きだしね」
多少身構えて返したら、案外すぐ京介は納得してた。
「俺とも撮ろー」
京介と撮り終えると、次に近づいてきたのはたじ。
「たじ、本当スーツ似合うね」
「そーお?みにも似合うよ」
微笑んだ彼は、少し屈んで長い腕を伸ばす。
スマホの内カメラに目を向けると、遠くで柾哉と迅が顔をくっつけて撮ってるのが見える。
さっきは匠海と、その前は雄大と、同じ構図で撮ってなかった?
(全て採用されるとは限らないけど)
あの距離感バグめ。
「ふふ、柾哉くん気になるの?」
「え!?全然」
「今見てたでしょ」
たじは、ふわふわしてるようで、人のことをしっかり見てる。
嘘は通用しないと悟りながら首を横に振り続ければ、それ以上触れられることは無かった。
私服に着替え、送迎車に乗って宿舎に帰る。
隣にいた優しいフェンファンや理人には、撮影中のことを気にしてか「忙しすぎじゃない?」「無理してねえ?」と軽く心配された。
秘密を抱える罪悪感に苛まれそうになりながら、「大丈夫だよ」と返す。
でも、アイドルである以上、絶対に隠し通すって二人で決めたから。
車に揺られながら眠気に負けて目を瞑ると、告白された時を思い出した。
オーディション中から、練習生みんなに仲間意識を持っていたはずなのに、柾哉にだけ違う感情を持ってることは自覚してた。
無意識に姿を探してたし、ふとした時に体に触れるとドキドキしたから。
それなのに柾哉は隣から離れてくれなくて、国プの皆さんに「ずっと一緒にいてね」と言われる始末。
そして、お互いデビューができるって決定した最終日の夜。
柾哉に呼び出され、二人きりで話した。
「気づいてるかもしれないけど、みにが好き」
「私も、柾哉が好きだよ」
でも、これから私たちがなるのはアイドルだ。
国プさんの言う「はよ付き合え」という言葉だって、アイドルである以上私たちが恋人に発展なんてしないことが前提の言葉。
全部全部、わかってたから。
「これで最後にするから、キスしていい?」
目を伏せて言う柾哉に頷いて、一筋の涙を流しながら、そっと唇を重ねた。
そして、私たちのケミが絡む頻度は下がり、仲間として見られるようになってきたというのに。
デビューして時が経ったある日、このバカは目に涙を浮かべながら言ったんだ。
「ごめん。俺、ずっとみにが好きなまんまだ……」
苦しかった。そう付け足す柾哉を見てると、蓋をしたはずの思いは簡単に戻る。
「MINI、スタッフさん、メンバー。一人にでも勘付かれたら終わりね」
「うん。その覚悟はしてる」
そうして、絶対に秘密の恋人関係がスタートした。
表で絡む機会をちょっとだけ増やして、どこかが切り取られても「最近仲良いな」で済むようにした。
柾哉は距離感バグだと認知されてるし、正直今日だって普通に見えてるはず。
“恋人未満”だと思われるように、細心の注意を払ってきた。
「……みに、起きた?」
目を覚ますと、私の部屋のソファにいた。
そして、目の前にちょこんと柾哉がしゃがんでた。
「え、寝てた?」
「うん。よく寝てたから、『俺が運びます』って言ってきた」
「ありがとう」
「おんぶしたし、誰も怪しんでなかったよ」
安心する言葉をくれて、目を細めて頭を撫でられる。
「ごめんね、秘密共有させて」
「ううん、それでも幸せだから」
心苦しい瞬間があるのも事実だけど、こうしてふたりきりの空間で、とびきり甘い柾哉と一緒にいる時間が幸せなのもまた事実。
「でも、あんなことすんのやめてよ」
「割と俺、誰に対してもあんな感じじゃない?」
撮影中の出来事を持ち出して抗議すれば、ふにゃりと笑って反論された。
「そうだけど……」
「みんなにくっついてれば、みににくっついても『柾哉、距離感近いもんね〜』で許されるじゃん?楽しいけど」
「え、戦略家すぎない?」
「へへ、頭いいでしょ」
どうやら、意図的なスキンシップもあるらしい。
だめだ、そんなこと知っちゃったらもう。
メンバーとくっついてるとこを見ても嫉妬なんて無くなって、むしろ嬉しくなっちゃうじゃんか。
「でも、私の反応でバレるかも」
それでも、きっと私がどんどん冷たくなくなってるのを見つけられるかもしれない。
「割と前からみにはなんか嬉しそうにしてるよ」
「嘘」
柾哉によれば、その心配もないらしい。
確かに、秘密が秘密じゃなくなると一緒にいられなくなるんだから、慎重に動いてるか。
安心して、無意識に息を吐く。
起き上がって柾哉も座れるようにスペースを開ければ、何も言わなくても慣れたように座る柾哉。
「今だけは、俺のみにでしょ?」
距離がぐっと近づいて、耳にキスされた。
「ひゃっ」
「ここ弱いって知ってんの俺だけ」
イタズラっぽく笑って、耳をすりすり触ってくる。
「ねえ、くすぐったい」
「んー?」
身を捩って逃げると、楽しそうに柾哉は笑う。
「やめてほしい?」
「うん」
「じゃあみにからちゅーして」
すっと手を外して、柾哉が目を閉じる。
素直に口づければすぐに離してもらえる、わけもない。
息が苦しくなってトントンと肩を叩いたら、離れてくれるけど。
「じゃあ、おやすみ」
満足そうに笑った柾哉は、ポンポンと私の頭を撫でた後、自分の部屋に戻ろうと立ち上がる。
ぼーっと見つめてたら、切なげに柾哉は微笑んだ。
「そんな顔しないで、帰りたくなくなる」
「……そんな顔してた?」
変顔をすると、やめなさいって爆笑しながら柾哉は帰っていった。
