【Fengfan.X】
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どうして、もっと可愛く生まれられなかったんだろう。
そんな恨み節はどうしようもないってわかっているけれど、切っては切り離せない悩みだった。
おしゃれも楽しむ気になれないし、初対面の人と目を合わせたくなくなるし、いいことないけど。
今日だって楽しみなデートのはずなのに、メイクしようと鏡を前にして、また気持ちが沈む。
下地を片手に持ったまま俯いていると、後ろからふわっと抱きしめられた。
「わっ」
「んーいい匂い」
正体は当たり前に同棲中の彼氏で、案外甘えた気質のある彼はすんすんと私の首元に顔を埋めて匂いを嗅いでいる。
まあ、フェンフェンにもらった香水をつけたからいい匂いなんだと思うけど。
「みに、こっち見て?」
「ん?」
ちょっと首終わりそうだけど。
なんとか捻って後ろを向けば、ふんわり微笑んでるフェンフェンと目が合った。
「だいすき」
全部を包み込んでくれるような、陽だまりみたいな雰囲気。
否定せず、かといってポジティブな意見を押し付けないところが、いつだって心地良いんだ。
「ありがと」
「ん〜俺が重いこと言ってるだけだよ」
励ますために言った!って感じじゃなくて、ゆるりと言いたいこと言って満足してるとこ。
もう、どうしてこんなに優しいんだろう。
「私のほうが大好きだもん」
「えー?かわいい」
さっきまで私が目の前にして沈んでた顔なのに、その顔を向けられて表情を緩める彼氏が不思議だ。
彼には私がどう見えてるのか、覗き込んでみたいくらい。
なんかエフェクトかかってるに違いないもん。
「不満そうな顔しないで。俺の大好きなものにネガティブなこと言わないで?」
上目遣いで懇願するような表情を向けられて、自分へのチクチク言葉が自然と消えた気がした。
「わかったあ」
「ふふ、いいこ〜」
すっかり絆されて頷くと、あたたかい手に髪を撫でられる。
その手つきに目を閉じていると、頭に軽い衝撃があった。
「ん?」
「ん?」
フェンフェンの方を見るけど、とぼけたように首を傾げるだけ。
絶対今頭にちゅーされたと思ったんだけどなあ。
「みにこれからメイクするの?」
「うん」
「えーじゃあ俺横にいよー」
離れると思いきやそれは少しだけで、どんなに小さい声でも拾ってくれそうな距離感は保ったまま。
フェンフェンは何もしなくてもサラサラの髪に櫛を通しながら、ぽやぽやとこっちを見てた。
「え、ずっと見てるの?」
「うん」
面白くないだろうに。こんなローテンションでメイクされても。
あんまりフェンフェンの気持ちが分からないけど、彼は満足そうにこっちを見てた。
「どんなみにも好きだから、楽しい」
「……うーん」
まあフェンフェンが楽しそうならいいかあ。
あんまり鏡の中の自分と目を合わせないようにしながら、遊びもせずにほとんど決まったメソッドに沿っていろんなものを塗る。
私はもう慣れすぎてどうも思わないのに、フェンフェンは一つ一つの作業にぱちぱちと瞬きをしては興味深そうにしてた。
「へ〜そこにするんだ」
「そうだよ?」
「すごい細かいね。難しそう」
「やる側の視点なんだ?」
講義を流し聞くくらいのテンションかと思ったら、感想がやろうとしてる人のものなのが謎で。
素直に聞いてみたけど、まあね、なんてはぐらかされてしまった。
「んーまあ、教えてあげる」
よほど私が知りたそうな顔をしてたのか、フェンフェンはその理由を教えてくれた。
「俺ができたら、みには幸せかなって思ったから」
「え?」
「みにって鏡見てるときあんまり楽しそうじゃないから、その時間を減らす手伝いができたらいいなと思った」
やっぱり、気づいてたんだ。
気づいたうえで、励ましを装った押し付けを発するとかじゃなくて、なるべく触れずに済む方法を考えてくれてた。
「フェンフェンは優しいね」
「みにが優しいからかな」
君にしかしないよ、とかじゃない返答も物凄く彼らしいと思った。
そんな柔らかい優しさを注いでくれることが幸せで、素直に受容したくなる。
「じゃあリップだけお願いしようかなあ」
塗る場所わかりやすいし、と思いながら手渡すと、急におどおどし始めたフェンフェン。
「ええ!?いいの?」
「うん。こちらこそ」
緊張する、とか呟いてから、フェンフェンはちょっとだけ手を震わせながらもそっと手を私の輪郭に添えた。
「わー、やばい」
「私もなんかドキドキしてきた」
真剣な目で唇を見られるなんてことないから、私だってドギマギしてしまう。
緊張に耐えきれず目を瞑ると、明らかにリップじゃない質感のものが触れた。
「ちゅー……した?」
びっくりして目を開けると、へへっていたずらっ子のように笑ったフェンフェンと目が合う。
照れるしかなくて、彼の胸板に顔を隠した。
「ばかー!」
「ごめんみに、目瞑ってるのがかわいくて、ごめんなさい」
彼の声が焦っているように聞こえて、怒ってるわけじゃないよって言いたくてすぐに顔を上げる。
照れただけって白状しようとした勇気は、そっちがやったくせに真っ赤になってるフェンフェンの頰を見れば湧いてきた。
「照れてるだけだから、大丈夫」
「みにも照れてるの?ふふ、かわいい」
嬉しそうに言ってるけど、“も”って瞬時に出てくるところが愛おしい。
言われなくてもわかってたけど、フェンフェンも照れてるんだ。
「私からお願いしておいて、これめっちゃ照れるね?」
「え?もう借りたからちゃんとやるまで返さないよ」
しれっとなかったことにしようとしたけど、真面目でちょっぴり頑固なフェンフェンにはリップをまだ返してくれる気配はなくて。
もう一回添えられた手に、今度はちゃんと塗ってくれるんだなって確信を持って、手のひらをぎゅっと握りしめながら目線だけ逸らしていた。
「できた!はい」
丁寧に返されたリップとフェンフェンの満足そうな笑みに、なんとかなってるんだなって確信をもらう。
上唇と下唇をちょっと擦り合わせてから開くと、いつも通りになってる感じがした。
「完璧だね、きっと」
「確認しなくていいの?」
鏡で確認してないことを気にして、フェンフェンが問う。
多少気にはなるけど、でも。
うまくいってる!って喜びよりも、やっぱり好きになれないものに対してのネガティブさが勝っちゃうような気がしたから。
だったらもう見ないで、フェンフェンにやってもらったままで過ごしてしまおうって気がした。
そう伝えると、そっか〜とだけ言い残したフェンフェンは、髪を少し揺らして歩く。
「そろそろ行こっか」
「うん!」
あんまり好きじゃないものを取り繕う時間でしかなかった支度の時間が、あたたかさと甘酸っぱさをたっぷり含んだ時間になってた。
そんな魔法をかけてくれる彼氏とのお出かけだから、こんなに楽しみに思えるんだと思う。
それぞれに上着を着てからフェンフェンの手をぎゅっと握ったら、幸せが増えてく気がした。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「自分の容姿にコンプレックスを抱える彼女を包み込んで肯定してくれるフェンフェン」
彼の綺麗な心を上手に書けたらな…と常々思っていたので、素敵なリク頂けてとても嬉しかったです!ありがとうございました🧸お待たせしました🙇♀️
そんな恨み節はどうしようもないってわかっているけれど、切っては切り離せない悩みだった。
おしゃれも楽しむ気になれないし、初対面の人と目を合わせたくなくなるし、いいことないけど。
今日だって楽しみなデートのはずなのに、メイクしようと鏡を前にして、また気持ちが沈む。
下地を片手に持ったまま俯いていると、後ろからふわっと抱きしめられた。
「わっ」
「んーいい匂い」
正体は当たり前に同棲中の彼氏で、案外甘えた気質のある彼はすんすんと私の首元に顔を埋めて匂いを嗅いでいる。
まあ、フェンフェンにもらった香水をつけたからいい匂いなんだと思うけど。
「みに、こっち見て?」
「ん?」
ちょっと首終わりそうだけど。
なんとか捻って後ろを向けば、ふんわり微笑んでるフェンフェンと目が合った。
「だいすき」
全部を包み込んでくれるような、陽だまりみたいな雰囲気。
否定せず、かといってポジティブな意見を押し付けないところが、いつだって心地良いんだ。
「ありがと」
「ん〜俺が重いこと言ってるだけだよ」
励ますために言った!って感じじゃなくて、ゆるりと言いたいこと言って満足してるとこ。
もう、どうしてこんなに優しいんだろう。
「私のほうが大好きだもん」
「えー?かわいい」
さっきまで私が目の前にして沈んでた顔なのに、その顔を向けられて表情を緩める彼氏が不思議だ。
彼には私がどう見えてるのか、覗き込んでみたいくらい。
なんかエフェクトかかってるに違いないもん。
「不満そうな顔しないで。俺の大好きなものにネガティブなこと言わないで?」
上目遣いで懇願するような表情を向けられて、自分へのチクチク言葉が自然と消えた気がした。
「わかったあ」
「ふふ、いいこ〜」
すっかり絆されて頷くと、あたたかい手に髪を撫でられる。
その手つきに目を閉じていると、頭に軽い衝撃があった。
「ん?」
「ん?」
フェンフェンの方を見るけど、とぼけたように首を傾げるだけ。
絶対今頭にちゅーされたと思ったんだけどなあ。
「みにこれからメイクするの?」
「うん」
「えーじゃあ俺横にいよー」
離れると思いきやそれは少しだけで、どんなに小さい声でも拾ってくれそうな距離感は保ったまま。
フェンフェンは何もしなくてもサラサラの髪に櫛を通しながら、ぽやぽやとこっちを見てた。
「え、ずっと見てるの?」
「うん」
面白くないだろうに。こんなローテンションでメイクされても。
あんまりフェンフェンの気持ちが分からないけど、彼は満足そうにこっちを見てた。
「どんなみにも好きだから、楽しい」
「……うーん」
まあフェンフェンが楽しそうならいいかあ。
あんまり鏡の中の自分と目を合わせないようにしながら、遊びもせずにほとんど決まったメソッドに沿っていろんなものを塗る。
私はもう慣れすぎてどうも思わないのに、フェンフェンは一つ一つの作業にぱちぱちと瞬きをしては興味深そうにしてた。
「へ〜そこにするんだ」
「そうだよ?」
「すごい細かいね。難しそう」
「やる側の視点なんだ?」
講義を流し聞くくらいのテンションかと思ったら、感想がやろうとしてる人のものなのが謎で。
素直に聞いてみたけど、まあね、なんてはぐらかされてしまった。
「んーまあ、教えてあげる」
よほど私が知りたそうな顔をしてたのか、フェンフェンはその理由を教えてくれた。
「俺ができたら、みには幸せかなって思ったから」
「え?」
「みにって鏡見てるときあんまり楽しそうじゃないから、その時間を減らす手伝いができたらいいなと思った」
やっぱり、気づいてたんだ。
気づいたうえで、励ましを装った押し付けを発するとかじゃなくて、なるべく触れずに済む方法を考えてくれてた。
「フェンフェンは優しいね」
「みにが優しいからかな」
君にしかしないよ、とかじゃない返答も物凄く彼らしいと思った。
そんな柔らかい優しさを注いでくれることが幸せで、素直に受容したくなる。
「じゃあリップだけお願いしようかなあ」
塗る場所わかりやすいし、と思いながら手渡すと、急におどおどし始めたフェンフェン。
「ええ!?いいの?」
「うん。こちらこそ」
緊張する、とか呟いてから、フェンフェンはちょっとだけ手を震わせながらもそっと手を私の輪郭に添えた。
「わー、やばい」
「私もなんかドキドキしてきた」
真剣な目で唇を見られるなんてことないから、私だってドギマギしてしまう。
緊張に耐えきれず目を瞑ると、明らかにリップじゃない質感のものが触れた。
「ちゅー……した?」
びっくりして目を開けると、へへっていたずらっ子のように笑ったフェンフェンと目が合う。
照れるしかなくて、彼の胸板に顔を隠した。
「ばかー!」
「ごめんみに、目瞑ってるのがかわいくて、ごめんなさい」
彼の声が焦っているように聞こえて、怒ってるわけじゃないよって言いたくてすぐに顔を上げる。
照れただけって白状しようとした勇気は、そっちがやったくせに真っ赤になってるフェンフェンの頰を見れば湧いてきた。
「照れてるだけだから、大丈夫」
「みにも照れてるの?ふふ、かわいい」
嬉しそうに言ってるけど、“も”って瞬時に出てくるところが愛おしい。
言われなくてもわかってたけど、フェンフェンも照れてるんだ。
「私からお願いしておいて、これめっちゃ照れるね?」
「え?もう借りたからちゃんとやるまで返さないよ」
しれっとなかったことにしようとしたけど、真面目でちょっぴり頑固なフェンフェンにはリップをまだ返してくれる気配はなくて。
もう一回添えられた手に、今度はちゃんと塗ってくれるんだなって確信を持って、手のひらをぎゅっと握りしめながら目線だけ逸らしていた。
「できた!はい」
丁寧に返されたリップとフェンフェンの満足そうな笑みに、なんとかなってるんだなって確信をもらう。
上唇と下唇をちょっと擦り合わせてから開くと、いつも通りになってる感じがした。
「完璧だね、きっと」
「確認しなくていいの?」
鏡で確認してないことを気にして、フェンフェンが問う。
多少気にはなるけど、でも。
うまくいってる!って喜びよりも、やっぱり好きになれないものに対してのネガティブさが勝っちゃうような気がしたから。
だったらもう見ないで、フェンフェンにやってもらったままで過ごしてしまおうって気がした。
そう伝えると、そっか〜とだけ言い残したフェンフェンは、髪を少し揺らして歩く。
「そろそろ行こっか」
「うん!」
あんまり好きじゃないものを取り繕う時間でしかなかった支度の時間が、あたたかさと甘酸っぱさをたっぷり含んだ時間になってた。
そんな魔法をかけてくれる彼氏とのお出かけだから、こんなに楽しみに思えるんだと思う。
それぞれに上着を着てからフェンフェンの手をぎゅっと握ったら、幸せが増えてく気がした。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「自分の容姿にコンプレックスを抱える彼女を包み込んで肯定してくれるフェンフェン」
彼の綺麗な心を上手に書けたらな…と常々思っていたので、素敵なリク頂けてとても嬉しかったです!ありがとうございました🧸お待たせしました🙇♀️
