【Jin.M】
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「はあ、彼氏ほしー」
「ほんと不思議だよね、みになんて彼氏のひとりやふたりくらいいそうなのに」
「うう……ふたりはだめでしょうが……」
「こんなに一途ちゃんなのにね?」
食堂の塩ラーメンを啜りながらぼやけば、目の前の友だちに馬鹿にしたように笑われた。
なんだよう、そもそも半分あんたのせいなのに。
「原因はそっちにもあると思わないの?」
「さあ?」
「私をミスコンに出したの誰よ」
「ふふ、まさかこうなると思わないじゃん」
半年前、学祭の実行委員だった彼女に「ねえ本当に一生のお願い!みに超美人なんだからミスコン出て!ラーメンでも焼肉でもスイパラでもなんでも奢るから!」と泣きそうな顔で懇願され。
この子がエナジードリンクを携帯しながら頑張ってるのを知ってたから、なんかよくわかんないけどエントリーしたらいいのか、みたいな軽い気持ちで了承した。
「なんもしないで準グランプリ獲っちゃうんだもんね?」
「だから鼻につくみたいになっちゃったんじゃん」
他のエントリーをした子はSNSにいっぱい写真を投稿したり、フォロワーを増やすために動いたり、頑張ってたのに、私は本当に何もしていなかった。
SNSも全然見なければ人見知りの自分にそれを教えてくれる人はいなかったから。
当日、この子に着せられた大人っぽい服に身を包んで、言われるがままになんか歩いてたら、たぶんそのやる気のなさが面白くて票を集めてしまった。
結果、アイドルのコピーダンスサークルのセンターという眩しすぎる称号を持った子がグランプリを獲得し、苦笑いの私が準グランプリとして表彰された。アンバランスすぎ。
「まあ、それなくってもみには高嶺の花でしょ」
「全然そんなことないんだけどな……私が人見知りすぎるから?」
「それはあるかも」
「うっ」
ストレートにダメージを受け、胸を抑える。
そのとき、空いていた隣の席に、カタリと定食が置かれた。
「お隣いいですか?」
「あ、どうぞどうぞ」
顔を上げると、美術品みたいに整った顔があった。
わあイケメン、と思っていると、彼の耳が赤くなって。
「あの、みにさんですよね」
「は、はい」
ミスコンのせいでコソコソ聞こえることはあったけど、こうして面と向かって言われるのは初めてかもしれない。
驚きながら少し身構えて返事したら、隣に立つ彼が勢いよく頭を下げた。
「みにさん、好きです!付き合ってください!」
「……え、えっとあの、頭上げてもらって、えっと、とりあえず座ってください、ね?」
人生初の展開に戸惑いながら、とりあえず彼を落ち着かせようと試みる。
促し続ければ、眉毛を下げてしょんぼりした表情を浮かべながら着席してくれた。してくれたっておかしいか。
とりあえずお名前だけでも聞かせてもらおうかな、と口を開いたら、友達が前のめりに喋ってた。
「え!?あの松田迅くんだよね!?ミスターコン出てくれて、すっごい盛り上がった!」
「そ、そうなの……?」
綺麗な顔だなと思ったら、そうだったんだ。
でも隣の男の子は、彼女の方を向いてにこやかにぺこりと会釈してから、すぐにこっちに向き直った。
「でもみにさんは知らないと思うから、自己紹介します。松田迅です」
「あ、うん、よろしくね」
慌てて頭を下げたら、友達は何やらニヤニヤと口角をあげて「ちょっと用事~」と言い残して去っていった。
どうしよ、黙ってたらまた怖いと思われちゃうのに、なんて言ったらいいのかわかんない。
焦ってると、隣から楽しそうな笑い声がした。
「やっぱりかわいいですね、みにさん」
「……へ?」
貰ったことのない褒め言葉に、フル回転だった思考回路が止まる。
近寄りがたいとか思わないのかな。
「どうしようって言うのがすっごい顔に出てて、大好きです」
「だっ……!?」
こんなにポンポンと言葉が出てくるのが凄すぎて、驚きが止まらない。
しかもすごいのは、それを言う目があまりに澄んでいるから、適当じゃなくて本当に思ってるらしいとこだ。
「ふふ、じゃあ俺が質問して、ふたりとも答えるっていうのはいいですか?」
「い、いいよ」
勢いに圧倒されて頷くと、学部やバイト先や二外に始まり、出身地や趣味までパーソナルな部分まで話した。
でも彼の雰囲気に飲み込まれている間、なんだかすっごく楽しかった。
「最後に、恋人か好きな人、いますか?」
「へへ、残念ながらいません。どっちも」
普通にノリで答えちゃったけど、松田くんはそうでもなかったみたい。
大きく深呼吸が聞こえた後、覚悟を決めたように瞬きをしていた。
「俺は彼女はいないけど、好きな人は今隣にいます」
本日二度目の告白に、今度は何も言えなくなる。
固まってる私に、松田くんはぎこちなく笑いかけた。
「迷惑じゃなかったら、これから喋りかけてもいいですか?」
「……うん、いいよ」
この返事は、素直に口から出たものだった。
それからというもの、松田くんは本当に沢山話しかけてくれた。
初めて会った水曜日の食堂は、彼とふたりで食べるのが定番になった。
1つ授業が被ってたみたいで、ひとりで座ってたら「みにさん!隣で受けてもいいですか!」とキラキラの目で聞いてくれる。
学内を歩いていると、「みにさん!今日もめっちゃ美人ですね!」って子犬みたいに走って来て褒めてくれる。
大学から駅まで歩いてるときに見かけたら、ぶんぶんと手を振りながら「好きです」って口パクしてた。
1番びっくりしたのは最寄り駅でバッタリ会ったときで、友達と楽しそうに喋ってたのに、もっと顔を綻ばせて話しかけられた。
そのくせ、「そろそろ松田くんじゃなくて迅って呼んでください」とか「連絡先、交換してもらますか」とか、「一緒に出掛けてくれませんか」とか言うときは声が小さいし耳まで真っ赤だから、こっちが照れてしまうんだ。
「振り回されてんね、みに」
「……うん」
水曜日の食堂で、“嫌じゃないならふたりで会ってあげな!”と言ってた友達が声をかけてきた。
食堂までの距離とか前の時間の教授のスタンスとかで、大体私の方が早く着くから、今はまだひとり。
「でも、表情柔らかくなったし結構楽しそうだし、もうみにの方が待ってるように見えるけどな、私」
彼女が指さす先は、隣に置いた私の鞄。
今までは場所取りなんかしなかったのに、自分から隣に来てほしいって言ってるようなもんじゃん、これ。
改めて指摘されると恥ずかしい。
「そうなのかも……」
「今度はみにが勇気を出す番なんじゃないの?」
人前に出るのがあまりにも苦手そうだったのに友だちのためにミスコンに出てるところがかっこよかった、授業後にみんながバラバラに提出していく出席票を綺麗にまとめてるところが優しい、実はかなり表情豊かなとこがかわいい……
こんなにはっきり言葉にして好きを伝えてくれてるのに、私はかっこいいのかの字も言ったことない。だから。
「うん、がんばる」
「ふふ、がんばれ」
ひらひらと手を振る友だちに振り返して、今日は気持ちをなにか1つ言葉にしようって決めた。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「恋したいのに男子から怖がられちゃうクール系女子大生×そんな女の子を好きになってキャンパス内外で猛アタックしてくる後輩松田迅」
あまりにもドラマチックすぎて、うっとりしながら書いてみました笑
ありがとうございました⸝⋆
「ほんと不思議だよね、みになんて彼氏のひとりやふたりくらいいそうなのに」
「うう……ふたりはだめでしょうが……」
「こんなに一途ちゃんなのにね?」
食堂の塩ラーメンを啜りながらぼやけば、目の前の友だちに馬鹿にしたように笑われた。
なんだよう、そもそも半分あんたのせいなのに。
「原因はそっちにもあると思わないの?」
「さあ?」
「私をミスコンに出したの誰よ」
「ふふ、まさかこうなると思わないじゃん」
半年前、学祭の実行委員だった彼女に「ねえ本当に一生のお願い!みに超美人なんだからミスコン出て!ラーメンでも焼肉でもスイパラでもなんでも奢るから!」と泣きそうな顔で懇願され。
この子がエナジードリンクを携帯しながら頑張ってるのを知ってたから、なんかよくわかんないけどエントリーしたらいいのか、みたいな軽い気持ちで了承した。
「なんもしないで準グランプリ獲っちゃうんだもんね?」
「だから鼻につくみたいになっちゃったんじゃん」
他のエントリーをした子はSNSにいっぱい写真を投稿したり、フォロワーを増やすために動いたり、頑張ってたのに、私は本当に何もしていなかった。
SNSも全然見なければ人見知りの自分にそれを教えてくれる人はいなかったから。
当日、この子に着せられた大人っぽい服に身を包んで、言われるがままになんか歩いてたら、たぶんそのやる気のなさが面白くて票を集めてしまった。
結果、アイドルのコピーダンスサークルのセンターという眩しすぎる称号を持った子がグランプリを獲得し、苦笑いの私が準グランプリとして表彰された。アンバランスすぎ。
「まあ、それなくってもみには高嶺の花でしょ」
「全然そんなことないんだけどな……私が人見知りすぎるから?」
「それはあるかも」
「うっ」
ストレートにダメージを受け、胸を抑える。
そのとき、空いていた隣の席に、カタリと定食が置かれた。
「お隣いいですか?」
「あ、どうぞどうぞ」
顔を上げると、美術品みたいに整った顔があった。
わあイケメン、と思っていると、彼の耳が赤くなって。
「あの、みにさんですよね」
「は、はい」
ミスコンのせいでコソコソ聞こえることはあったけど、こうして面と向かって言われるのは初めてかもしれない。
驚きながら少し身構えて返事したら、隣に立つ彼が勢いよく頭を下げた。
「みにさん、好きです!付き合ってください!」
「……え、えっとあの、頭上げてもらって、えっと、とりあえず座ってください、ね?」
人生初の展開に戸惑いながら、とりあえず彼を落ち着かせようと試みる。
促し続ければ、眉毛を下げてしょんぼりした表情を浮かべながら着席してくれた。してくれたっておかしいか。
とりあえずお名前だけでも聞かせてもらおうかな、と口を開いたら、友達が前のめりに喋ってた。
「え!?あの松田迅くんだよね!?ミスターコン出てくれて、すっごい盛り上がった!」
「そ、そうなの……?」
綺麗な顔だなと思ったら、そうだったんだ。
でも隣の男の子は、彼女の方を向いてにこやかにぺこりと会釈してから、すぐにこっちに向き直った。
「でもみにさんは知らないと思うから、自己紹介します。松田迅です」
「あ、うん、よろしくね」
慌てて頭を下げたら、友達は何やらニヤニヤと口角をあげて「ちょっと用事~」と言い残して去っていった。
どうしよ、黙ってたらまた怖いと思われちゃうのに、なんて言ったらいいのかわかんない。
焦ってると、隣から楽しそうな笑い声がした。
「やっぱりかわいいですね、みにさん」
「……へ?」
貰ったことのない褒め言葉に、フル回転だった思考回路が止まる。
近寄りがたいとか思わないのかな。
「どうしようって言うのがすっごい顔に出てて、大好きです」
「だっ……!?」
こんなにポンポンと言葉が出てくるのが凄すぎて、驚きが止まらない。
しかもすごいのは、それを言う目があまりに澄んでいるから、適当じゃなくて本当に思ってるらしいとこだ。
「ふふ、じゃあ俺が質問して、ふたりとも答えるっていうのはいいですか?」
「い、いいよ」
勢いに圧倒されて頷くと、学部やバイト先や二外に始まり、出身地や趣味までパーソナルな部分まで話した。
でも彼の雰囲気に飲み込まれている間、なんだかすっごく楽しかった。
「最後に、恋人か好きな人、いますか?」
「へへ、残念ながらいません。どっちも」
普通にノリで答えちゃったけど、松田くんはそうでもなかったみたい。
大きく深呼吸が聞こえた後、覚悟を決めたように瞬きをしていた。
「俺は彼女はいないけど、好きな人は今隣にいます」
本日二度目の告白に、今度は何も言えなくなる。
固まってる私に、松田くんはぎこちなく笑いかけた。
「迷惑じゃなかったら、これから喋りかけてもいいですか?」
「……うん、いいよ」
この返事は、素直に口から出たものだった。
それからというもの、松田くんは本当に沢山話しかけてくれた。
初めて会った水曜日の食堂は、彼とふたりで食べるのが定番になった。
1つ授業が被ってたみたいで、ひとりで座ってたら「みにさん!隣で受けてもいいですか!」とキラキラの目で聞いてくれる。
学内を歩いていると、「みにさん!今日もめっちゃ美人ですね!」って子犬みたいに走って来て褒めてくれる。
大学から駅まで歩いてるときに見かけたら、ぶんぶんと手を振りながら「好きです」って口パクしてた。
1番びっくりしたのは最寄り駅でバッタリ会ったときで、友達と楽しそうに喋ってたのに、もっと顔を綻ばせて話しかけられた。
そのくせ、「そろそろ松田くんじゃなくて迅って呼んでください」とか「連絡先、交換してもらますか」とか、「一緒に出掛けてくれませんか」とか言うときは声が小さいし耳まで真っ赤だから、こっちが照れてしまうんだ。
「振り回されてんね、みに」
「……うん」
水曜日の食堂で、“嫌じゃないならふたりで会ってあげな!”と言ってた友達が声をかけてきた。
食堂までの距離とか前の時間の教授のスタンスとかで、大体私の方が早く着くから、今はまだひとり。
「でも、表情柔らかくなったし結構楽しそうだし、もうみにの方が待ってるように見えるけどな、私」
彼女が指さす先は、隣に置いた私の鞄。
今までは場所取りなんかしなかったのに、自分から隣に来てほしいって言ってるようなもんじゃん、これ。
改めて指摘されると恥ずかしい。
「そうなのかも……」
「今度はみにが勇気を出す番なんじゃないの?」
人前に出るのがあまりにも苦手そうだったのに友だちのためにミスコンに出てるところがかっこよかった、授業後にみんながバラバラに提出していく出席票を綺麗にまとめてるところが優しい、実はかなり表情豊かなとこがかわいい……
こんなにはっきり言葉にして好きを伝えてくれてるのに、私はかっこいいのかの字も言ったことない。だから。
「うん、がんばる」
「ふふ、がんばれ」
ひらひらと手を振る友だちに振り返して、今日は気持ちをなにか1つ言葉にしようって決めた。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「恋したいのに男子から怖がられちゃうクール系女子大生×そんな女の子を好きになってキャンパス内外で猛アタックしてくる後輩松田迅」
あまりにもドラマチックすぎて、うっとりしながら書いてみました笑
ありがとうございました⸝⋆
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