【Takumi.O】
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「じゃあこの問題を尾崎。……おざきー?」
先生に指名された隣の彼に目線を送ると、真面目な顔で固まっていた。
その沈黙に疑問を持った先生がこっちを向くけど、多分先生の予想に反して彼はしっかり起きてて。
匠海くんを見て訝しげな表情を浮かべた。
「どうした?」
「わかんないっす!」
「え?そ、そうか」
真っすぐな瞳でお手上げ宣言をする匠海くんに狼狽えてる先生。
あまりに真っすぐすぎるから、匠海くんがしっかり授業を聞いていたことはわかると思うけど。
「さっきの問題の式をちょっと変形してるだけで、ここ変えたら一緒になるけど。どうだ?」
「え、あっ、あー!」
気付いた匠海くんの声が教室に響いて、優しい笑いに包まれる。
あ、前の席で教科書立てて寝てた藤牧くん、起きた。
「こうだから、こう!」
完全に理解して数式を連ねた匠海くんが、嬉しそうにノートを掲げる。
「うん、こっからその字は見えないな?」
笑いながら先生がツッコんで、教室が爆笑の渦に包まれる。
匠海くんは照れたようにはにかんで、ちょっと小さくなってた。
えくぼも、その振る舞いも、なんかかわいいんだよね。
先生は匠海くんは理解できてると認識したようで、授業は進んでいく。
チャイムが鳴って礼をすれば、疲れたように匠海くんが席に座った。
「ほんま恥ずかし~」
眉毛をハの字にして、絵に描いたようにしゅんとしてる。
いたたまれない、けど、かわいい。
「真面目さとかは伝わってたと思うけどなあ」
本心からフォローしたらすぐに明るい表情に戻るんだから、本当に素直な人だ。
「ほんま?」
「うんうん。ちゃんと授業聞いてるのも、最後には理解してんのも伝わってたよ」
「……ならええかあ」
耳を赤くして少しぼーっとしてから、そっぽを向いてそう言ってた。
あれ、この空気感、なんだろ。
そんな動揺は、すぐに消えた。
「たくみぃ、ノート見して」
「また寝てたもんなあ」
だるそうに振り返った藤牧くんが、匠海くんのノートをかっさからってったから。
いつもこのやり取りしてるのに嫌な顔ひとつせず差し出す匠海くんって、やっぱり優しいよね。
「次のテスト、俺と京介どっちが良い点とると思う?」
藤牧くんがノートを写している間、匠海くんに話しかけられた。
彼は休み時間にもこうしてふわふわと話しかけてくれるから、少しびっくりするけど楽しい。
今回は、なんて答えたらいいのかわかんないけど。
「うーん……」
実は、ふたりはいつも補習スレッスレらしい。
真面目に考えてるけどさっきみたいにどこか抜けてたりひっかけ問題に見事引っかかったりするもんだから点が取れない匠海くんと、普段授業は爆睡してて試験前に要領よく詰め込んで対処する藤牧くん。
口を開こうとすると、勢いよく藤牧くんが振り返った。
「匠海、ここ違くね?」
「えっ」
ノートを受け取って、匠海くんがしかめっ面をしながら覗き込む。
その表情からなにがあったのか私も気になって、彼のノートに目線を落とした。
「あれ、ここ当たってた問題じゃない?途中で符号が違ってるのかも」
「えっあっ、あ、うん」
該当箇所を見つけて指さすと、歯切れ悪く彼が返事をする。
違和感を覚えて顔を上げれば、顔を真っ赤にした匠海くんの顔がすぐそばにあった。
「あ、ごめん……!」
「い、いや、教えてくれてありがとう!さすがみにちゃんやな」
もごもごと謝ってから離れると、匠海くんももごもごと言ってからシャーペンを握る。
気まずくなってると、クスクスと笑いながら藤牧くんも口を開いた。
「それで、みにはどっちがいい点とると思う?」
いきなりの呼び捨てにも話題の蒸し返しにもびっくりしたけど、さっき言おうとしたことを言うしかなかった。
「応援したくなるのは、匠海くん、かな」
藤牧くんの方を見ると、にやにやと笑って八重歯を見せながら喋りだした。
「ふーん。じゃあ匠海に勉強教えてやってよ。今日の放課後とか」
「な、なに言ってん!?」
真面目に間違いを直してた匠海くんが焦ったようにバッと顔を上げる。
満足した様子の藤牧くんは、口角をさらに上げて前の席に座り直した。
その瞬間、次の授業の開始を告げるチャイムが鳴る。
「え、えーっと、ほんまにお願いしてもええの?」
遅刻癖のある先生を待つ間、机の中から教科書を出すと小声で匠海くんに尋ねられてびっくりする。
いきなりでびっくりするけど、嫌なわけなくって。
「いいよ」
クラスメイト達が騒ぎ出す中、ふたりだけの約束が成立した。
……なんて少しドキドキするけど平和な昼間だったのに。
「なあ、俺も名前で呼んでええ?」
たまたま二人きりになった、西日が差す放課後の教室。
いつもの席で隣にいる匠海くんは、頬杖をついてこっちを見て、いつもより低く感じる声で言うから。
初めて“男”な部分に触れた気がして、心臓がバクバク言って仕方ない。
「い、いよ」
「良かったあ。いきなり京介が呼んでるからびっくりしたし。いつの間に仲良くなったん?」
「いやあ……」
本当に身に覚えがないから、答えに困る。
それを何か言えないことでもあるかのように受け取った様子の匠海くんは、不機嫌そうに唇を尖らせた。
「俺が一番みにと仲良いと思ってた」
「私もそう思ってるよ?」
「ならええけどな」
それだけ言って、匠海くんはまた教科書に向き直る。
サラサラの髪が重力に従って落ちる感じとか、主張は少ないけどスッと通った鼻筋とか、喉の骨格の感じとか、手の大きさとか。
かっこいい男の人なんだなあって急に認識しちゃって、目が離せなかった。
「ん?」
さすがに目線に気づいたらしい匠海くんがこっちを見て、きゅっと小さく口角を上げる姿も、イケメンだなあって思っちゃって。
我に返って首をブンブンと横に振り、私も机の上の問題集に目を向けることにした。
「わからん」
躓く速さ、思った通りではある。
赤くなった頬がバレないかちょっとヒヤヒヤしながら匠海くんの手元を見ると、真っさらなままだった。
「ん?どこ?」
「これ」
シャーペンの頭で指してるのは、公式の真下にある例。
矢印を書き込んだら、おお!と感動したような声を上げてた。
「そういうことやったんや~やっぱみにすごいなあ」
「匠海くんは買い被りすぎだよ」
「なんで?」
ただの謙遜のつもりだったけど、匠海くん的にその返答はお気に召さなかったらしい。
「俺はみにが優しくて真面目で努力家なとこ、知ってるつもりなんよ」
今日言うつもりじゃなかってんけど……と呟いてから、匠海くんの手が遠慮がちに私の手を包み込んだ。
「そんなみにが、ずっと好きです」
目の真っすぐさは、昼間と一緒に偽りのなさが出ている。
そこに優しさと甘さがあるようで、目を合わせるのに緊張するのに、吸い込まれるように離せなかった。
「え……」
「いきなりごめんな。どうしても伝えたくて」
にこっと笑って、手が離れる。
目に映るのは、かわいいだけじゃない姿だった。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「不器用で天然なのにいざと言う時は男らしい匠海くんとの甘い放課後」
たぶん藤牧くんは匠海くんに嫉妬させるために呼び捨てしたし、匠海くんは呼び捨てするシミュレーションをいっぱいしたおかげでなんとかすっと呼べてるよね✨
ありがとうございました⸝⋆お待たせしました!!
先生に指名された隣の彼に目線を送ると、真面目な顔で固まっていた。
その沈黙に疑問を持った先生がこっちを向くけど、多分先生の予想に反して彼はしっかり起きてて。
匠海くんを見て訝しげな表情を浮かべた。
「どうした?」
「わかんないっす!」
「え?そ、そうか」
真っすぐな瞳でお手上げ宣言をする匠海くんに狼狽えてる先生。
あまりに真っすぐすぎるから、匠海くんがしっかり授業を聞いていたことはわかると思うけど。
「さっきの問題の式をちょっと変形してるだけで、ここ変えたら一緒になるけど。どうだ?」
「え、あっ、あー!」
気付いた匠海くんの声が教室に響いて、優しい笑いに包まれる。
あ、前の席で教科書立てて寝てた藤牧くん、起きた。
「こうだから、こう!」
完全に理解して数式を連ねた匠海くんが、嬉しそうにノートを掲げる。
「うん、こっからその字は見えないな?」
笑いながら先生がツッコんで、教室が爆笑の渦に包まれる。
匠海くんは照れたようにはにかんで、ちょっと小さくなってた。
えくぼも、その振る舞いも、なんかかわいいんだよね。
先生は匠海くんは理解できてると認識したようで、授業は進んでいく。
チャイムが鳴って礼をすれば、疲れたように匠海くんが席に座った。
「ほんま恥ずかし~」
眉毛をハの字にして、絵に描いたようにしゅんとしてる。
いたたまれない、けど、かわいい。
「真面目さとかは伝わってたと思うけどなあ」
本心からフォローしたらすぐに明るい表情に戻るんだから、本当に素直な人だ。
「ほんま?」
「うんうん。ちゃんと授業聞いてるのも、最後には理解してんのも伝わってたよ」
「……ならええかあ」
耳を赤くして少しぼーっとしてから、そっぽを向いてそう言ってた。
あれ、この空気感、なんだろ。
そんな動揺は、すぐに消えた。
「たくみぃ、ノート見して」
「また寝てたもんなあ」
だるそうに振り返った藤牧くんが、匠海くんのノートをかっさからってったから。
いつもこのやり取りしてるのに嫌な顔ひとつせず差し出す匠海くんって、やっぱり優しいよね。
「次のテスト、俺と京介どっちが良い点とると思う?」
藤牧くんがノートを写している間、匠海くんに話しかけられた。
彼は休み時間にもこうしてふわふわと話しかけてくれるから、少しびっくりするけど楽しい。
今回は、なんて答えたらいいのかわかんないけど。
「うーん……」
実は、ふたりはいつも補習スレッスレらしい。
真面目に考えてるけどさっきみたいにどこか抜けてたりひっかけ問題に見事引っかかったりするもんだから点が取れない匠海くんと、普段授業は爆睡してて試験前に要領よく詰め込んで対処する藤牧くん。
口を開こうとすると、勢いよく藤牧くんが振り返った。
「匠海、ここ違くね?」
「えっ」
ノートを受け取って、匠海くんがしかめっ面をしながら覗き込む。
その表情からなにがあったのか私も気になって、彼のノートに目線を落とした。
「あれ、ここ当たってた問題じゃない?途中で符号が違ってるのかも」
「えっあっ、あ、うん」
該当箇所を見つけて指さすと、歯切れ悪く彼が返事をする。
違和感を覚えて顔を上げれば、顔を真っ赤にした匠海くんの顔がすぐそばにあった。
「あ、ごめん……!」
「い、いや、教えてくれてありがとう!さすがみにちゃんやな」
もごもごと謝ってから離れると、匠海くんももごもごと言ってからシャーペンを握る。
気まずくなってると、クスクスと笑いながら藤牧くんも口を開いた。
「それで、みにはどっちがいい点とると思う?」
いきなりの呼び捨てにも話題の蒸し返しにもびっくりしたけど、さっき言おうとしたことを言うしかなかった。
「応援したくなるのは、匠海くん、かな」
藤牧くんの方を見ると、にやにやと笑って八重歯を見せながら喋りだした。
「ふーん。じゃあ匠海に勉強教えてやってよ。今日の放課後とか」
「な、なに言ってん!?」
真面目に間違いを直してた匠海くんが焦ったようにバッと顔を上げる。
満足した様子の藤牧くんは、口角をさらに上げて前の席に座り直した。
その瞬間、次の授業の開始を告げるチャイムが鳴る。
「え、えーっと、ほんまにお願いしてもええの?」
遅刻癖のある先生を待つ間、机の中から教科書を出すと小声で匠海くんに尋ねられてびっくりする。
いきなりでびっくりするけど、嫌なわけなくって。
「いいよ」
クラスメイト達が騒ぎ出す中、ふたりだけの約束が成立した。
……なんて少しドキドキするけど平和な昼間だったのに。
「なあ、俺も名前で呼んでええ?」
たまたま二人きりになった、西日が差す放課後の教室。
いつもの席で隣にいる匠海くんは、頬杖をついてこっちを見て、いつもより低く感じる声で言うから。
初めて“男”な部分に触れた気がして、心臓がバクバク言って仕方ない。
「い、いよ」
「良かったあ。いきなり京介が呼んでるからびっくりしたし。いつの間に仲良くなったん?」
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それを何か言えないことでもあるかのように受け取った様子の匠海くんは、不機嫌そうに唇を尖らせた。
「俺が一番みにと仲良いと思ってた」
「私もそう思ってるよ?」
「ならええけどな」
それだけ言って、匠海くんはまた教科書に向き直る。
サラサラの髪が重力に従って落ちる感じとか、主張は少ないけどスッと通った鼻筋とか、喉の骨格の感じとか、手の大きさとか。
かっこいい男の人なんだなあって急に認識しちゃって、目が離せなかった。
「ん?」
さすがに目線に気づいたらしい匠海くんがこっちを見て、きゅっと小さく口角を上げる姿も、イケメンだなあって思っちゃって。
我に返って首をブンブンと横に振り、私も机の上の問題集に目を向けることにした。
「わからん」
躓く速さ、思った通りではある。
赤くなった頬がバレないかちょっとヒヤヒヤしながら匠海くんの手元を見ると、真っさらなままだった。
「ん?どこ?」
「これ」
シャーペンの頭で指してるのは、公式の真下にある例。
矢印を書き込んだら、おお!と感動したような声を上げてた。
「そういうことやったんや~やっぱみにすごいなあ」
「匠海くんは買い被りすぎだよ」
「なんで?」
ただの謙遜のつもりだったけど、匠海くん的にその返答はお気に召さなかったらしい。
「俺はみにが優しくて真面目で努力家なとこ、知ってるつもりなんよ」
今日言うつもりじゃなかってんけど……と呟いてから、匠海くんの手が遠慮がちに私の手を包み込んだ。
「そんなみにが、ずっと好きです」
目の真っすぐさは、昼間と一緒に偽りのなさが出ている。
そこに優しさと甘さがあるようで、目を合わせるのに緊張するのに、吸い込まれるように離せなかった。
「え……」
「いきなりごめんな。どうしても伝えたくて」
にこっと笑って、手が離れる。
目に映るのは、かわいいだけじゃない姿だった。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「不器用で天然なのにいざと言う時は男らしい匠海くんとの甘い放課後」
たぶん藤牧くんは匠海くんに嫉妬させるために呼び捨てしたし、匠海くんは呼び捨てするシミュレーションをいっぱいしたおかげでなんとかすっと呼べてるよね✨
ありがとうございました⸝⋆お待たせしました!!
