【Fengfan.X】
おなまえ設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カッコいいなあ。
今日のノルマを1つ達成し、ホッとして水分補給をしながら、パソコン越しに大好きな先輩を盗み見する。
コーヒーを飲む姿すらも画になりすぎていて、仕事じゃなければきっと1時間は眺められたことだろう。
入社して最初に、近くで沢山教えてくださった人。
雑談も自己紹介もなしにいきなり説明から始まり、最初はちょっと怖かったなあ。
途中で私の名前を呼ぼうとして、知らないことに気づいた瞬間の先輩のお顔が急に可愛らしく見えて、笑いを抑えるのが大変だった。
そこで教えてくれたのが、先輩は教育係が初めてで、「頑張って教えなきゃ」って気合いを入れすぎたってこと。
さっきまで淡々と説明していたクールな表情が真っ赤になっていたのが可愛らしくて、ビビってた気持ちはすぐに消えた。
そして、また驚きの事実を知る。
「え、日本語ネイティブじゃないんですか!?」
「うん。中国出身の許豊凡です」
日本語は猛勉強したって仰っていて、今度は純粋に畏敬の念を抱いた。
そこから先輩と一緒に過ごすうちに、いろんな気持ちになった。
整頓されたデスクや無駄のない仕事ぶりを見て、その几帳面さに憧れた。
ミスした時には一緒に残業してくださって、優しさに泣きそうになった。
成長を絶対に見つけて褒めてくださるから、頑張ろうって思えた。
かと思えば、笑いの神に愛されているのか、不思議な奇跡が頻発しては振り回される姿はとってもキュートで、後輩なのに庇護欲すら抱いた。
少しずつ雑談するゆとりが出来てきて、あまりの面白さに笑いが止まらないことだってよくある。
こんな近くにいても、先輩にネガティブな気持ちを抱いたことなんかない。
そう思うと、なんて恵まれた職場にいるんだろうって幸せだ。
なのにね、どうしよう。
先輩のためにも早く1人前にならなきゃって思うのに、先輩と過ごす時間が減るのは嫌だって思っちゃう。
そんな子供じみた我儘が心の中でぐるぐる渦巻くのをかき消すように、画面に目を戻して仕事に取り掛かる。
とっくに覚えてるくせに、先輩の字でやり方が丁寧に書かれた付箋は貼ったまま。
黙々と打ち込んでいたとき、デスクの近くで悲しいトーンのどよめきが聞こえた。
「先方から急な変更の依頼が来てる。申し訳ないが、今日中にお願いしたい」
部長の言葉に、今日は残業かーって、ただそれだけを思う。
落胆しないのは、やっぱり先輩のおかげなのかな。
とはいっても、新人にできることなんてほぼなくて、事務作業ばっかりだ。
次々に依頼される、コピーや単純なデータの打ち込みをこなしていく。
私の作業がひと段落ついて、上司がありがたく「休憩行ってきていいよ」と言ってくださった。
あ、残業は想定してなかったから、もう水なくなるな。
お財布とスマホだけ持って、目の前のデスクが空席になっているのを視界に入れてから、すぐ近くの自販機に向かう。
水を買って戻るとき、休憩室から聞き馴染みのある声がした。
1人分の声しか聞こえないから、電話してるのかな。
勝手に聞くのも良くないし、戻ろうと足を踏み出した瞬間。
「会いたかった……ごめん」
心臓が、嫌な音を立てた。
先輩、あんな溶けそうな甘い声出すんだ。
それも「会いたかった」って、絶対彼女じゃん。
早く戻らなきゃって思うのに、全然体が動かない。
だって、今ので苦しくなるって、もう。
憧れからくる人間的な好きだと思い込んでいたのに、否定されてしまった。
それに、恋だって気づいた瞬間に失恋って。
このまま気持ちの整理をしたら泣いてしまうから、仕事にならなくなる前に戻らなきゃ。
俯きながら早足でデスクに向かう。
「あれ?許くん休憩室にいなかった?立花さんも一緒にもっと休んでていいのに」
休憩を促してくれた上司が優しく声をかけてくれるけど、今はその気遣いが苦しい。
「いえいえ、働かせてください!」
無理矢理笑顔を作って見せると、後ろから足音がする。
「あ、許くん。立花さんちょっと頑張りすぎだと思わない?個人的にはもっと休んでほしいんだけど」
今は、真っすぐ顔が見られない。振り返る勇気なんて出ない。
「え?立花さん今日ずっと頑張ってますよね。無理してないですか?」
何も知らない先輩は、いつも通りよく見てくれていて、今も顔を覗き込もうとしている。
「大丈夫です!」
目を逸らすようにキーボードを触り始めると、優しいふたりは何も言わなかった。
絶対に気を遣わせてるって罪悪感もあるけど、平常心に戻すにはこうするしか思いつかなかった。
そこから、ひたすらに仕事に没頭すれば、緊迫した時間は終わりを告げる。
「よし!みんな早く帰りなさい」
部長の声に、オフィスにいた全員が歓声を上げた。
夜のうちに気持ちを整理しなきゃなんて考えながら、マナーとして上司たちが出るのを見送る。
私も出ようとすると、出口に先輩が立っていた。
「先輩?」
反射で目を逸らしてしまった。
「暗いから、一緒に帰りませんか?」
思いがけないお誘いに、下を向いていた視線が上がる。
先輩は不安げな顔をしていて、つい頷いてしまった。
「立花さんは頑張り屋さんですよね」
「そんなことないです。ただ先輩に憧れてるだけで」
笑う先輩に、開き直ってしまった恋心が主張する。
「それは嬉しいんだけど、今日ちょっと元気ないのかなって思って」
恋だって気づく前の気持ちなら、言っても良いよね?
「早く1人前にならなきゃって思うんですけど、先輩と過ごす時間が減るのは嫌だなあって……へへ、ごめんなさい。子供みたいなこと言って」
やっぱり困らせちゃったかなって反省。
誤魔化そうって決心したのに、なんだか嬉しそうな先輩に見つめられた。
「じゃあ、立花さんの教育係が終わっても一緒にいられる方法教えてあげる」
足を止めて、先輩が振り返る。
「僕の彼女になってください」
混乱しすぎた私は、夜景をバックにした先輩かっこいいなあとか場違いなことを考えだす。
そして、気づいたらドストレートな質問をぶつけていた。
「え、彼女さんいらっしゃるんじゃ」
「なんで!?いないよ」
「今日電話、聞こえて……」
「あー、まさやかな?」
今日の残業でお友達と会う約束が延期になったらしい。
しかも、律儀に電話の内容まで教えてくれた。
- 会いたかった……ごめん
- それさあ、俺に会いたいんじゃなくて、ただ好きな子に言えないから想いぶつけたいだけでしょ
- うるさい
- はは。次会うとき報告期待してるね
- ええ~無理
- 帰り道送るよとか言ってみれば?
- 頑張る。バイバイ
「みにちゃん、好きです」
さりげない名前呼びにちゃん付け。
キャパオーバーで、ただ目が潤んでいく。
でも、ぼやけた視界でも先輩が心配してるのがわかるから、勝手に口が動いてた。
「私も、好きです」
瞬きくらいの間で、先輩に抱きしめられた。
触れられるのは初めてで、胸が疼く。
「ほんとう?」
消え入りそうな問いかけに「はい」って答えたら、抱きしめる力が強くなる。
「じゃあ、仕事もそれ以外もよろしくね」
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「フェンファンと職場恋愛」
わかめもどの職場も良いな~と思いますが、スーツ愛嬌を参考に書かせていただきました⸝⋆今回は先輩のおフェンです。
リクエストありがとうございます♡
今日のノルマを1つ達成し、ホッとして水分補給をしながら、パソコン越しに大好きな先輩を盗み見する。
コーヒーを飲む姿すらも画になりすぎていて、仕事じゃなければきっと1時間は眺められたことだろう。
入社して最初に、近くで沢山教えてくださった人。
雑談も自己紹介もなしにいきなり説明から始まり、最初はちょっと怖かったなあ。
途中で私の名前を呼ぼうとして、知らないことに気づいた瞬間の先輩のお顔が急に可愛らしく見えて、笑いを抑えるのが大変だった。
そこで教えてくれたのが、先輩は教育係が初めてで、「頑張って教えなきゃ」って気合いを入れすぎたってこと。
さっきまで淡々と説明していたクールな表情が真っ赤になっていたのが可愛らしくて、ビビってた気持ちはすぐに消えた。
そして、また驚きの事実を知る。
「え、日本語ネイティブじゃないんですか!?」
「うん。中国出身の許豊凡です」
日本語は猛勉強したって仰っていて、今度は純粋に畏敬の念を抱いた。
そこから先輩と一緒に過ごすうちに、いろんな気持ちになった。
整頓されたデスクや無駄のない仕事ぶりを見て、その几帳面さに憧れた。
ミスした時には一緒に残業してくださって、優しさに泣きそうになった。
成長を絶対に見つけて褒めてくださるから、頑張ろうって思えた。
かと思えば、笑いの神に愛されているのか、不思議な奇跡が頻発しては振り回される姿はとってもキュートで、後輩なのに庇護欲すら抱いた。
少しずつ雑談するゆとりが出来てきて、あまりの面白さに笑いが止まらないことだってよくある。
こんな近くにいても、先輩にネガティブな気持ちを抱いたことなんかない。
そう思うと、なんて恵まれた職場にいるんだろうって幸せだ。
なのにね、どうしよう。
先輩のためにも早く1人前にならなきゃって思うのに、先輩と過ごす時間が減るのは嫌だって思っちゃう。
そんな子供じみた我儘が心の中でぐるぐる渦巻くのをかき消すように、画面に目を戻して仕事に取り掛かる。
とっくに覚えてるくせに、先輩の字でやり方が丁寧に書かれた付箋は貼ったまま。
黙々と打ち込んでいたとき、デスクの近くで悲しいトーンのどよめきが聞こえた。
「先方から急な変更の依頼が来てる。申し訳ないが、今日中にお願いしたい」
部長の言葉に、今日は残業かーって、ただそれだけを思う。
落胆しないのは、やっぱり先輩のおかげなのかな。
とはいっても、新人にできることなんてほぼなくて、事務作業ばっかりだ。
次々に依頼される、コピーや単純なデータの打ち込みをこなしていく。
私の作業がひと段落ついて、上司がありがたく「休憩行ってきていいよ」と言ってくださった。
あ、残業は想定してなかったから、もう水なくなるな。
お財布とスマホだけ持って、目の前のデスクが空席になっているのを視界に入れてから、すぐ近くの自販機に向かう。
水を買って戻るとき、休憩室から聞き馴染みのある声がした。
1人分の声しか聞こえないから、電話してるのかな。
勝手に聞くのも良くないし、戻ろうと足を踏み出した瞬間。
「会いたかった……ごめん」
心臓が、嫌な音を立てた。
先輩、あんな溶けそうな甘い声出すんだ。
それも「会いたかった」って、絶対彼女じゃん。
早く戻らなきゃって思うのに、全然体が動かない。
だって、今ので苦しくなるって、もう。
憧れからくる人間的な好きだと思い込んでいたのに、否定されてしまった。
それに、恋だって気づいた瞬間に失恋って。
このまま気持ちの整理をしたら泣いてしまうから、仕事にならなくなる前に戻らなきゃ。
俯きながら早足でデスクに向かう。
「あれ?許くん休憩室にいなかった?立花さんも一緒にもっと休んでていいのに」
休憩を促してくれた上司が優しく声をかけてくれるけど、今はその気遣いが苦しい。
「いえいえ、働かせてください!」
無理矢理笑顔を作って見せると、後ろから足音がする。
「あ、許くん。立花さんちょっと頑張りすぎだと思わない?個人的にはもっと休んでほしいんだけど」
今は、真っすぐ顔が見られない。振り返る勇気なんて出ない。
「え?立花さん今日ずっと頑張ってますよね。無理してないですか?」
何も知らない先輩は、いつも通りよく見てくれていて、今も顔を覗き込もうとしている。
「大丈夫です!」
目を逸らすようにキーボードを触り始めると、優しいふたりは何も言わなかった。
絶対に気を遣わせてるって罪悪感もあるけど、平常心に戻すにはこうするしか思いつかなかった。
そこから、ひたすらに仕事に没頭すれば、緊迫した時間は終わりを告げる。
「よし!みんな早く帰りなさい」
部長の声に、オフィスにいた全員が歓声を上げた。
夜のうちに気持ちを整理しなきゃなんて考えながら、マナーとして上司たちが出るのを見送る。
私も出ようとすると、出口に先輩が立っていた。
「先輩?」
反射で目を逸らしてしまった。
「暗いから、一緒に帰りませんか?」
思いがけないお誘いに、下を向いていた視線が上がる。
先輩は不安げな顔をしていて、つい頷いてしまった。
「立花さんは頑張り屋さんですよね」
「そんなことないです。ただ先輩に憧れてるだけで」
笑う先輩に、開き直ってしまった恋心が主張する。
「それは嬉しいんだけど、今日ちょっと元気ないのかなって思って」
恋だって気づく前の気持ちなら、言っても良いよね?
「早く1人前にならなきゃって思うんですけど、先輩と過ごす時間が減るのは嫌だなあって……へへ、ごめんなさい。子供みたいなこと言って」
やっぱり困らせちゃったかなって反省。
誤魔化そうって決心したのに、なんだか嬉しそうな先輩に見つめられた。
「じゃあ、立花さんの教育係が終わっても一緒にいられる方法教えてあげる」
足を止めて、先輩が振り返る。
「僕の彼女になってください」
混乱しすぎた私は、夜景をバックにした先輩かっこいいなあとか場違いなことを考えだす。
そして、気づいたらドストレートな質問をぶつけていた。
「え、彼女さんいらっしゃるんじゃ」
「なんで!?いないよ」
「今日電話、聞こえて……」
「あー、まさやかな?」
今日の残業でお友達と会う約束が延期になったらしい。
しかも、律儀に電話の内容まで教えてくれた。
- 会いたかった……ごめん
- それさあ、俺に会いたいんじゃなくて、ただ好きな子に言えないから想いぶつけたいだけでしょ
- うるさい
- はは。次会うとき報告期待してるね
- ええ~無理
- 帰り道送るよとか言ってみれば?
- 頑張る。バイバイ
「みにちゃん、好きです」
さりげない名前呼びにちゃん付け。
キャパオーバーで、ただ目が潤んでいく。
でも、ぼやけた視界でも先輩が心配してるのがわかるから、勝手に口が動いてた。
「私も、好きです」
瞬きくらいの間で、先輩に抱きしめられた。
触れられるのは初めてで、胸が疼く。
「ほんとう?」
消え入りそうな問いかけに「はい」って答えたら、抱きしめる力が強くなる。
「じゃあ、仕事もそれ以外もよろしくね」
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「フェンファンと職場恋愛」
わかめもどの職場も良いな~と思いますが、スーツ愛嬌を参考に書かせていただきました⸝⋆今回は先輩のおフェンです。
リクエストありがとうございます♡
