【Shogo.T】
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眠れない。
真っ暗な部屋の中、ぼんやりと天井を見上げる。
寝返りを打っても、羊を数えても、癒し系音楽を流しても、だめだった。
今日はそういう日か。
他人事のように漠然と思いながら、ゴソゴソと動いて適当に流した波の音を止める。
おやすみモードにしたスマホはオレンジ色に光って、闇の中で存在感を放つ。
ブルーライトはいけないっていうけど、癒やしといえばやっぱり彼だった。
トーク画面を開いて、ゆるっとした彼の言葉を見返しながら、大好きな彼の声で脳内再生。
今度会ったときにこっそり声を録音してしまおうか、なんてぼんやりと考える。
やっぱり、優しいなあ。
ふわふわした気持ちになるけど、冴えた頭はそう簡単に眠ろうとしてはくれない。
トーク画面を遡る手を止められないでいると、あっ。
滑った手は通話ボタンを押していて、音声通話/ビデオ通話という選択肢が示されていた。
絶対に、迷惑だとわかっているのに。
“いつでもどこでもみにのとこに飛んでくから”
いつか泣いていたときに掛けてくれた優しい言葉を思い出してしまった。
1回だけかけて、5コール経ったら送信取消しよう。
そう決めて、えい!と心のなかで言いながら音声通話のボタンを押す。
ドキドキする心臓を抑えて、コールの数を数える。
1回。
2回。
3回。
「んん、みに?」
いつもより、ぽやぽやした声。
起こしてしまったんだなって罪悪感もあるけど、でも。
その声を聞いただけで、胸がきゅんとした。
「起こしちゃったよね。ごめんね、将吾くん」
「んーん。どうしたの?」
怒ってもおかしくないのに。
心配そうな顔してるんだろうなっていうのが手に取るようにわかる。
「なんか寝れなくて、声聞きたくなっちゃった」
「……寝れないの?」
「うん。だから、ちょっとだけ電話繋いでてもいい?」
「ちょっとじゃなくていいよ〜」
彼のふんわりとした笑顔が頭に浮かんで、なんだか緊張がほぐれていく気がした。
「俺ねー、今日歩いてたら蝶々が腕に止まったの」
「ふふ、将吾くんは蝶々にもモテるんだね」
「ええ?背デカいから止まりやすかったんじゃない?」
「関係あるのかな?」
「んーわかんない。言ってみた。へへへ」
将吾くんにつられて小さく笑ってしまう。
のーんびりと続く穏やかなお喋りに心が満たされていると、突然将吾くんの声が大きくなった。
「みに、お家入れてくれる?」
「お家?」
「うん」
まさか。
慌てて体を起こして、手櫛で髪を梳かしながら小走りで玄関に向かう。
そっとドアを開けると、しーっというジェスチャーをした将吾くんが立っていた。
パジャマに上着、無造作な髪。
それだけで、起きてすぐに来てくれたんだってわかる。
得意気に口角を上げた将吾くんが、そのまま入ってドアを閉める。
電話を切り、ポンと私の頭に片手を置いて覗き込み、微笑んだ。
「俺も会いたかったから、会えて良かった」
どこまでも優しい。
嬉しさと、こんな優しい人をわがままで動かしてしまった罪悪感で、ぐちゃぐちゃだ。
「ごめん。将吾くんも疲れてるのに」
「ふふ、ごめんよりありがとうがいいなあ」
そんな罪悪感さえも簡単に掬い上げて、ふっと息を吹きかけるように飛ばしてくれる。
「……ありがとう」
「こちらこそ、頼ってくれてありがとう」
ぎゅって抱きしめられて、いつもの落ち着く香りが鼻に抜ける。
安心したせいか、涙が出そうになった。
「俺ね、今すっごい嬉しいの。頑張り屋さんのみにが、どうしようって時に俺のこと考えて、絶対躊躇したのに頼ってくれたのが」
「優しすぎるよ〜〜!」
ぐりぐりと頭を押し付けると、嬉しそうに笑って受け入れてくれる。
そんな優しさをくれることが、泣きそうになるくらい幸せ。
いっぱいもらってばっかりだから、ちゃんと優しさをお返ししたいのに。
「こういうとき俺は映画見るんだけど、どう?」
小さめの鞄から取り出されたのは、少しパッケージの剥がれたBlu-rayディスク。
サブスクに登録はしてるのに、持ってきてくれたのか。
大事なものを人一倍愛情を持って大事にする彼らしくて、なんだか面白かった。
「うん!嬉しい」
「良かったあ。向かう途中にやっぱいらんかったかな?って思ってた」
寝るときのお守りを共有してくれるのって、パーソナルな部分をまた一つ知れたみたいで嬉しい。
折角来てくれたから、さっき作ろうとして辞めたホットミルクを作ろう。
奮発して買ったブランケットも出そう。
寝るための準備にウキウキしちゃって、でも安心したせいで小さく欠伸も出ちゃって。
ソファに座ってテレビの準備をお願いした将吾くんの背中からも同じ空気が出てる気がして、勝手にまた嬉しくなった。
「できたよ〜」
「うん、こっちもできた」
将吾くん用のマグカップを差し出すと、両手で受け取ってその温もりに頬を緩めてた。
肌触りに一目惚れして買ったブランケットは、大人ふたりがのびのびできるほど大きくない。
将吾くんに使ってほしいから渡すと、バサっと広げて端と端を両手で持ち、私ごとハグしだす。
最強のぬくもりに包まれた後、何事もなかったように将吾くんは至近距離でふたりにかかるようにブランケットをかけた。
「くっつけば足りるよ」
「寝れる?」
「みにの体温感じてたほうが寝れる」
自信満々にそう言うから、折れてふたりで身を寄せ合うことにする。
腕や肩から将吾くんの温もりを感じて、自信の理由がわかった気がした。
「途中で寝ちゃうかもなあ」
既にもう幸せだもん。
やっと頭が気を抜いていいんだって気づいてくれたみたい。
「朝のアラーム設定した?俺も寝そう」
「うん、既にしてある」
「じゃあ大丈夫だ」
リモコンを持って再生しようとした将吾くんの長い腕が、また下ろされる。
不思議に思って見つめてると、リモコンを置いた将吾くんの手が私に回った。
とびっきり優しく微笑んだ将吾くんが、そっと目を閉じる。
合わせて目を閉じると、唇に柔らかい感触。
離れていく気配の中、そっと目を開けると恥ずかしそうに目を逸らされた。
「いつ寝てもいいように。おやすみのキス」
そう呟いて、リモコンを持ち直す将吾くん。
ずるい。
そう思ったら、体が勝手に動いてた。
「将吾くん、大好き」
前を向いた彼の頬に口づけて、小さな声で伝える。
再生された映画そっちのけで、将吾くんは大きな手を口元にあてて下を向いた。
照れさせたぞ!という達成感でいっぱいになりながら、私も前を向いて映画を見るようにする。
彼がおすすめするものだからか、落ち着いた声で平和に展開していく。
隣からの温もりも相まって、段々頭が働かなくなってきたのがわかる。
頭ががくがく揺れてるかもなあって思っていると、横から伸びてきた手によって彼の肩に誘導された。
申し訳ないなあって思ってるはずのに、眠気でいっぱいの頭は離れようとしない。
「愛してるよ、みに」
優しく頭を撫でて、手が去っていく最中、そんな言葉が聞こえた。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「眠れないMINIのために起きて来てくれてド深夜に映画鑑賞会を開いてくれるtjmさん」
素敵なリクエスト、ありがとうございます⸝⋆コメントも超超嬉しかったです!
わかめと夜を過ごしてくださる皆様が、いい夢を見られますように🐠
真っ暗な部屋の中、ぼんやりと天井を見上げる。
寝返りを打っても、羊を数えても、癒し系音楽を流しても、だめだった。
今日はそういう日か。
他人事のように漠然と思いながら、ゴソゴソと動いて適当に流した波の音を止める。
おやすみモードにしたスマホはオレンジ色に光って、闇の中で存在感を放つ。
ブルーライトはいけないっていうけど、癒やしといえばやっぱり彼だった。
トーク画面を開いて、ゆるっとした彼の言葉を見返しながら、大好きな彼の声で脳内再生。
今度会ったときにこっそり声を録音してしまおうか、なんてぼんやりと考える。
やっぱり、優しいなあ。
ふわふわした気持ちになるけど、冴えた頭はそう簡単に眠ろうとしてはくれない。
トーク画面を遡る手を止められないでいると、あっ。
滑った手は通話ボタンを押していて、音声通話/ビデオ通話という選択肢が示されていた。
絶対に、迷惑だとわかっているのに。
“いつでもどこでもみにのとこに飛んでくから”
いつか泣いていたときに掛けてくれた優しい言葉を思い出してしまった。
1回だけかけて、5コール経ったら送信取消しよう。
そう決めて、えい!と心のなかで言いながら音声通話のボタンを押す。
ドキドキする心臓を抑えて、コールの数を数える。
1回。
2回。
3回。
「んん、みに?」
いつもより、ぽやぽやした声。
起こしてしまったんだなって罪悪感もあるけど、でも。
その声を聞いただけで、胸がきゅんとした。
「起こしちゃったよね。ごめんね、将吾くん」
「んーん。どうしたの?」
怒ってもおかしくないのに。
心配そうな顔してるんだろうなっていうのが手に取るようにわかる。
「なんか寝れなくて、声聞きたくなっちゃった」
「……寝れないの?」
「うん。だから、ちょっとだけ電話繋いでてもいい?」
「ちょっとじゃなくていいよ〜」
彼のふんわりとした笑顔が頭に浮かんで、なんだか緊張がほぐれていく気がした。
「俺ねー、今日歩いてたら蝶々が腕に止まったの」
「ふふ、将吾くんは蝶々にもモテるんだね」
「ええ?背デカいから止まりやすかったんじゃない?」
「関係あるのかな?」
「んーわかんない。言ってみた。へへへ」
将吾くんにつられて小さく笑ってしまう。
のーんびりと続く穏やかなお喋りに心が満たされていると、突然将吾くんの声が大きくなった。
「みに、お家入れてくれる?」
「お家?」
「うん」
まさか。
慌てて体を起こして、手櫛で髪を梳かしながら小走りで玄関に向かう。
そっとドアを開けると、しーっというジェスチャーをした将吾くんが立っていた。
パジャマに上着、無造作な髪。
それだけで、起きてすぐに来てくれたんだってわかる。
得意気に口角を上げた将吾くんが、そのまま入ってドアを閉める。
電話を切り、ポンと私の頭に片手を置いて覗き込み、微笑んだ。
「俺も会いたかったから、会えて良かった」
どこまでも優しい。
嬉しさと、こんな優しい人をわがままで動かしてしまった罪悪感で、ぐちゃぐちゃだ。
「ごめん。将吾くんも疲れてるのに」
「ふふ、ごめんよりありがとうがいいなあ」
そんな罪悪感さえも簡単に掬い上げて、ふっと息を吹きかけるように飛ばしてくれる。
「……ありがとう」
「こちらこそ、頼ってくれてありがとう」
ぎゅって抱きしめられて、いつもの落ち着く香りが鼻に抜ける。
安心したせいか、涙が出そうになった。
「俺ね、今すっごい嬉しいの。頑張り屋さんのみにが、どうしようって時に俺のこと考えて、絶対躊躇したのに頼ってくれたのが」
「優しすぎるよ〜〜!」
ぐりぐりと頭を押し付けると、嬉しそうに笑って受け入れてくれる。
そんな優しさをくれることが、泣きそうになるくらい幸せ。
いっぱいもらってばっかりだから、ちゃんと優しさをお返ししたいのに。
「こういうとき俺は映画見るんだけど、どう?」
小さめの鞄から取り出されたのは、少しパッケージの剥がれたBlu-rayディスク。
サブスクに登録はしてるのに、持ってきてくれたのか。
大事なものを人一倍愛情を持って大事にする彼らしくて、なんだか面白かった。
「うん!嬉しい」
「良かったあ。向かう途中にやっぱいらんかったかな?って思ってた」
寝るときのお守りを共有してくれるのって、パーソナルな部分をまた一つ知れたみたいで嬉しい。
折角来てくれたから、さっき作ろうとして辞めたホットミルクを作ろう。
奮発して買ったブランケットも出そう。
寝るための準備にウキウキしちゃって、でも安心したせいで小さく欠伸も出ちゃって。
ソファに座ってテレビの準備をお願いした将吾くんの背中からも同じ空気が出てる気がして、勝手にまた嬉しくなった。
「できたよ〜」
「うん、こっちもできた」
将吾くん用のマグカップを差し出すと、両手で受け取ってその温もりに頬を緩めてた。
肌触りに一目惚れして買ったブランケットは、大人ふたりがのびのびできるほど大きくない。
将吾くんに使ってほしいから渡すと、バサっと広げて端と端を両手で持ち、私ごとハグしだす。
最強のぬくもりに包まれた後、何事もなかったように将吾くんは至近距離でふたりにかかるようにブランケットをかけた。
「くっつけば足りるよ」
「寝れる?」
「みにの体温感じてたほうが寝れる」
自信満々にそう言うから、折れてふたりで身を寄せ合うことにする。
腕や肩から将吾くんの温もりを感じて、自信の理由がわかった気がした。
「途中で寝ちゃうかもなあ」
既にもう幸せだもん。
やっと頭が気を抜いていいんだって気づいてくれたみたい。
「朝のアラーム設定した?俺も寝そう」
「うん、既にしてある」
「じゃあ大丈夫だ」
リモコンを持って再生しようとした将吾くんの長い腕が、また下ろされる。
不思議に思って見つめてると、リモコンを置いた将吾くんの手が私に回った。
とびっきり優しく微笑んだ将吾くんが、そっと目を閉じる。
合わせて目を閉じると、唇に柔らかい感触。
離れていく気配の中、そっと目を開けると恥ずかしそうに目を逸らされた。
「いつ寝てもいいように。おやすみのキス」
そう呟いて、リモコンを持ち直す将吾くん。
ずるい。
そう思ったら、体が勝手に動いてた。
「将吾くん、大好き」
前を向いた彼の頬に口づけて、小さな声で伝える。
再生された映画そっちのけで、将吾くんは大きな手を口元にあてて下を向いた。
照れさせたぞ!という達成感でいっぱいになりながら、私も前を向いて映画を見るようにする。
彼がおすすめするものだからか、落ち着いた声で平和に展開していく。
隣からの温もりも相まって、段々頭が働かなくなってきたのがわかる。
頭ががくがく揺れてるかもなあって思っていると、横から伸びてきた手によって彼の肩に誘導された。
申し訳ないなあって思ってるはずのに、眠気でいっぱいの頭は離れようとしない。
「愛してるよ、みに」
優しく頭を撫でて、手が去っていく最中、そんな言葉が聞こえた。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「眠れないMINIのために起きて来てくれてド深夜に映画鑑賞会を開いてくれるtjmさん」
素敵なリクエスト、ありがとうございます⸝⋆コメントも超超嬉しかったです!
わかめと夜を過ごしてくださる皆様が、いい夢を見られますように🐠
