【Hiromu.T】
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今回のお話はテイストが違うので、先に頂いたリクエストを紹介します!
「良さげな人に見えてドクズなバンドマン」
次のページから髙塚くんがタバコ吸ってます。性格歪んでます。
テーマがちょっと嫌かもって方はUターンお願いします〜
え!気になる!って方は是非読んでいってください。
***
「1つ夢叶えたの、みにも来て」
バンド活動を頑張る親友から、泣きながら電話がかかってきた。
最初は何の涙かと焦ったけど、嬉し涙だったらしい。
なんでも、憧れのバンドと対バンが決まったのだとか。
「前から尊敬してるって言ってた人?」
「そう!ひろむさん!」
思い出した、大夢さん。
イケメンで、それでいて賢く、しかも優しいんだとか。
この子に「大夢さんの歌が力強い」と熱弁されたのは記憶に残ってる。
「絶対行くね」
「うん!楽しみにしてて!」
希望が詰まった親友の声にワクワクして、電話を切った。
そうして、軽い足取りでバンドハウスに向かった。
友達が好きだと言っていたお菓子を多めに買って。
人も多く、物凄い熱気。
非日常に私も心が踊るのを感じていると、伸びやかな高音が聴こえた。
「対バン、楽しみましょう!」
その人の掛け声で、揺れるような歓声が湧き起こる。
楽しそうな笑顔、キラキラ輝く汗、爽やかな歌声。
心臓がドクンと跳ねて、世界にその人しかいないみたいな感覚がする。
「大夢です!よろしく!」
あ、好き。
直感で、そう思った。
その後も、親友のステージはもちろん見届けたけど、脳裏には大夢さんがずっといて。
終演後、「楽屋おいで」と親友から送られてきてから、ちょっとソワソワ。
もしかしたら大夢さんともすれ違うかも?なんて、手鏡を出して顔や髪を整える。
正直、親友からバンドマンを目指すと聞いたときには、周りの人が心配だった。
でも、彼女のメンバーは勿論、大夢さんみたいな人もいるんだ。
偏見は良くないな、なんて考えながら楽屋に入ると、興奮冷めやらぬといった様子の親友が飛びついてきた。
「来てくれてありがと!」
「こちらこそ呼んでくれてありがとう!めっちゃ良かった!」
差し入れを渡すと、親友のメンバーも喜んでくれる。
「関係者で打ち上げあるけど、みに来る?」
「え、いや、私関係者じゃないし」
「みんな仲良い人呼ぶから大丈夫!」
関係者。
つまりきっと、大夢さんも来るよね。
「じゃあお邪魔しようかな」
図々しく参加させてもらう打ち上げは、高層ビルに入った焼肉屋さんだった。
親友の言う通り、貸し切りになっているお店には色んな人がいる。
あ、大夢さん見っけ。
隣のメンバーに肩を組まれながら笑ってる。
見るのは簡単だけど見続けることも近づくこともできるわけなくて、隅でちびちびとお酒を飲む。
賑やかな雰囲気に酔いそうになってきたな。
「すみません、お手洗い行ってきます」
「はいよー」
近くにいたメンバーさんに声をかけて、外に出る。
あ、ここ、テラスと繫がってるんだ。
近づくと、開けっ放しの扉の向こうに夜の街を見下ろす人がいた。
白煙が揺蕩う口元。
まるでゴミを見るような温度のない瞳。
「え?」
思わず声が出てしまって、慌てて手で口を抑える。
この冷たい雰囲気を纏った人は、さっきライブで爽やかに笑っていた人と同一人物なのだろうか。
そして、漏れた声は届いてしまったらしく、その人はゆっくりと振り向く。
睨むような冷酷な目つき。
「あんた、誰?」
ライブ中に抱いた気持ちは、とっくに消えた。
この人が怖いって感情だけで、震えながら口を開く。
「え、えと、対バンしてたバンドの子の親友で」
「ふーん。親友?どうせ上辺でしょ」
大夢さんは、タバコを吸い直して、煙とともに冷たい言葉を吐き捨てる。
どうして、そんなこと言うの。
恐怖もあったけど、私たちの友情が否定されるのは嫌で、感情的に口を開いた。
「違う!信頼してるし、幸せになってほしいって思ってるし、私たちはそんなんじゃ、ない」
カッとなって言ったけど、彼は親友の尊敬する人だったと思い出して、段々語尾が小さくなる。
どうしよう、このこと、なんてあの子に言おう。
フッと鼻で笑った大夢さんは、灰皿に力づくでタバコを押し込んだ後、大股で近づいてきた。
徐々に壁際に追いやられるのを感じながら、手をぎゅっと握りしめて自分を鼓舞する。
「何?反論する気失せたの?」
「いや、違!貴方はあの子の尊敬する人だから」
さっきと違う低い声に怯みながら言い返すと、可笑しそうに彼は笑う。
「あー、あの従順そうな子か」
「は?」
真面目に向き合ってるあの子を、そんな風に捉えてたの?
怒りが沸々と湧いてきて、口を開こうとした瞬間、ドン!と壁の横に手をつかれた。
そして、認識が追いつかないまま、視界にドアップで大夢さんが映って、唇に柔らかい感触が残された。
「な、何すんの!」
慌てて押し返すと、全く悪びれもせずに大夢さんは口を開く。
「うるさいから口塞いだ。てかあんた、ライブのときずっと俺のこと見てたでしょ?」
「は……」
図星だった。
私の口が止まったのを見て、大夢さんは笑う。
「じゃあ取引ね。」
「取引?」
「あんた親友には善良な人でいてあげるし、あんたが俺のこと見てたのは言わない。その代わり」
一呼吸置いて、大夢さんは目を合わせて言う。
「俺と付き合ってよ」
微笑んだ大夢さんは、この状況が嘘なんじゃないかと思えるほど可愛らしい。
「俺にその本当の友情とやらを見せて?」
いや、悪魔だ。
私たちをおちょくろうとしてんだ、絶対。
「ふざけてますよね」
「ん?結構本気で口説いてるけど」
「そんなわけ……!」
どこが本気だと言うのだ。
一発くらいお見舞いしてやろうと手を振りかざして、気づく。
さっき人々を見下ろしてた冷たい瞳じゃなくて、今の大夢さんはもっと熱を孕んでる。
「本当なの?」
手をおろして、じっと目を見て聞くと、顔を逸らされた。
「まあ」
え、大夢さんの耳、赤い。
これも戦略かもしれないと冷静に考える自分が警鐘を鳴らすけど、それでも。
もっと彼のことを知りたいと思った。
強ばっていた自分の表情筋が緩むのを感じる。
ふわふわした気持ちで大夢さんを見てると、あ、と声を漏らした大夢さんがスマホを出した。
「女切るわ」
やっぱ悪い人じゃん。
スイスイと指を動かす大夢さんを置いて帰ろうとして、でも思いとどまる。
もしかして、私のために連絡先を消してる?
だとしたら、良い人?
「ねえ、どうしたら本気だって信じる?」
ひと通り終わったらしい彼が、スマホをショルダーに入れながら言う。
どうしよう、もう殆ど本気って思えてきてる。
「優しくしてくれるなら、いいよ」
「……それは、全部?」
全部。
それが何を表すかわからないほど子供じゃない。
目を見てコクリと頷けば、口角を上げた大夢さんに優しく手首を掴まれた。
「じゃあ、今夜一緒に過ごそ。みに」
名前、知ってたんだ。
ちょっと嬉しくなった私は、もう既に彼の沼に嵌ってしまったのかもしれない。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
実はダークヒーロー好きのわかめ、こういうのも憧れてました。へへ。
自分以外と自分への対応が違うって良いですよね!(『恋と弾丸』オタク)
リクエストありがとうございます⸝⋆
「良さげな人に見えてドクズなバンドマン」
次のページから髙塚くんがタバコ吸ってます。性格歪んでます。
テーマがちょっと嫌かもって方はUターンお願いします〜
え!気になる!って方は是非読んでいってください。
***
「1つ夢叶えたの、みにも来て」
バンド活動を頑張る親友から、泣きながら電話がかかってきた。
最初は何の涙かと焦ったけど、嬉し涙だったらしい。
なんでも、憧れのバンドと対バンが決まったのだとか。
「前から尊敬してるって言ってた人?」
「そう!ひろむさん!」
思い出した、大夢さん。
イケメンで、それでいて賢く、しかも優しいんだとか。
この子に「大夢さんの歌が力強い」と熱弁されたのは記憶に残ってる。
「絶対行くね」
「うん!楽しみにしてて!」
希望が詰まった親友の声にワクワクして、電話を切った。
そうして、軽い足取りでバンドハウスに向かった。
友達が好きだと言っていたお菓子を多めに買って。
人も多く、物凄い熱気。
非日常に私も心が踊るのを感じていると、伸びやかな高音が聴こえた。
「対バン、楽しみましょう!」
その人の掛け声で、揺れるような歓声が湧き起こる。
楽しそうな笑顔、キラキラ輝く汗、爽やかな歌声。
心臓がドクンと跳ねて、世界にその人しかいないみたいな感覚がする。
「大夢です!よろしく!」
あ、好き。
直感で、そう思った。
その後も、親友のステージはもちろん見届けたけど、脳裏には大夢さんがずっといて。
終演後、「楽屋おいで」と親友から送られてきてから、ちょっとソワソワ。
もしかしたら大夢さんともすれ違うかも?なんて、手鏡を出して顔や髪を整える。
正直、親友からバンドマンを目指すと聞いたときには、周りの人が心配だった。
でも、彼女のメンバーは勿論、大夢さんみたいな人もいるんだ。
偏見は良くないな、なんて考えながら楽屋に入ると、興奮冷めやらぬといった様子の親友が飛びついてきた。
「来てくれてありがと!」
「こちらこそ呼んでくれてありがとう!めっちゃ良かった!」
差し入れを渡すと、親友のメンバーも喜んでくれる。
「関係者で打ち上げあるけど、みに来る?」
「え、いや、私関係者じゃないし」
「みんな仲良い人呼ぶから大丈夫!」
関係者。
つまりきっと、大夢さんも来るよね。
「じゃあお邪魔しようかな」
図々しく参加させてもらう打ち上げは、高層ビルに入った焼肉屋さんだった。
親友の言う通り、貸し切りになっているお店には色んな人がいる。
あ、大夢さん見っけ。
隣のメンバーに肩を組まれながら笑ってる。
見るのは簡単だけど見続けることも近づくこともできるわけなくて、隅でちびちびとお酒を飲む。
賑やかな雰囲気に酔いそうになってきたな。
「すみません、お手洗い行ってきます」
「はいよー」
近くにいたメンバーさんに声をかけて、外に出る。
あ、ここ、テラスと繫がってるんだ。
近づくと、開けっ放しの扉の向こうに夜の街を見下ろす人がいた。
白煙が揺蕩う口元。
まるでゴミを見るような温度のない瞳。
「え?」
思わず声が出てしまって、慌てて手で口を抑える。
この冷たい雰囲気を纏った人は、さっきライブで爽やかに笑っていた人と同一人物なのだろうか。
そして、漏れた声は届いてしまったらしく、その人はゆっくりと振り向く。
睨むような冷酷な目つき。
「あんた、誰?」
ライブ中に抱いた気持ちは、とっくに消えた。
この人が怖いって感情だけで、震えながら口を開く。
「え、えと、対バンしてたバンドの子の親友で」
「ふーん。親友?どうせ上辺でしょ」
大夢さんは、タバコを吸い直して、煙とともに冷たい言葉を吐き捨てる。
どうして、そんなこと言うの。
恐怖もあったけど、私たちの友情が否定されるのは嫌で、感情的に口を開いた。
「違う!信頼してるし、幸せになってほしいって思ってるし、私たちはそんなんじゃ、ない」
カッとなって言ったけど、彼は親友の尊敬する人だったと思い出して、段々語尾が小さくなる。
どうしよう、このこと、なんてあの子に言おう。
フッと鼻で笑った大夢さんは、灰皿に力づくでタバコを押し込んだ後、大股で近づいてきた。
徐々に壁際に追いやられるのを感じながら、手をぎゅっと握りしめて自分を鼓舞する。
「何?反論する気失せたの?」
「いや、違!貴方はあの子の尊敬する人だから」
さっきと違う低い声に怯みながら言い返すと、可笑しそうに彼は笑う。
「あー、あの従順そうな子か」
「は?」
真面目に向き合ってるあの子を、そんな風に捉えてたの?
怒りが沸々と湧いてきて、口を開こうとした瞬間、ドン!と壁の横に手をつかれた。
そして、認識が追いつかないまま、視界にドアップで大夢さんが映って、唇に柔らかい感触が残された。
「な、何すんの!」
慌てて押し返すと、全く悪びれもせずに大夢さんは口を開く。
「うるさいから口塞いだ。てかあんた、ライブのときずっと俺のこと見てたでしょ?」
「は……」
図星だった。
私の口が止まったのを見て、大夢さんは笑う。
「じゃあ取引ね。」
「取引?」
「あんた親友には善良な人でいてあげるし、あんたが俺のこと見てたのは言わない。その代わり」
一呼吸置いて、大夢さんは目を合わせて言う。
「俺と付き合ってよ」
微笑んだ大夢さんは、この状況が嘘なんじゃないかと思えるほど可愛らしい。
「俺にその本当の友情とやらを見せて?」
いや、悪魔だ。
私たちをおちょくろうとしてんだ、絶対。
「ふざけてますよね」
「ん?結構本気で口説いてるけど」
「そんなわけ……!」
どこが本気だと言うのだ。
一発くらいお見舞いしてやろうと手を振りかざして、気づく。
さっき人々を見下ろしてた冷たい瞳じゃなくて、今の大夢さんはもっと熱を孕んでる。
「本当なの?」
手をおろして、じっと目を見て聞くと、顔を逸らされた。
「まあ」
え、大夢さんの耳、赤い。
これも戦略かもしれないと冷静に考える自分が警鐘を鳴らすけど、それでも。
もっと彼のことを知りたいと思った。
強ばっていた自分の表情筋が緩むのを感じる。
ふわふわした気持ちで大夢さんを見てると、あ、と声を漏らした大夢さんがスマホを出した。
「女切るわ」
やっぱ悪い人じゃん。
スイスイと指を動かす大夢さんを置いて帰ろうとして、でも思いとどまる。
もしかして、私のために連絡先を消してる?
だとしたら、良い人?
「ねえ、どうしたら本気だって信じる?」
ひと通り終わったらしい彼が、スマホをショルダーに入れながら言う。
どうしよう、もう殆ど本気って思えてきてる。
「優しくしてくれるなら、いいよ」
「……それは、全部?」
全部。
それが何を表すかわからないほど子供じゃない。
目を見てコクリと頷けば、口角を上げた大夢さんに優しく手首を掴まれた。
「じゃあ、今夜一緒に過ごそ。みに」
名前、知ってたんだ。
ちょっと嬉しくなった私は、もう既に彼の沼に嵌ってしまったのかもしれない。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
実はダークヒーロー好きのわかめ、こういうのも憧れてました。へへ。
自分以外と自分への対応が違うって良いですよね!(『恋と弾丸』オタク)
リクエストありがとうございます⸝⋆
