【Hiroto.N】
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洸人の会社、この辺だっけ。
外回りから直帰する道中、ふと思い出してしまった。
念の為に貰っている名刺を確認する。
うん、やっぱりこの辺。
そして何より、時間的にぴったり。
嫌がるだろうなあとは思うけど、どうしても好奇心が勝っちゃった。
洸人は俗に言う“ツン”の人であり、滅多に愛を伝えるタイプではない。
「好き」「愛してる」の類なんて、前に聞いたのいつだっけ?
でも不思議なんだけど、愛されてないと感じることはない。
飲み会に行くと言えば、
「危ねえだろ。迎え行く」
と言ってくれる。
それでも大丈夫だと言えば、左手を凝視される。
初めての時は、何を見てんのかわかんなくて。
「な、なに?」
「ちゃんと見せとけよ」
不機嫌そうに洸人が指差してたのは、薬指に鎮座する指輪。
既婚者だって周りに知らせとけってことか。
正直、洸人にプロポーズされた日の翌日にソワソワしすぎたせいですっごい知られてるんだけど。
旧姓で働いてるから心配させてるのかなって思って、大人しく頷いてる。
だから、会社の傍に私がいきなり現れたらどんな顔するのかなんて、想像つく。
たぶん、めっちゃ眉間に皺が寄る。
若干口悪めに、「なんでいんの?」って言う。
だけど、たぶん口はゆるゆるで耳が赤くなって。
きっと、会えて嬉しいって言葉にしてはくれないだろうけど、思ってはくれるんじゃないだろうか。
「あ、ここだ」
着いたビルは、洗練されてて綺麗で、オシャレで。
洸人は似合うんだろうなあ。
仕事に打ち込む洸人の姿を見てる人を羨ましく思いながら、近くにあったチェーン店のカフェに入る。
運良く窓際の席が空いてたから、出入り口が見える席に陣取らせてもらう。
メッセージアプリを開いて、近くにいる旨を洸人に送って、少しずつ増えてきた人の波をドキドキしながら眺めた。
なんだかんだ紳士な人だから、何回もデートしたけど待ち合わせで私が待ったことはほとんどない。
それがどうしても悔しくて、1回だけうんと早く行ったんだよなあ。
危ないだろとか寒いだろって怒られた後、「でも、ありがと」って言ってくれたんだっけ。
なんて、思い出に浸りながら眺めてたら、洸人を見つけた。
ええ、両隣に背の高いイケメンさん従えてる。
酔ってるときにたまに話してくれるから、少しは会社の人も知ってる。
きっとニコニコ笑ってるのが“たじ”、大きな口を開けて爆笑してるのが“理人”。
よく考えたら、洸人、スマホ見てないかもな。
いつも連絡くれるのは電車に乗った時点だから、会社を出るときには見てない可能性がある。
なお、そこで連絡するのは“一度も立ち止まりたくないから”なんだとか。
そう言いながらを後頭部を掻いてたので、たぶんこっちは本音じゃない気がする。
しかも、早く帰りたいって思ってくれてるのかな〜なんて都合よく解釈してる。
気づいてくれないかな〜と目線を送っていたら、理人さんと目が合う。
それじゃ意味ないかも、と諦めかけた瞬間、理人さんの目が盛大に見開かれた。
え、私の顔知ってるの?なんで?
理人さんが、バシバシと洸人の肩を叩く。
痛そうな顔をした洸人が、理人さんの言葉に促されたのか、こっちを見た。
楽しそうな顔のたじさんもこっち見てる。
あ、洸人すっごい驚いてる。楽しいかも。
調子に乗って小さく手を振ってみると、目をぎゅっと瞑ってため息をついてる。
走って向かってくる洸人を呑気に眺めてると、後ろから二人も着いてきていた。洸人嫌がってるけど。
私も嫌なわけないので、ウキウキでカップを返してお店を出た。
「なんでいんの!?」
「へへ、近くで打ち合わせしてたから来ちゃった」
開口一番、洸人に問い詰められる。
その後ろには、キラキラした目のイケメンふたり。
その様子は、長男のことが気になる次男と三男みたい。
「ここでデレんなよ……」
なんかため息をついてる洸人は放置して、ふたりに向き合う。
「洸人がお世話になってます。妻のみにです」
ペコリと頭を下げると、二人も頭を下げてくれたあと大興奮といった様子で口を開いた。
「本物や〜!」
手を叩いてなんだか嬉しそうな理人さんと、
「ほ、ほんものって」
そんな彼にツボってるたじさん。
「有名人に会った気分だわ。いや、ほぼ有名人?」
「ゆ、有名人?」
身に覚えのない理人さんのコメント。
堪らず聞き返すと、洸人が尋常じゃなく焦り始めた。
「何も無いよー!何言ってるのかなー?」
声で遮ろうとする洸人を、たじさんが笑いながら抑えに行く。
洸人の言う通りたじさんは変な人なのか〜と思っていると、邪魔が消えたと言わんばかりの理人さんが喜々として言う。
「洸人の奥さんは、美人で、あの美味そうな弁当作ってくれてて、ツンデレなのも可愛いって有名ですよ!」
「西くん、家では素直に言えないからって俺らには何でも言ってくれるんです〜」
理人さん、たじさんと暴露が続く。
洸人の耳が真っ赤なのは見なくてもわかるけど、私だっていっぱいいっぱいだ。
何、それ。
なんとも言えない空気を悟ったふたりが、「また会いましょうね〜」「あとはおふたりで〜」なんて手を振って去っていく。
すごい、不思議な人たちだったな。
「ど、どっかでご飯食べて帰る?」
「だ、だな?」
二人でどもりながら、洸人がよく行くという会社の近くのお店に連れて行ってもらう。
さっきの、ほんと?なんて聞いたら、ふたりともキャパオーバーになることはわかってるから敢えて触れない。
否定しないってことは、それが答えなんだろう。
「ごめん、なんか」
「いや、突撃したの私だし」
それでも、洸人がボソッと謝るから私も謝る。
目線は合わせずに、手が近づいてきたから。
柔らかく握ると、優しく握り返されたから、これが仲直り。
「辞めたほうがいい?」
あ、辞める気はないんだ。
ふたりに言われたら恥ずかしがるのかと思いきや、絶対にもう辞めるということはないみたい。
「……好きにしなよ」
そんなの、辞めろなんて言わないよ。
洸人が心配してくれるように、私だって不安が全く無いわけじゃないんだ。
なのに、そんなに周りに言ってくれるってさ。
お店に入る前、きっとニヤニヤしてただろう私を見て釘を差された。
「でも、ああいう奴らもいるんだし、むやみに夜出歩くなよ」
「うん」
ふたりです、と店員さんに伝えてくれる背中。
抱きつきたいなあ、なんて思うけど、外だし勇気もないし我慢する。
「ちょっと嬉しかったけど」
「ふふ、でしょ」
この人が旦那さんで良かった。
何度だって思ってきたし、これからもきっと思うことは多いんだろうけど。
きっと、この夜はずっと忘れない。
「みに?」
「ううん。好きだなあって」
メニューを流し見してる洸人を見てそんな事を考えてると、何も発さない私を見て不思議そうな顔をされた。
「俺もだけど」
素直になれたのは、ふたりのおかげかな。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「ツンデレ夫婦の西くんver」
リクエスト「裏ではデレデレの超愛妻家で愛妻弁当を会社で自慢してるのに、家ではツンデレな西くん」
↑
めろすぎる。送ってくださった天才さん、ありがとうございます!!
前のお話の“洸人さん”の少し前のお話でした✨
そろそろ目次が動物園の日記なので、次で脱却します🦔🐧🐺
外回りから直帰する道中、ふと思い出してしまった。
念の為に貰っている名刺を確認する。
うん、やっぱりこの辺。
そして何より、時間的にぴったり。
嫌がるだろうなあとは思うけど、どうしても好奇心が勝っちゃった。
洸人は俗に言う“ツン”の人であり、滅多に愛を伝えるタイプではない。
「好き」「愛してる」の類なんて、前に聞いたのいつだっけ?
でも不思議なんだけど、愛されてないと感じることはない。
飲み会に行くと言えば、
「危ねえだろ。迎え行く」
と言ってくれる。
それでも大丈夫だと言えば、左手を凝視される。
初めての時は、何を見てんのかわかんなくて。
「な、なに?」
「ちゃんと見せとけよ」
不機嫌そうに洸人が指差してたのは、薬指に鎮座する指輪。
既婚者だって周りに知らせとけってことか。
正直、洸人にプロポーズされた日の翌日にソワソワしすぎたせいですっごい知られてるんだけど。
旧姓で働いてるから心配させてるのかなって思って、大人しく頷いてる。
だから、会社の傍に私がいきなり現れたらどんな顔するのかなんて、想像つく。
たぶん、めっちゃ眉間に皺が寄る。
若干口悪めに、「なんでいんの?」って言う。
だけど、たぶん口はゆるゆるで耳が赤くなって。
きっと、会えて嬉しいって言葉にしてはくれないだろうけど、思ってはくれるんじゃないだろうか。
「あ、ここだ」
着いたビルは、洗練されてて綺麗で、オシャレで。
洸人は似合うんだろうなあ。
仕事に打ち込む洸人の姿を見てる人を羨ましく思いながら、近くにあったチェーン店のカフェに入る。
運良く窓際の席が空いてたから、出入り口が見える席に陣取らせてもらう。
メッセージアプリを開いて、近くにいる旨を洸人に送って、少しずつ増えてきた人の波をドキドキしながら眺めた。
なんだかんだ紳士な人だから、何回もデートしたけど待ち合わせで私が待ったことはほとんどない。
それがどうしても悔しくて、1回だけうんと早く行ったんだよなあ。
危ないだろとか寒いだろって怒られた後、「でも、ありがと」って言ってくれたんだっけ。
なんて、思い出に浸りながら眺めてたら、洸人を見つけた。
ええ、両隣に背の高いイケメンさん従えてる。
酔ってるときにたまに話してくれるから、少しは会社の人も知ってる。
きっとニコニコ笑ってるのが“たじ”、大きな口を開けて爆笑してるのが“理人”。
よく考えたら、洸人、スマホ見てないかもな。
いつも連絡くれるのは電車に乗った時点だから、会社を出るときには見てない可能性がある。
なお、そこで連絡するのは“一度も立ち止まりたくないから”なんだとか。
そう言いながらを後頭部を掻いてたので、たぶんこっちは本音じゃない気がする。
しかも、早く帰りたいって思ってくれてるのかな〜なんて都合よく解釈してる。
気づいてくれないかな〜と目線を送っていたら、理人さんと目が合う。
それじゃ意味ないかも、と諦めかけた瞬間、理人さんの目が盛大に見開かれた。
え、私の顔知ってるの?なんで?
理人さんが、バシバシと洸人の肩を叩く。
痛そうな顔をした洸人が、理人さんの言葉に促されたのか、こっちを見た。
楽しそうな顔のたじさんもこっち見てる。
あ、洸人すっごい驚いてる。楽しいかも。
調子に乗って小さく手を振ってみると、目をぎゅっと瞑ってため息をついてる。
走って向かってくる洸人を呑気に眺めてると、後ろから二人も着いてきていた。洸人嫌がってるけど。
私も嫌なわけないので、ウキウキでカップを返してお店を出た。
「なんでいんの!?」
「へへ、近くで打ち合わせしてたから来ちゃった」
開口一番、洸人に問い詰められる。
その後ろには、キラキラした目のイケメンふたり。
その様子は、長男のことが気になる次男と三男みたい。
「ここでデレんなよ……」
なんかため息をついてる洸人は放置して、ふたりに向き合う。
「洸人がお世話になってます。妻のみにです」
ペコリと頭を下げると、二人も頭を下げてくれたあと大興奮といった様子で口を開いた。
「本物や〜!」
手を叩いてなんだか嬉しそうな理人さんと、
「ほ、ほんものって」
そんな彼にツボってるたじさん。
「有名人に会った気分だわ。いや、ほぼ有名人?」
「ゆ、有名人?」
身に覚えのない理人さんのコメント。
堪らず聞き返すと、洸人が尋常じゃなく焦り始めた。
「何も無いよー!何言ってるのかなー?」
声で遮ろうとする洸人を、たじさんが笑いながら抑えに行く。
洸人の言う通りたじさんは変な人なのか〜と思っていると、邪魔が消えたと言わんばかりの理人さんが喜々として言う。
「洸人の奥さんは、美人で、あの美味そうな弁当作ってくれてて、ツンデレなのも可愛いって有名ですよ!」
「西くん、家では素直に言えないからって俺らには何でも言ってくれるんです〜」
理人さん、たじさんと暴露が続く。
洸人の耳が真っ赤なのは見なくてもわかるけど、私だっていっぱいいっぱいだ。
何、それ。
なんとも言えない空気を悟ったふたりが、「また会いましょうね〜」「あとはおふたりで〜」なんて手を振って去っていく。
すごい、不思議な人たちだったな。
「ど、どっかでご飯食べて帰る?」
「だ、だな?」
二人でどもりながら、洸人がよく行くという会社の近くのお店に連れて行ってもらう。
さっきの、ほんと?なんて聞いたら、ふたりともキャパオーバーになることはわかってるから敢えて触れない。
否定しないってことは、それが答えなんだろう。
「ごめん、なんか」
「いや、突撃したの私だし」
それでも、洸人がボソッと謝るから私も謝る。
目線は合わせずに、手が近づいてきたから。
柔らかく握ると、優しく握り返されたから、これが仲直り。
「辞めたほうがいい?」
あ、辞める気はないんだ。
ふたりに言われたら恥ずかしがるのかと思いきや、絶対にもう辞めるということはないみたい。
「……好きにしなよ」
そんなの、辞めろなんて言わないよ。
洸人が心配してくれるように、私だって不安が全く無いわけじゃないんだ。
なのに、そんなに周りに言ってくれるってさ。
お店に入る前、きっとニヤニヤしてただろう私を見て釘を差された。
「でも、ああいう奴らもいるんだし、むやみに夜出歩くなよ」
「うん」
ふたりです、と店員さんに伝えてくれる背中。
抱きつきたいなあ、なんて思うけど、外だし勇気もないし我慢する。
「ちょっと嬉しかったけど」
「ふふ、でしょ」
この人が旦那さんで良かった。
何度だって思ってきたし、これからもきっと思うことは多いんだろうけど。
きっと、この夜はずっと忘れない。
「みに?」
「ううん。好きだなあって」
メニューを流し見してる洸人を見てそんな事を考えてると、何も発さない私を見て不思議そうな顔をされた。
「俺もだけど」
素直になれたのは、ふたりのおかげかな。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「ツンデレ夫婦の西くんver」
リクエスト「裏ではデレデレの超愛妻家で愛妻弁当を会社で自慢してるのに、家ではツンデレな西くん」
↑
めろすぎる。送ってくださった天才さん、ありがとうございます!!
前のお話の“洸人さん”の少し前のお話でした✨
そろそろ目次が動物園の日記なので、次で脱却します🦔🐧🐺
