【Takumi.O】
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「ただいまー!」
仕事帰りとは思えない、明るい声がしっかりと耳に届く。
パタパタと玄関に走れば、匠海が鍵を閉めていた。
「おかえり」
帰って来てくれた喜びを隠そうともしないで、匠海を迎え入れる。
カバンを雑に置いて靴を脱いでいる匠海を見てると、脱ぎ終わった匠海に、ぎゅっと物凄い速度で抱きしめられた。
「頑張って良かった〜!」
「ふふ、お疲れ様」
手を伸ばして匠海の頭を撫でる。
「止めんといて」
さっきより小さいささやき声。
ちゃんと聞こえてるよ、の気持ちを込めて撫で続けていると、匠海が身じろいだ。
「みに、いつもと違う匂いする」
「わかる?シャンプー変えたの」
「ああ!確かに減ってたな」
洗ってるときも乾かしてるときも、強く香る感じじゃないなあと思ってたのに。
よく気づくなあと感心していると、スンスンと聞こえた。
「そんな嗅がなくても」
そろそろ恥ずかしい。
抗議してみても、匠海は止まってくれなかった。
「いっつも最初は、うーんって感じなんよ。でもみにの匂いって思うと好きになるねんな」
「え、嫌い?変えようか?」
「や、ちゃうねん。確かに最初っから俺の好み!って感じやないけど、なんか気づいたら好きになってる」
アーティストとか、食べ物とか、ファッションとか、匂いとか。
好みが違うことは多いからもう驚かないけど、本当に匠海の言う通りで。
匠海の好きなものだって思ったら、向き合いたくなるし、なんだか少し好きになれるし、落ち着く。
「そのうち、最初から匠海の好きなの選びたいなあ」
「はは、みにが使いたいやつ使い。気づいたら好きになってるから」
「……ありがとう」
優しい言葉に、あたたかい微笑み。
いつまで経っても、匠海の好きなところ。
目が合って、自然と唇が重なる。
「じゃあ俺もお風呂入ってくる」
「はーい。ごゆっくり」
すぐ入れるように、バスタオルとか下着とか用意するのはいつも。
そして、結婚指輪を置く入れ物も。
置くようになったのは、些細なケンカがきっかけだっけ。
こっちの指輪をする前、もう一つお揃いの指輪もあって。
それは、匠海が高校の卒業式でプレゼントしてくれたもの。
「みに、こっち来て」
「ん?うん」
式が終わったあと、急に匠海に手首を掴まれて中庭の隅の方に走ったことを鮮明に覚えてる。
ちなみに、“カップル推し隊”のおかげ(?)で、席はずーっと匠海と隣だった。
覚悟を決めたようにこっちを見る匠海は真剣で、どうしたの?とも言えなかった。
「大学入ったら離れ離れになっちゃうやんか」
「……うん、そうだね」
高校を卒業したら遠距離になることは決まっていて。
卒業式が終わっても一緒にいる約束を立ててたけど、そばにいられなくなるカウントダウンは確実に始まっていた。
「やから、みにに持っててほしいもんあって」
制服のポケットから、匠海が小さな箱を取り出す。
そっと手渡されたそれを開けると、指輪が入っていた。
あまりにも嬉しくて出てくる涙を拭った匠海が、指輪を右手の薬指に通してくれる。
匠海の同じ指にも、いつの間にか同じ指輪が光っていた。
そのとき、「お幸せにー!」とでっかい声が響いてた。
「尾崎ならみにちゃん任せられる!」
「お似合いすぎー!」
「二人のこと見れて幸せだったよー!」
「結婚式には呼んでねー!」
口々に、クラスのみんなが祝福してくれて。
匠海は泣いて顔ぐちゃぐちゃにしながら、力強く頷いてた。
そして始まった遠距離恋愛。
生活習慣を合わせるのも大変で、でも顔を見たいし声を聞きたい。
久しぶりの電話というとき、匠海が笑い話のように言った。
「この前お風呂に入るときに指輪外して、上がったら、見つかんなくなってん!めっちゃ探して見つけたわ」
「……え?」
匠海はそもそも物忘れが多いし、今思えばそれだけ必死に探してくれたんだから十分なのにね。
会えなくて寂しかったその時の私は、宝物の指輪を一瞬でも無くしたことが嫌で。
思いっきり文句をぶつけて、電話越しに喧嘩して、勢いよく切った。
それでも、会う約束は破れなくて。
謝ろうと決めて、指輪を置いておくケースを買って会いに行くと、匠海にすっごい謝られた。
こんな感じで、喧嘩もいっぱいしたんだよね。
思い出していると、ヘアバンドをした匠海が出てきた。
「テレビもスマホも見ないで待ってたん?」
ただ座ってるだけの私を見て、匠海が不思議そうな声を出す。
「ふふ、指輪置きを買ったときの喧嘩思い出してた」
「あ〜。今思い出しても恥ずかしいわ」
「ほんと、私も恥ずかしい」
今ではもう完全に笑い話。
懐かしいなあ。
「ほんま、なんで俺あんな喧嘩ばっかりしちゃったんやろ」
「今もあるでしょ」
「まあな?でも喧嘩もみにと過ごせて良かったよ」
「喧嘩も?」
「あんましたくはないけどな?」
お茶目な匠海と、思いっきり笑った。
「みにを幸せにしたいのに、俺が幸せになってる気すんねんけど」
「私も同じこと思ってるよ」
結局、結婚式にはクラスのみんなも招待した。
スピーチで「不安もありましたが」って匠海が言った瞬間に、威尊くんを筆頭に「大丈夫ー!」と揃って叫んでたな、みんな。
それでまた匠海が号泣してて、デジャヴだった。
「やっぱなんか、似てるんよな」
「なんでだろうね?」
広いソファを買ったのに、いつも隅でふたりでくっついてる。
甘えるように匠海の肩にコテンと頭を乗せると、絶対頭を撫でてくれる。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
しみじみと言われて、胸がいっぱいになった。
「出会ってくれてありがとうって言おうとしたんやけど、どうやっても会ってた気がすんねんな」
ポジティブさは健在。
ぎゅーっと匠海に抱きしめられたから照れちゃって、匠海のえくぼをつっつく。
ほぼ照れ隠しの癖になってるな、これ。
「ほんまえくぼ好きやな」
「一生好き。埋もれたいし溺れたい」
「えー?意味わからん」
わかってない顔で笑い声をあげる匠海。
「それくらい好きなんだよ」
付け足すと、ならええか!と納得してる。
「えくぼってちゃんとキープできるんかな。調べとくわ」
「触らないほうがいいですって言われたら私生きてけないかも」
「長持ちさせたいんか触りたいんか、どっちやねん」
時にコントみたいになる会話も心地良い。
こんなに好きになれる人に出会えたことが幸せなのに、匠海は幸せにしたいって伝え続けてくれるの。
「でもほんま、みにがいて良かった。ありがとう」
「どうしたの、今日」
悪い気は全くしないけど、誕生日でもないのに連呼されると不思議にはなる。
ストレートに問いかければ、ええ?と何故か匠海が戸惑ってた。
「『ごめん』より『ありがとう』がいっぱいの夫婦でいたいやん?」
「……そうだね」
キュンと音を立てた胸を抑えて頷くと、満足そうに匠海が笑う。
「そろそろ寝よか」
「うん」
これから何があるか分からない。
でも、匠海となら明るい未来しかないって思う。
そんな気持ちを込めて、匠海の手をぎゅっと握った。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「匠海くんとの仲良しカップルからの仲良し夫婦」
リクエスト「匠海くんとラブラブな新婚」
匠海さんとご結婚された皆様、おめでとうございます!
わかめからのご祝儀はこのお話で失礼致します!!
仕事帰りとは思えない、明るい声がしっかりと耳に届く。
パタパタと玄関に走れば、匠海が鍵を閉めていた。
「おかえり」
帰って来てくれた喜びを隠そうともしないで、匠海を迎え入れる。
カバンを雑に置いて靴を脱いでいる匠海を見てると、脱ぎ終わった匠海に、ぎゅっと物凄い速度で抱きしめられた。
「頑張って良かった〜!」
「ふふ、お疲れ様」
手を伸ばして匠海の頭を撫でる。
「止めんといて」
さっきより小さいささやき声。
ちゃんと聞こえてるよ、の気持ちを込めて撫で続けていると、匠海が身じろいだ。
「みに、いつもと違う匂いする」
「わかる?シャンプー変えたの」
「ああ!確かに減ってたな」
洗ってるときも乾かしてるときも、強く香る感じじゃないなあと思ってたのに。
よく気づくなあと感心していると、スンスンと聞こえた。
「そんな嗅がなくても」
そろそろ恥ずかしい。
抗議してみても、匠海は止まってくれなかった。
「いっつも最初は、うーんって感じなんよ。でもみにの匂いって思うと好きになるねんな」
「え、嫌い?変えようか?」
「や、ちゃうねん。確かに最初っから俺の好み!って感じやないけど、なんか気づいたら好きになってる」
アーティストとか、食べ物とか、ファッションとか、匂いとか。
好みが違うことは多いからもう驚かないけど、本当に匠海の言う通りで。
匠海の好きなものだって思ったら、向き合いたくなるし、なんだか少し好きになれるし、落ち着く。
「そのうち、最初から匠海の好きなの選びたいなあ」
「はは、みにが使いたいやつ使い。気づいたら好きになってるから」
「……ありがとう」
優しい言葉に、あたたかい微笑み。
いつまで経っても、匠海の好きなところ。
目が合って、自然と唇が重なる。
「じゃあ俺もお風呂入ってくる」
「はーい。ごゆっくり」
すぐ入れるように、バスタオルとか下着とか用意するのはいつも。
そして、結婚指輪を置く入れ物も。
置くようになったのは、些細なケンカがきっかけだっけ。
こっちの指輪をする前、もう一つお揃いの指輪もあって。
それは、匠海が高校の卒業式でプレゼントしてくれたもの。
「みに、こっち来て」
「ん?うん」
式が終わったあと、急に匠海に手首を掴まれて中庭の隅の方に走ったことを鮮明に覚えてる。
ちなみに、“カップル推し隊”のおかげ(?)で、席はずーっと匠海と隣だった。
覚悟を決めたようにこっちを見る匠海は真剣で、どうしたの?とも言えなかった。
「大学入ったら離れ離れになっちゃうやんか」
「……うん、そうだね」
高校を卒業したら遠距離になることは決まっていて。
卒業式が終わっても一緒にいる約束を立ててたけど、そばにいられなくなるカウントダウンは確実に始まっていた。
「やから、みにに持っててほしいもんあって」
制服のポケットから、匠海が小さな箱を取り出す。
そっと手渡されたそれを開けると、指輪が入っていた。
あまりにも嬉しくて出てくる涙を拭った匠海が、指輪を右手の薬指に通してくれる。
匠海の同じ指にも、いつの間にか同じ指輪が光っていた。
そのとき、「お幸せにー!」とでっかい声が響いてた。
「尾崎ならみにちゃん任せられる!」
「お似合いすぎー!」
「二人のこと見れて幸せだったよー!」
「結婚式には呼んでねー!」
口々に、クラスのみんなが祝福してくれて。
匠海は泣いて顔ぐちゃぐちゃにしながら、力強く頷いてた。
そして始まった遠距離恋愛。
生活習慣を合わせるのも大変で、でも顔を見たいし声を聞きたい。
久しぶりの電話というとき、匠海が笑い話のように言った。
「この前お風呂に入るときに指輪外して、上がったら、見つかんなくなってん!めっちゃ探して見つけたわ」
「……え?」
匠海はそもそも物忘れが多いし、今思えばそれだけ必死に探してくれたんだから十分なのにね。
会えなくて寂しかったその時の私は、宝物の指輪を一瞬でも無くしたことが嫌で。
思いっきり文句をぶつけて、電話越しに喧嘩して、勢いよく切った。
それでも、会う約束は破れなくて。
謝ろうと決めて、指輪を置いておくケースを買って会いに行くと、匠海にすっごい謝られた。
こんな感じで、喧嘩もいっぱいしたんだよね。
思い出していると、ヘアバンドをした匠海が出てきた。
「テレビもスマホも見ないで待ってたん?」
ただ座ってるだけの私を見て、匠海が不思議そうな声を出す。
「ふふ、指輪置きを買ったときの喧嘩思い出してた」
「あ〜。今思い出しても恥ずかしいわ」
「ほんと、私も恥ずかしい」
今ではもう完全に笑い話。
懐かしいなあ。
「ほんま、なんで俺あんな喧嘩ばっかりしちゃったんやろ」
「今もあるでしょ」
「まあな?でも喧嘩もみにと過ごせて良かったよ」
「喧嘩も?」
「あんましたくはないけどな?」
お茶目な匠海と、思いっきり笑った。
「みにを幸せにしたいのに、俺が幸せになってる気すんねんけど」
「私も同じこと思ってるよ」
結局、結婚式にはクラスのみんなも招待した。
スピーチで「不安もありましたが」って匠海が言った瞬間に、威尊くんを筆頭に「大丈夫ー!」と揃って叫んでたな、みんな。
それでまた匠海が号泣してて、デジャヴだった。
「やっぱなんか、似てるんよな」
「なんでだろうね?」
広いソファを買ったのに、いつも隅でふたりでくっついてる。
甘えるように匠海の肩にコテンと頭を乗せると、絶対頭を撫でてくれる。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
しみじみと言われて、胸がいっぱいになった。
「出会ってくれてありがとうって言おうとしたんやけど、どうやっても会ってた気がすんねんな」
ポジティブさは健在。
ぎゅーっと匠海に抱きしめられたから照れちゃって、匠海のえくぼをつっつく。
ほぼ照れ隠しの癖になってるな、これ。
「ほんまえくぼ好きやな」
「一生好き。埋もれたいし溺れたい」
「えー?意味わからん」
わかってない顔で笑い声をあげる匠海。
「それくらい好きなんだよ」
付け足すと、ならええか!と納得してる。
「えくぼってちゃんとキープできるんかな。調べとくわ」
「触らないほうがいいですって言われたら私生きてけないかも」
「長持ちさせたいんか触りたいんか、どっちやねん」
時にコントみたいになる会話も心地良い。
こんなに好きになれる人に出会えたことが幸せなのに、匠海は幸せにしたいって伝え続けてくれるの。
「でもほんま、みにがいて良かった。ありがとう」
「どうしたの、今日」
悪い気は全くしないけど、誕生日でもないのに連呼されると不思議にはなる。
ストレートに問いかければ、ええ?と何故か匠海が戸惑ってた。
「『ごめん』より『ありがとう』がいっぱいの夫婦でいたいやん?」
「……そうだね」
キュンと音を立てた胸を抑えて頷くと、満足そうに匠海が笑う。
「そろそろ寝よか」
「うん」
これから何があるか分からない。
でも、匠海となら明るい未来しかないって思う。
そんな気持ちを込めて、匠海の手をぎゅっと握った。
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「匠海くんとの仲良しカップルからの仲良し夫婦」
リクエスト「匠海くんとラブラブな新婚」
匠海さんとご結婚された皆様、おめでとうございます!
わかめからのご祝儀はこのお話で失礼致します!!
