【Masaya.K】
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「みにも来る?」
また出た、飲みの誘い。
正直今日はなんか疲れてるし、気乗りはしない。
「んー」
どうお茶を濁そうか考えていると、目の前で手を合わせられる。
「お願い!みにいると盛り上がるし助かるから来てほしいの!」
「……しょうがないなあ。いっちょ盛り上げたりますわ!」
「ほんと!ありがとう!!」
またやっちゃった。
仲の良い人の困った顔や笑顔にめっぽう弱い。
だから、多少自分が嫌でも断れない。
でも、こんな安い褒め言葉で動いちゃうのは直したいところ。
笑顔で去っていった友人と呼べるかも分からない子の背中を見送って、小さく溜め息を溢した。
そして、憂鬱な夜がやってくる。
行く直前に、数人の顔見知りが気になってる人を伝えに来る。
はいはい、アシストしてほしいってことね。
そのくらい自分で勇気出しなよという言葉は飲み込んで、おっけー任せろ!と返してしまった。
「じゃあみに乾杯の挨拶してよー」
始まってしまえば、乗り気ではないことは隠さなければならない。
こんなキラーパスだって、渋ったら空気が冷めちゃうもんなあ。
「えぇ私?」
「いつも面白いじゃん!」
「ハードル上げないで!?くぐってやるわ」
適当に返しながら、クスリと笑ってくれるように頭を回転させる。
いくつかある鉄板挨拶の中から引っ張り出して声を張れば、どっと笑い声が聞こえて安堵した。
「流石だねーほんと。みにいるとほんと助かる」
「天才だな〜とは自分でも思う」
雑な褒め言葉が飛んできて、慌てて笑顔を作る。
歯を閉じて見せれば、溜め息が漏れ出ることはない。
「xxくんのとこ行かなくていいの?」
「いやあ、勇気出ないし」
「しょうがないなあ」
そのくらいの愛なんだ〜とは思うのは何回目かな。
もう飲み込みすぎて分かんなくなっちゃった。
「席替えしよー!」
自分がわがままなフリをして、最初に聞いたように割り振る。
空調とか注文を理由づけして割り振れば、うん完璧。
ありがとう!と目線を送ってくる女の子たちにガッツポーズをして見せた。
はあ、終わった。
盛り上がった頃にトイレと言ってそっと個室を抜け出す。
「ほんっと、ばかみたい」
たった1人、新鮮な空気に向かって息を吐き出した。
そのとき。
「そんなことないよ」
後ろから、自分に語りかけるような優しい低音が聞こえた。
振り向くと、そこには常に人に囲まれてるはずの柾哉くんがいた。
「……聞こえちゃった?」
ずっと誰にも自分の負の部分は打ち明けてなかった。
もし知られていたらどうしようなんて不安で、おどけて聞いてみる。
「うん」
首を振って欲しかったのに、答えはyesだった。
「そっかあ」
明るさが自分のキャラであり、居場所を獲得するための武器だったのにな。
「でも、みにちゃんのイメージが変わったとかは全くないかな」
「え?」
欲しい言葉を簡単に掬い取って、伝えてくれた。
それが驚きで、でもやっぱり嬉しくて。
涙が出そうになるのを、慌てて欠伸で誤魔化した。
「なんで?」
それにしても、柾哉くんは男女問わず人気者だし、私にどんなイメージを持っていたというのだろう。
2人でゆっくり話すのは、これが初めてなんだし。
「いつも人のために動いてるでしょ?場を盛り上げることもそうだけど、全員の体調気にしてたり、注文を確認したり、他にもいっぱい」
「見てたの?」
いつそんな暇があったのだろうか。
なんて疑問もあるけど、でも、心が動いたのはそんなことじゃなくて。
「……うん。ごめん、気色悪いよね」
「ううん!違くて、その逆」
「逆?」
「誰にも気づいてもらえないと思ってたから、嬉しい」
「ふふ、なら良かった」
勝手に人のために動いたとしても、思ったより感謝されないと落ち込む。
だからこそ、見てる人がいるんだって事実は、自分でもびっくりするくらい嬉しかった。
「柾哉くんは、凄いね」
あんなに人が集まる理由が分かった気がする。
こんな関わりのない人間のことも、気づいてるんだ。
「……ううん、そんな大層な人じゃないよ」
「え、謙虚すぎない!?ほんとに良い人だよ」
どこまで誠実な人なんだろう。
さらに首を横に振る柾哉くんは、少し下に目線を落としながら口を開いた。
「いっつも人のことばっか優先してる子のことが気になってて、俺、なんか勝手に辛くないのかな?とか心配になっちゃったから行動とか真似したの」
「そうなんだ」
「そしたら、褒められたり感謝されたりしたら嬉しいけど、やっぱしんどくて。凄いんだなって実感したし、あの子は大丈夫かなってもっと心配になった」
「優しいんだね」
「ずっと観察してたら、誰も見てないときに苦しそうな顔してるの見つけちゃって。消えちゃいそうで怖くて、話しかけなきゃって思って追いかけたの」
目線を上げた柾哉くんと目が合う。
「みにちゃんのことだよ」
「……え?」
理解が追いつかない私を包み込むように、そっと両手を握られる。
「みにちゃんはすっごい頑張ってるし偉い。だけど、壊れちゃいそうなときは俺を頼ってほしい」
小学生みたいだけど、私はずっと誰かに心から褒められたかったのかもしれない。
見返りを求めてるのが見え透いた雑な言葉じゃなくて、もっとあったかい言葉。
「暗いとこ見せても、嫌いになんないの?」
「なんで?人間なんだから暗い時があるのは当たり前じゃん」
「……ずるいよ、柾哉くん」
ずーっと私が欲しくてたまらなかった言葉を、ぽんぽんと投げてくるんだもん。
「あはは、さっき凄いって言ってくれたのに」
「凄すぎてずるいの」
「意味わかんない〜」
笑いながら、手を握る力をぎゅっと強める柾哉くん。
そんな彼の目を見たら、恋しないわけがなかった。
「こんな弱ってるとこに漬け込んでるんだから、充分ずるいよ、俺」
「それはずるいに入んないよ。優しいんだよ」
「んーん。ずるいよ。だから、」
握られていた手が離れる。
「二人でご飯、行ってくれる?」
「……うん!」
きっと、ありのままの自分を全部認めてくれる人だ。
「俺の前では盛り上げようって頑張らなくていいし、気も遣わないでいいんだからね」
「わかった」
「自然体でいてほしい。お願い」
「ありがと!柾哉くんもね」
真似なんて言ってるけど、きっと柾哉くんはそれだけじゃない。
元から優しい人だ。
だから、お互いがお互いの息がつける場所になりたい。
「今日はこの後、どうするの?」
「あ!xxちゃんたち大丈夫かな」
長居しちゃった。
慌てて戻ろうとする腕を、柾哉くんに掴まれる。
「今日くらいは、自分を1番優先してあげてもいいんじゃない?」
柾哉くんの柔らかな微笑みを見たら、許される気がした。
「じゃあ、柾哉くんともっと一緒にいたいって言っちゃうよ」
自分に素直になるって、照れるけどスッキリもする。
柾哉くんを見ると、目を見開いたあと嬉しそうに頷いてくれた。
「いいよ、一緒にいよっか」
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「いつも盛り上げ役でおもしろ枠の女の子の繊細な部分に気づいてくれる柾哉くん」
びっくりするくらい解釈一致です。きっと彼にはそんな優しさが人一倍備わってますよね。
素敵なリクエストありがとうございます!
新生活を頑張る皆さん(わかめ含む)に届けっ⸝⋆
また出た、飲みの誘い。
正直今日はなんか疲れてるし、気乗りはしない。
「んー」
どうお茶を濁そうか考えていると、目の前で手を合わせられる。
「お願い!みにいると盛り上がるし助かるから来てほしいの!」
「……しょうがないなあ。いっちょ盛り上げたりますわ!」
「ほんと!ありがとう!!」
またやっちゃった。
仲の良い人の困った顔や笑顔にめっぽう弱い。
だから、多少自分が嫌でも断れない。
でも、こんな安い褒め言葉で動いちゃうのは直したいところ。
笑顔で去っていった友人と呼べるかも分からない子の背中を見送って、小さく溜め息を溢した。
そして、憂鬱な夜がやってくる。
行く直前に、数人の顔見知りが気になってる人を伝えに来る。
はいはい、アシストしてほしいってことね。
そのくらい自分で勇気出しなよという言葉は飲み込んで、おっけー任せろ!と返してしまった。
「じゃあみに乾杯の挨拶してよー」
始まってしまえば、乗り気ではないことは隠さなければならない。
こんなキラーパスだって、渋ったら空気が冷めちゃうもんなあ。
「えぇ私?」
「いつも面白いじゃん!」
「ハードル上げないで!?くぐってやるわ」
適当に返しながら、クスリと笑ってくれるように頭を回転させる。
いくつかある鉄板挨拶の中から引っ張り出して声を張れば、どっと笑い声が聞こえて安堵した。
「流石だねーほんと。みにいるとほんと助かる」
「天才だな〜とは自分でも思う」
雑な褒め言葉が飛んできて、慌てて笑顔を作る。
歯を閉じて見せれば、溜め息が漏れ出ることはない。
「xxくんのとこ行かなくていいの?」
「いやあ、勇気出ないし」
「しょうがないなあ」
そのくらいの愛なんだ〜とは思うのは何回目かな。
もう飲み込みすぎて分かんなくなっちゃった。
「席替えしよー!」
自分がわがままなフリをして、最初に聞いたように割り振る。
空調とか注文を理由づけして割り振れば、うん完璧。
ありがとう!と目線を送ってくる女の子たちにガッツポーズをして見せた。
はあ、終わった。
盛り上がった頃にトイレと言ってそっと個室を抜け出す。
「ほんっと、ばかみたい」
たった1人、新鮮な空気に向かって息を吐き出した。
そのとき。
「そんなことないよ」
後ろから、自分に語りかけるような優しい低音が聞こえた。
振り向くと、そこには常に人に囲まれてるはずの柾哉くんがいた。
「……聞こえちゃった?」
ずっと誰にも自分の負の部分は打ち明けてなかった。
もし知られていたらどうしようなんて不安で、おどけて聞いてみる。
「うん」
首を振って欲しかったのに、答えはyesだった。
「そっかあ」
明るさが自分のキャラであり、居場所を獲得するための武器だったのにな。
「でも、みにちゃんのイメージが変わったとかは全くないかな」
「え?」
欲しい言葉を簡単に掬い取って、伝えてくれた。
それが驚きで、でもやっぱり嬉しくて。
涙が出そうになるのを、慌てて欠伸で誤魔化した。
「なんで?」
それにしても、柾哉くんは男女問わず人気者だし、私にどんなイメージを持っていたというのだろう。
2人でゆっくり話すのは、これが初めてなんだし。
「いつも人のために動いてるでしょ?場を盛り上げることもそうだけど、全員の体調気にしてたり、注文を確認したり、他にもいっぱい」
「見てたの?」
いつそんな暇があったのだろうか。
なんて疑問もあるけど、でも、心が動いたのはそんなことじゃなくて。
「……うん。ごめん、気色悪いよね」
「ううん!違くて、その逆」
「逆?」
「誰にも気づいてもらえないと思ってたから、嬉しい」
「ふふ、なら良かった」
勝手に人のために動いたとしても、思ったより感謝されないと落ち込む。
だからこそ、見てる人がいるんだって事実は、自分でもびっくりするくらい嬉しかった。
「柾哉くんは、凄いね」
あんなに人が集まる理由が分かった気がする。
こんな関わりのない人間のことも、気づいてるんだ。
「……ううん、そんな大層な人じゃないよ」
「え、謙虚すぎない!?ほんとに良い人だよ」
どこまで誠実な人なんだろう。
さらに首を横に振る柾哉くんは、少し下に目線を落としながら口を開いた。
「いっつも人のことばっか優先してる子のことが気になってて、俺、なんか勝手に辛くないのかな?とか心配になっちゃったから行動とか真似したの」
「そうなんだ」
「そしたら、褒められたり感謝されたりしたら嬉しいけど、やっぱしんどくて。凄いんだなって実感したし、あの子は大丈夫かなってもっと心配になった」
「優しいんだね」
「ずっと観察してたら、誰も見てないときに苦しそうな顔してるの見つけちゃって。消えちゃいそうで怖くて、話しかけなきゃって思って追いかけたの」
目線を上げた柾哉くんと目が合う。
「みにちゃんのことだよ」
「……え?」
理解が追いつかない私を包み込むように、そっと両手を握られる。
「みにちゃんはすっごい頑張ってるし偉い。だけど、壊れちゃいそうなときは俺を頼ってほしい」
小学生みたいだけど、私はずっと誰かに心から褒められたかったのかもしれない。
見返りを求めてるのが見え透いた雑な言葉じゃなくて、もっとあったかい言葉。
「暗いとこ見せても、嫌いになんないの?」
「なんで?人間なんだから暗い時があるのは当たり前じゃん」
「……ずるいよ、柾哉くん」
ずーっと私が欲しくてたまらなかった言葉を、ぽんぽんと投げてくるんだもん。
「あはは、さっき凄いって言ってくれたのに」
「凄すぎてずるいの」
「意味わかんない〜」
笑いながら、手を握る力をぎゅっと強める柾哉くん。
そんな彼の目を見たら、恋しないわけがなかった。
「こんな弱ってるとこに漬け込んでるんだから、充分ずるいよ、俺」
「それはずるいに入んないよ。優しいんだよ」
「んーん。ずるいよ。だから、」
握られていた手が離れる。
「二人でご飯、行ってくれる?」
「……うん!」
きっと、ありのままの自分を全部認めてくれる人だ。
「俺の前では盛り上げようって頑張らなくていいし、気も遣わないでいいんだからね」
「わかった」
「自然体でいてほしい。お願い」
「ありがと!柾哉くんもね」
真似なんて言ってるけど、きっと柾哉くんはそれだけじゃない。
元から優しい人だ。
だから、お互いがお互いの息がつける場所になりたい。
「今日はこの後、どうするの?」
「あ!xxちゃんたち大丈夫かな」
長居しちゃった。
慌てて戻ろうとする腕を、柾哉くんに掴まれる。
「今日くらいは、自分を1番優先してあげてもいいんじゃない?」
柾哉くんの柔らかな微笑みを見たら、許される気がした。
「じゃあ、柾哉くんともっと一緒にいたいって言っちゃうよ」
自分に素直になるって、照れるけどスッキリもする。
柾哉くんを見ると、目を見開いたあと嬉しそうに頷いてくれた。
「いいよ、一緒にいよっか」
*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。
リクエスト「いつも盛り上げ役でおもしろ枠の女の子の繊細な部分に気づいてくれる柾哉くん」
びっくりするくらい解釈一致です。きっと彼にはそんな優しさが人一倍備わってますよね。
素敵なリクエストありがとうございます!
新生活を頑張る皆さん(わかめ含む)に届けっ⸝⋆
