FREEDOM
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『おおかみ夫婦』に頂いた感想「なにプリは愛妻弁当を自慢してそう」をお話にしちゃいました。
3人による奥さん自慢大会なので、誰の奥さんになるか(もしくは空気になるか)は皆さん次第です🎶
惜しみなく奥様への愛を外に出しそうなプリンスたちですよね~。送ってくださってありがとうございます⸝⋆
🍙🍙🍙
時計の針がいつもの時間を指した瞬間、それが始まる。
「昼や昼や~」
鼻歌でも歌いだしそうなテンションで、雄大がデスクから立ち上がる。
目の前に目線を送ると、威尊も微笑んでぱたりとパソコンを閉じた。
「今日は天気ええし、屋上行く?」
「お!俺高校ん時屋上入れんかったからさー、屋上って何回行っても嬉しいねんなあ」
「屋上でチュッパチャップス舐めながらイキりたかったのに校則に阻まれてる雄大、想像つくわあ」
そんな会話をしながら向かう先は、真っすぐ屋上……ではなく。
「今日は何してんのやろな」
「あくびしてんちゃう?」
今年度から別部署になった彼らの親友を迎えに行く。
「う、わっびっくりしたあ」
別のフロアを覗き込もうとしたら廊下で会ってしまったため、ふたりは彼の仕事姿を見ることは叶わず。
「なんや~つまんな」
「まあまあ。またチャンスあるで」
「なにが!?」
匠海を置き去りにしたまま、会話が少し続く。
その割に威尊も雄大も、顔がもっと楽しそうになっているけれど。
「屋上混んでないとええけど」
エレベーターに乗り込む3人がそれぞれ手にしているのは、様々な小包。
匠海が持っているのは、キャンバス地の小さな手提げ。
威尊が優しく持っているのは、明るい布で丁寧に包まれているもの。
雄大がガッチリホールドしているのは、黒の小さな保温バッグ。
3人と、歩いているのに微動だにしないそれらが屋上に辿り着くと、優しい風が全てを撫でた。
「おー!貸し切りやん。さすが俺」
「「うんうん、そうやなあ」」
「いやツッコんで?」
胸を張る雄大を優しさで肯定する二人に、肩を落とす雄大。
いそいそと3人は丸テーブルを陣取り、カタリとそれぞれの手に持っていたものを置いた。
「「「いただきまーす」」」
アイコンタクトをとってすぐ、しっかりと合掌と発声をする。
パカリと蓋を開ける音が重なると、三者三様の愛情が顔を覗かせた。
「んま~!」
「雄大ほんまうまそうに食べるなあ」
「やって世界一うまいもん」
早々におかずに手を伸ばし、一口放り込むと幸せそうな顔をする雄大。
それを微笑ましそうに見つめる匠海と、スマホで自分のお弁当を写真に収める威尊。
「威尊も毎日すごいよなあ、容量やばいんちゃう?」
「毎日こーんな上手に作ってくれるんやで?全部は覚えきれんの悔しいから、代わりにスマホに覚えさせるんやん」
「わかるけど、俺写真撮ってんのバレたら怒られんもん」
「匠海のとこは、好きなもので攻めてるもんなあ」
彩りが意識されているのがすぐにわかる威尊のお弁当と、匠海のエネルギー補給が念頭に置かれたであろうお弁当。
それぞれの愛の形で、それぞれが“俺の嫁最高!”と顔に書いてあるのだから、結局全員幸せなのである。
「見て~この卵焼き」
ガツガツと食べて一旦食欲が落ち着いた雄大は、そんな会話をするふたりに見せびらかすようにひとつのおかずを掲げた。
「あれ?雄大んとこってシンプルな感じやなかったっけ」
「な、だし巻きみたいな落ち着いたやつ」
常日頃から自慢されているふたりは、すぐにその変化に言及した。
“よくぞ気づいた!”と顔に書かれてある雄大は、嬉々として説明を始めた。
「この前俺の親と会ったんやけど、そんときにさ~『雄大のお弁当に入れてる卵焼きって、なにか入れてました?』『うちは単純やから、余りもんいれといたら具入りや!って喜んどったなあ』って会話しててん!かわいすぎん?」
「ふふふ、それは愛おしいなあ」
「めっちゃええやん」
あまりにも嬉しそうに話す雄大と、優しい顔で相槌を打つふたり。
ふたりの顔は、雄大への愛はもちろん、自分の伴侶を思い描いた優しさも混じっていた。
「歩いてるときに聞いてたからめっちゃ上目遣いなってて、よう俺の親耐えられんなあって思ったもん。俺は“一生バカにしない”って誓ってるから、一応あんま言及しないようにしてんけどさあ。バカにするわけないのにな」
ラジオか!とツッコみたくなるほど一人語りを早口でしている雄大が満足するまで、ふたりは相槌を半ば適当に打った。
「まあでも、この“親にいろいろ聞く”っていう尊さ?威尊にはなかなか味わえんやつやと思う」
話し終えた雄大の次の標的は、威尊らしい。
「結婚する前から知ってんやもんな」
「はは、まあそうかも」
威尊が幼馴染と結婚したことを知る雄大と匠海は、にやにやと口角を上げた。
「ずっと思っててんけど、この風呂敷?もすごい威尊っぽいもんなあ」
匠海が指さす弁当箱を包む布は、食事中にはランチョンマットと化す。
風呂敷はもっとでかいやつ…と内心で思いながら、威尊も嬉しそうに口を開いた。
「最近さあ、俺より俺のことわかってるんちゃうかなって思うもん」
「え?」
「今日入ってるの見て、俺唐揚げ食べたいなあって思ってたんやなあって気づいた」
「何それ?」
分かっていなさそうなふたりの顔に、逆に嬉しそうになっている威尊。
自分が感情として認識する前にその気持ちを満たしてくれる幸せを、ひとりで噛みしめていた。
「匠海は?」
「ええ?俺?」
雄大が、ずっと聞き手側に回っている匠海をロックオンする。
困り眉のまま、彼は口を開いた。
「ん-、結婚する前にさ、俺めちゃくちゃな看病したことあんのやけど」
「「想像つくわあ」」
「おいっ」
匠海は殴るフリをしてから、話を続ける。
「そんとき俺が切ったネギより、このネギの方がめっちゃ美味いんよなあ。懐かしいなあって思い出してた」
「「……おお」」
「料理がうまいっていうのもあるけど、普通に俺より食材に優しさと愛があんのかなあ」
「ふふ、常に思ってるけどベタ惚れやなあ」
「威尊が言うとブーメランやで。俺もやけど」
「誰が言ってもブーメランかあ」
予想外の角度から降ってきた惚気に戸惑うふたりだったが、その愛に匠海らしさを見出して笑った。
思い出が頭にインプットされるどころか体に染みついているからこそ、どんな些細な事にも奥さんの存在がある。
「さ、午後も頑張るかあ」
「うまかったあ」
「はよやらんと。定時で帰ったんねん」
お腹を幸せで満たして、3人は空になった弁当箱を揺らしながら屋上を後にした。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
折角なので、それぞれの夫婦もこれまでの短編集と繋げてみました。
気づいてたぞ!って方がもしいらしたらあまりにも嬉しすぎるから、ぜひ教えてくださいね♡
たけちー…『The only one, for me』
たくみん…『きみが大事だから』
ゆうだい…『きみのぜんぶがすき』
3人による奥さん自慢大会なので、誰の奥さんになるか(もしくは空気になるか)は皆さん次第です🎶
惜しみなく奥様への愛を外に出しそうなプリンスたちですよね~。送ってくださってありがとうございます⸝⋆
🍙🍙🍙
時計の針がいつもの時間を指した瞬間、それが始まる。
「昼や昼や~」
鼻歌でも歌いだしそうなテンションで、雄大がデスクから立ち上がる。
目の前に目線を送ると、威尊も微笑んでぱたりとパソコンを閉じた。
「今日は天気ええし、屋上行く?」
「お!俺高校ん時屋上入れんかったからさー、屋上って何回行っても嬉しいねんなあ」
「屋上でチュッパチャップス舐めながらイキりたかったのに校則に阻まれてる雄大、想像つくわあ」
そんな会話をしながら向かう先は、真っすぐ屋上……ではなく。
「今日は何してんのやろな」
「あくびしてんちゃう?」
今年度から別部署になった彼らの親友を迎えに行く。
「う、わっびっくりしたあ」
別のフロアを覗き込もうとしたら廊下で会ってしまったため、ふたりは彼の仕事姿を見ることは叶わず。
「なんや~つまんな」
「まあまあ。またチャンスあるで」
「なにが!?」
匠海を置き去りにしたまま、会話が少し続く。
その割に威尊も雄大も、顔がもっと楽しそうになっているけれど。
「屋上混んでないとええけど」
エレベーターに乗り込む3人がそれぞれ手にしているのは、様々な小包。
匠海が持っているのは、キャンバス地の小さな手提げ。
威尊が優しく持っているのは、明るい布で丁寧に包まれているもの。
雄大がガッチリホールドしているのは、黒の小さな保温バッグ。
3人と、歩いているのに微動だにしないそれらが屋上に辿り着くと、優しい風が全てを撫でた。
「おー!貸し切りやん。さすが俺」
「「うんうん、そうやなあ」」
「いやツッコんで?」
胸を張る雄大を優しさで肯定する二人に、肩を落とす雄大。
いそいそと3人は丸テーブルを陣取り、カタリとそれぞれの手に持っていたものを置いた。
「「「いただきまーす」」」
アイコンタクトをとってすぐ、しっかりと合掌と発声をする。
パカリと蓋を開ける音が重なると、三者三様の愛情が顔を覗かせた。
「んま~!」
「雄大ほんまうまそうに食べるなあ」
「やって世界一うまいもん」
早々におかずに手を伸ばし、一口放り込むと幸せそうな顔をする雄大。
それを微笑ましそうに見つめる匠海と、スマホで自分のお弁当を写真に収める威尊。
「威尊も毎日すごいよなあ、容量やばいんちゃう?」
「毎日こーんな上手に作ってくれるんやで?全部は覚えきれんの悔しいから、代わりにスマホに覚えさせるんやん」
「わかるけど、俺写真撮ってんのバレたら怒られんもん」
「匠海のとこは、好きなもので攻めてるもんなあ」
彩りが意識されているのがすぐにわかる威尊のお弁当と、匠海のエネルギー補給が念頭に置かれたであろうお弁当。
それぞれの愛の形で、それぞれが“俺の嫁最高!”と顔に書いてあるのだから、結局全員幸せなのである。
「見て~この卵焼き」
ガツガツと食べて一旦食欲が落ち着いた雄大は、そんな会話をするふたりに見せびらかすようにひとつのおかずを掲げた。
「あれ?雄大んとこってシンプルな感じやなかったっけ」
「な、だし巻きみたいな落ち着いたやつ」
常日頃から自慢されているふたりは、すぐにその変化に言及した。
“よくぞ気づいた!”と顔に書かれてある雄大は、嬉々として説明を始めた。
「この前俺の親と会ったんやけど、そんときにさ~『雄大のお弁当に入れてる卵焼きって、なにか入れてました?』『うちは単純やから、余りもんいれといたら具入りや!って喜んどったなあ』って会話しててん!かわいすぎん?」
「ふふふ、それは愛おしいなあ」
「めっちゃええやん」
あまりにも嬉しそうに話す雄大と、優しい顔で相槌を打つふたり。
ふたりの顔は、雄大への愛はもちろん、自分の伴侶を思い描いた優しさも混じっていた。
「歩いてるときに聞いてたからめっちゃ上目遣いなってて、よう俺の親耐えられんなあって思ったもん。俺は“一生バカにしない”って誓ってるから、一応あんま言及しないようにしてんけどさあ。バカにするわけないのにな」
ラジオか!とツッコみたくなるほど一人語りを早口でしている雄大が満足するまで、ふたりは相槌を半ば適当に打った。
「まあでも、この“親にいろいろ聞く”っていう尊さ?威尊にはなかなか味わえんやつやと思う」
話し終えた雄大の次の標的は、威尊らしい。
「結婚する前から知ってんやもんな」
「はは、まあそうかも」
威尊が幼馴染と結婚したことを知る雄大と匠海は、にやにやと口角を上げた。
「ずっと思っててんけど、この風呂敷?もすごい威尊っぽいもんなあ」
匠海が指さす弁当箱を包む布は、食事中にはランチョンマットと化す。
風呂敷はもっとでかいやつ…と内心で思いながら、威尊も嬉しそうに口を開いた。
「最近さあ、俺より俺のことわかってるんちゃうかなって思うもん」
「え?」
「今日入ってるの見て、俺唐揚げ食べたいなあって思ってたんやなあって気づいた」
「何それ?」
分かっていなさそうなふたりの顔に、逆に嬉しそうになっている威尊。
自分が感情として認識する前にその気持ちを満たしてくれる幸せを、ひとりで噛みしめていた。
「匠海は?」
「ええ?俺?」
雄大が、ずっと聞き手側に回っている匠海をロックオンする。
困り眉のまま、彼は口を開いた。
「ん-、結婚する前にさ、俺めちゃくちゃな看病したことあんのやけど」
「「想像つくわあ」」
「おいっ」
匠海は殴るフリをしてから、話を続ける。
「そんとき俺が切ったネギより、このネギの方がめっちゃ美味いんよなあ。懐かしいなあって思い出してた」
「「……おお」」
「料理がうまいっていうのもあるけど、普通に俺より食材に優しさと愛があんのかなあ」
「ふふ、常に思ってるけどベタ惚れやなあ」
「威尊が言うとブーメランやで。俺もやけど」
「誰が言ってもブーメランかあ」
予想外の角度から降ってきた惚気に戸惑うふたりだったが、その愛に匠海らしさを見出して笑った。
思い出が頭にインプットされるどころか体に染みついているからこそ、どんな些細な事にも奥さんの存在がある。
「さ、午後も頑張るかあ」
「うまかったあ」
「はよやらんと。定時で帰ったんねん」
お腹を幸せで満たして、3人は空になった弁当箱を揺らしながら屋上を後にした。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
折角なので、それぞれの夫婦もこれまでの短編集と繋げてみました。
気づいてたぞ!って方がもしいらしたらあまりにも嬉しすぎるから、ぜひ教えてくださいね♡
たけちー…『The only one, for me』
たくみん…『きみが大事だから』
ゆうだい…『きみのぜんぶがすき』
