2. 優しくて素直な人
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その数週間後、映画の撮影が始まった。
SNS用のカメラを発見して、背筋を伸ばしながら、クランクインの挨拶を終える。
最初に撮影するシーンは、主人公が入部届を持ってダンス部に突撃するところだった。
こうやってストーリーの時系列と異なる順で撮るなんてザラだけど、演技経験が浅いキャスト陣は動揺したんじゃないだろうか。
一緒にポスター撮影をしたみんなと再会して、十数人の共演する方々と挨拶をして、早速リハが始まった。
ダンスの実力者である新入生は即受け入れ、未経験の主人公を突っぱねる部長。と、宥める副部長。
「そもそも未経験者歓迎とか書くな」「きっといい刺激になる」と部長&副部長でプチ喧嘩。
その後に部長に直談判を続ける主人公を見兼ねた副部長が声をかけ、2人でコソ練をするシーンに繋がる場面だった。
「……はい、カットー。うーんとね」
一連の動きを注視した監督が、頭の中を整理するように言葉を紡ぐ。
「音響・カメラは流石です。
星野ちゃん完璧。
部長のキャラも概ねオッケーで、もっと足音大きくしてもいいかも。
経験への自信が強い女の子!って感じの表現も良くて、主人公を無意識に見下す感じがちょい欲しいな」
順番に褒められていく。そうなると、監督が頭を捻る理由は自ずとわかった。
「木村くんの努力はわかるんだけど、だからか“がんばってる”感が抜けないんだよね〜……ちょっと肩の力抜いて周りに慣れてみて。じゃ、休憩して本番行きましょう」
一度解散し、思い思いの過ごし方をする。
私も近付いて来てくれたマネさんと会話するけど、目線は木村さんから離せなかった。
「さすがだねえ。またワクワクしちゃった。今回も役が似合ってる」
いつものようにマネさんが上機嫌で喋るけど、右から左に流れてってる。
むしろ木村さんが心配で、ずっと彼の顔に焦りが滲んでるのをハラハラしながら見つめてた。
「……異性のアイドルさんって休憩時間に話しかけてもいいと思う?」
「ふふ、優しい子だもんね。SNS用のカメラ止めてもらう?」
マネさんにはお見通しだったみたいで、にっこりと微笑んだあとぽんと背中を押してくれた。
でもね、なんか、向かう理由はいつもと違うんだ。
いつもだったら、現場の雰囲気を良くしたいとか、自分の演技との兼ね合いを考えて相談したいとか、そんな理由なんだけど。
今は、ただ彼に辛い顔をさせたくないって気持ちが最初に湧いてきたの。
SNS用のカメラを発見して、背筋を伸ばしながら、クランクインの挨拶を終える。
最初に撮影するシーンは、主人公が入部届を持ってダンス部に突撃するところだった。
こうやってストーリーの時系列と異なる順で撮るなんてザラだけど、演技経験が浅いキャスト陣は動揺したんじゃないだろうか。
一緒にポスター撮影をしたみんなと再会して、十数人の共演する方々と挨拶をして、早速リハが始まった。
ダンスの実力者である新入生は即受け入れ、未経験の主人公を突っぱねる部長。と、宥める副部長。
「そもそも未経験者歓迎とか書くな」「きっといい刺激になる」と部長&副部長でプチ喧嘩。
その後に部長に直談判を続ける主人公を見兼ねた副部長が声をかけ、2人でコソ練をするシーンに繋がる場面だった。
「……はい、カットー。うーんとね」
一連の動きを注視した監督が、頭の中を整理するように言葉を紡ぐ。
「音響・カメラは流石です。
星野ちゃん完璧。
部長のキャラも概ねオッケーで、もっと足音大きくしてもいいかも。
経験への自信が強い女の子!って感じの表現も良くて、主人公を無意識に見下す感じがちょい欲しいな」
順番に褒められていく。そうなると、監督が頭を捻る理由は自ずとわかった。
「木村くんの努力はわかるんだけど、だからか“がんばってる”感が抜けないんだよね〜……ちょっと肩の力抜いて周りに慣れてみて。じゃ、休憩して本番行きましょう」
一度解散し、思い思いの過ごし方をする。
私も近付いて来てくれたマネさんと会話するけど、目線は木村さんから離せなかった。
「さすがだねえ。またワクワクしちゃった。今回も役が似合ってる」
いつものようにマネさんが上機嫌で喋るけど、右から左に流れてってる。
むしろ木村さんが心配で、ずっと彼の顔に焦りが滲んでるのをハラハラしながら見つめてた。
「……異性のアイドルさんって休憩時間に話しかけてもいいと思う?」
「ふふ、優しい子だもんね。SNS用のカメラ止めてもらう?」
マネさんにはお見通しだったみたいで、にっこりと微笑んだあとぽんと背中を押してくれた。
でもね、なんか、向かう理由はいつもと違うんだ。
いつもだったら、現場の雰囲気を良くしたいとか、自分の演技との兼ね合いを考えて相談したいとか、そんな理由なんだけど。
今は、ただ彼に辛い顔をさせたくないって気持ちが最初に湧いてきたの。