湘北
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その好きとこの好きは全然別物なのに。
「楽しかったね!」
「おう。」
帰り道、久し振りのバスケ観戦のおかげで興奮がさめやらぬまま寿と盛り上がる。あの選手のあのプレーはどうだったとか、私はざっくりしか分からないけど、寿の楽しそうな横顔に満足も満足だ。
それにしても!
「あの選手とハイタッチ出来るなんて!最高!好き!」
「テンションたけーな依紗、少し静かにしろよ。」
「これが落ち着いていられるものですか!」
「キャラ迷走させてんじゃねーよ。」
「あいた!」
パンフレットで軽くはたかれる。不器用な愛情表現だなぁ、やれやれ!今の私はちょっとやそっとじゃ怒んないぞ!
「にやにやしやがって。」
「にこにこの間違いでしょ。」
好きな選手とハイタッチした手を掲げ見ながら、あのプレーかっこ良かったね!なんて寿の方を見上げると、不機嫌そうにこちらを見下ろす視線とぶつかった。
「…俺の方がうめーし。」
そう言って、掲げていた私の手を取り、指を絡める。
「この手、俺で上書きしたから。」
そのまま寿のコートのポケットに飲み込まれ、いつもより強い力で握られる。
「…あ、嫉妬だ。」
「わりーかよ。」
「いいえ、光栄です。」
頬を染めてへら、と笑う私に、寿は、ふん、と鼻を鳴らす。やや紅潮してるように見えるんだけど、照れてる?
「でもその好きはそういうんじゃないよ。」
「別なもんかよ。」
「そういうもん?」
「そういうもん。」
そーいうやきもちうっぜえな、ってならないのは、私が寿をとんでもなく好きだからなんだろうな。惚れた弱みってこういうこと?悔しいな、おい。
「なんで寿を好きになっちゃったんだろ。」
「好きにならないわけないだろ。」
「なにその自信。」
「そりゃお前、」
「俺が依紗のこと好きだから。」
理屈抜きのアイラブユー
(ごめん、その理屈はよくわからない。)
(でも好きだからいっか!)