湘北
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格技場裏にいる、新任の教師。
生徒の間では少し有名だ。
若くて美人と来たら、それはもう。
しかし、その後ろ姿から立ち上る煙を見たらそんな評価してる奴らは卒倒するんじゃないか。
「依紗せーんせ。」
「…水戸くんじゃん。」
「喫煙所行かなくていーんすか?」
彼女はうちのクラスの副担任として出入りしている。クラスの連中の顔も名前も覚えていて、普段は清楚な笑顔で接してくれる。
しかしだ。
「なーんでここで吸ってんの。」
「皆さんの期待を裏切らないため〜?」
そう言って煙草を咥えて、資料を眺めている。
「ヤンキーみてえな吸い方すんのな。」
「吸い方に文句言われたくありませーん。」
ふう、と長く煙を吐き出すと、アスファルトでタバコを消し、携帯灰皿に捨てる。
「水戸くんはサボりかな?」
「そうでーす。」
そう言って、タバコを取り出して火がないのに気がつく。
「依紗ちゃんせーんせ、火ください。」
「教師の前で堂々と煙草出した挙句、言うことがそれ?」
依紗先生は階段に座ったまま、ふ、と笑う。
「ガキ、やらねーよ。」
「うわ、言葉きったね。」
「うるさいわね。今は息抜き時間なの。」
俺はその隣に座って、ねえねえ、とつつく。
「今日なんの日か知ってる?」
「え?月末だから忙しいくらいかしらね。」
「トリックオアトリート。お菓子くれなきゃいたずらしちゃうよ?」
そう言って、顔を近づけてみる。
睫毛なげーな。
鼻筋も通ってる。
整ってんな。
そんなことを思っていたら、
急に唇に何か押し当てられた。
「……!」
「バーカ。次は犯られると思いな、ガキ。」
キスされた。
思わず怯んだ。
あまりに予想外すぎて。
一昨日来やがれ、と笑いながら依紗先生は立ち上がって、去ろうとした。
しかし立ち止まって、振り返る。
何かをこちらに放る。
「それ、あげるよ。返さなくていいから。」
ジッポだ。
オシャレなデザインの。
顔を上げると依紗先生の姿はなくて。
俺は、それをただ握りしめた。
欲しいのはそれじゃないけど
(俺が欲しいのは、さ。)
(……待ってろよ。)
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勢いだけで書いてしまった。
未成年の喫煙はダメ絶対。
水戸くんは、吸ってる設定吸ってない設定、
どっちもあるなー。