【南】venez m'aider
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俺は一生、そのことに苛まれて生きていくんやと思っとったし、覚悟もしていた。
会場で会った自分よりいくらか大きい奴が、険しい顔でこちらを見ていた。なんや、俺の顔に穴でもあけるつもりか。着ているジャージを見るに、今日の相手校のようだった。だからか。
「花形ー!」
ハナガタいうんか、大層な名前やな。そいつがその声の方を見て片手を上げる。
「藤真。」
俺はその名前に振り返った。忘れもしない、その端正な顔立ち、負けん気の強い瞳。
いつぞやの、エースやった。
「お疲れ…。」
こちらを見て、少し時間が止まる。しかし直ぐにハナガタに向き直るといくつかやりとりをして去って行った。
気付いたんか気付いとらんのか、なんとなく前者なんやろなとは思う。でも、今更言うことはないっちゅーことなんやろな。つき、と胸が痛んだ。別に、ええ。因果応報や。
「おい。」
エースが戻って来とった。
「今度は、やられねーから。」
不敵な笑みを浮かべ、それだけ言うと踵を返した。俺はその後ろ姿を見詰めた。不思議と胸の痛みは消えていた。赦されたわけでもないのに。
「……っはは、現金なもんや。」
知らず呟いて、反対方向に歩き出す。そろそろ集合やな、急がんと。
先程より軽くなった足取りは、迷わず集合場所へと向かわせた。今日は、なんや絶好調の予感や。
エースとエースキラー
(君に会ったら話したい。呪いが解けたと。)