*【仙道】ハッピーエンドの欠片(高校編)
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「うん、もう大丈夫だね。剣道許可しまーす。」
医師にも洋ちゃん先生にもお墨付きを頂き、いよいよ剣道復帰となった。
いざやっていいと言われても、少しの不安は否めない。
本当に、もう大丈夫なの?
「怖いよね、わかるわかる。なんなら千尋やハルアキと稽古してみたら?」
たしかに。それがいーかな。
「学生さんたちもやり辛いだろうし。そうしなよ。」
「彰は進路どうするの?」
早いもので、もう12月。
もうすぐ3年になる。
進路希望調査もあった。
安定の彰先生は提出し損ねて慌てて書いていたのを覚えている。
「んー取り敢えず進学。具体的には決めてないけど。」
「まーそうだよね。将来やりたいことは?」
「バスケ。」
でしょうね。
「プロ?Bリーグあるし。」
「狭き門だよ。ま、色々あるだろ、やり方なんて。」
たしかにそうだね。
「佐和は?進学は進学だろ?」
「うん。春休みくらいにいくつか大学の練習参加させてもらうつもり。OBOGのいる所だけだけど。」
そう答えると彰は少し驚いていた。
「マジで?かなり本格的じゃん。やっと復帰と思ったらもうそんな話?」
「そうなんだよー。先輩や先生に同じ事言ったら、なに悠長な事言ってるんだ、って怒られた。とにかく早く勘を取り戻さないと。」
「無理すんなよ。」
「うん、ありがとう。」
「っても、結局目先のことでいっぱいいっぱい。」
頭を抱えながら定期考査の結果を眺める。
「わかる。ギリギリで生きるのは嫌だ。」
彰も同様に手元の用紙を眺める。
定期考査の結果はそんなに良くない。
お互いに頭を抱える事案である。
「なんとかしてスポーツ推薦枠取らねーと。」
異議なし。
内申点足りるかなぁ……。
「…で、俺らに聞きに来たわけ。」
「です。どうなんすか実際。」
進路のことで、牧さん、藤真さん、三井さんに話を聞くことにした。話を聞きつけたらしく宮城も居るし、牧さんが神にも声を掛けたらしい。思わぬ大所帯だ。
「俺は深体合格もらってんぞ。スポーツ推薦。今年はアレだったけど去年はインターハイ出たしな。」
藤真さんが頬杖をついて眉間にしわを寄せつつ答えてくれる。今年の大会の成績に不満なのだろう。
「俺はそのまま持ち上がりだ。成績も達していたからな。」
牧さんなら全く問題ないでしょうね。
バスケも勉強も出来るなんて羨ましい。
海南大かぁ。
「俺も、まあ、公募制推薦で一応都内の大学受かった…かな。」
「えっ、三井サン推薦受けさせてもらえたんすか!?評定足りたんすか!?あと素行とか」
「お前マジで黙っとけよ!」
…何があったんだ?
宮城は、俺もそこにするんで問題起こさないで下さいねー、などと言っていた。仲良いなぁ。
「神はどっか考えてんの?」
「俺も海南大かな。行きたい学部もあるし。」
おお、ちゃんと考えてんだ。
「佐和はどこ受けんだよ。」
藤真さんが尋ねてくる。
「具体的には聞いてないんですけど、春休みにいくつか大学の練習に行くらしいです。」
ほう、と牧さんが感心している。
「仙道は佐和ちゃんと同じ大学に行きてーの?」
宮城がそう言うと、三井さんも、どうなんだ、と楽しそうに見てくる。
「そりゃ…それに越したことはないけど、こればっかりはそういう問題じゃないしなぁ。」
藤真さんは、だな、と言う。
「美代ちゃんはどうなの?」
俺が神に尋ねると、神は聞いてないの?と首を傾げる。
「都内の女子大狙ってるよ。取りたい資格を、最短で取るための学科がある国公立は、東京か奈良らしくて。」
「え、なに、神って美代ちゃんと付き合ってんの?」
藤真さんが驚いていた。三井さんと宮城は首を捻っているので、佐和の親友であることを伝える。
「お前ら、彼女に苦労させてんな。」
夏の大会のことだろうか。
まだその時は美代ちゃんと神は微妙なところだったよな。
「写真ねーのかよ。置いてけぼりだわ。」
三井さんがぼやいたので俺が文化祭の浴衣写真を見せる。
「なんだよこれ、佐和も美代ちゃんも雰囲気違うな。仙道、俺にも送れよ。」
「嫌ですよ藤真さん。俺が2人に怒られる。」
「……佐和ちゃんはなんでお前なの。」
「美代ちゃんが神なのはわかるけど。」
チーム湘北はとっても失礼なことを言ってくれる。
「湘北のスタメンなら佐和は三井が好みだっつってたぞ。」
「お、やりぃ。」
「え?そうなんですか!?」
聞いてないなぁ、それ。
嬉しそうな三井さんに少し嫉妬だなー。
脱線したけど、と藤真さんがこちらを見遣る。
「なんにせよ小論文の対策はしとけよ。」
3年生は皆頷いた。
俺と宮城は首を傾げた。
神は特に驚きもなにもないみたいだ。
「とりあえず、活字に慣れとけ。本読むとか。」
げ。