*【仙道】ハッピーエンドの欠片(高校編)
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体育祭も大盛況のうちに終わり、まもなく文化祭の準備に忙しくなる。
「うちのクラスは縁日をやります。」
クラスの文化祭担当者が色々と説明していく。
「衣装は、男子が甚平で女子が浴衣の予定。部活で出し物がある人はそっち優先で大丈夫。」
「女子の浴衣の着付けは佐和たちがやってくれるんだよね?」
「うん、まかせて。」
その言葉に仙道が、お、と顔を上げる。
「佐和って着付け出来んの?」
「うん、おばあちゃんから一通り教えてもらってて、浴衣くらいなら着るのも着せるのも出来るよ。」
夏に由佳ちゃんと由衣に着付けた、と言う表情はどこか誇らしげだ。
「佐和はなんでも出来るなぁ。」
「んなことねーよ。」
「少なくとも俺には出来ないことばっかりだ。」
「お互い様だろ。」
机に頬杖をついて笑う佐和は、まるで。
「…イケメンだなぁ。」
仙道は思ったままを口にする。
「仙道彰に言われても。」
「なんで急にフルネームなんだよ。」
「そこ、いい加減イチャつくのやめてくれる。」
教卓で説明をする生徒の言葉に2人は、ごめん、と告げて口を閉じた。
「男子は甚平用意出来るんだよね?お店に数ある?」
その言葉に衣装担当が口を開く。
「親に確認したんだけど、さすがに仙道サイズはなさそうなんだよね、アンタ浴衣でいい?」
貸衣装屋の娘だというクラスメイトは仙道に尋ねる。
「全然オッケー。でも自分で着れねーよ。」
「佐和がやるから大丈夫。」
それに美代が答える
「私!?男は着付けたことないんだけど…。」
「お兄さんで練習しておきなよ。」
「てゆーか普通に俺で練習したらいいだろ。」
「やだよ、なんか。」
「傷付くなー。」
「着付けの件はそっちに任せるね。」
そう締めると説明を進めていく。
佐和は仙道のシャツを軽くつまむと、ごめん、と謝った。仙道は、冗談だって、と笑った。
「仙道、一応言っとくけど、部活も出し物あるぞ。」
越野が振り返り、そう告げる。
「そうだっけか。」
「去年もあったんだけどお前サボったろ。」
「忘れてたんだよ。」
「余計に悪い。」
「すまん。」
笑いながら話す2人に美代が「なにすんの。」と尋ねる。
「毎年フリースロー勝負やってんだよ。」
「今年はちゃんと行くって。」
「浴衣でやんのかよ。」
「ハンデ。」
「腹立つな。でも確かに丁度いいか。」
客も集まる、と越野は納得して頷いた。
「剣道部は?」
美代が佐和に振る。
「特に何も。そういうのとにかく面倒って人たちばっか。」
「気楽だね。」
「まーね。でも、だから部員少ないのかもなぁ。」
みーんな宣伝する気あんまないんだよな、と佐和が言うと、美代も、そんな感じするね、と頷く。
「その分、楽しめるんだけどね。」