*【仙道】ハッピーエンドの欠片(高校編)
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福田と植草が、越野と仙道の荷物を持ってやって来る。そこには最高に不機嫌の佐和と、悪びれもせず笑う仙道、焦る越野が居た。
「2人とも…荷物…。」
植草が恐る恐る声を掛ける。
「お、サンキュ。悪いな。」
仙道は笑って受け取る。
越野も、ありがとな、と言って受け取った。
「自由解散だから、もう帰って大丈夫…だよ。」
植草がそう言うと、福田を伴って帰ろうとする。
「待て待て、俺も帰る。置いてかないで。」
半ば縋るように越野がそれについて行く。
「…また明日な。」
福田がそう言い残して帰って行った。
「佐和。」
「…。」
「ごめん。悪ふざけが過ぎた。」
佐和は無言のままベンチに座る。
仙道もそれに倣って座った。
無言は続いた。
「高辻、仙道、お疲れ。」
池上と魚住が通る。
2人の様子に、ただ事ではないことを察する。
「仙道が悪い。」
魚住が一刀両断した。
「……はい。」
仙道は神妙な面持ちで頷く。
「高辻、こんな奴だが、お前の事を本当に大切に大事にしてるのを俺たちはよく知っている。」
その言葉に佐和は魚住を見上げる。
「許してやってくれ。こいつの悪ふざけのお陰で皆に笑顔が戻った。…お前と、越野には本当に申し訳ないが。」
魚住が微笑む。
「仙道を頼む。」
その言葉に、池上も、そうだな、と笑う。
「お前には苦労をかけるがな。」
「私は…そんな。」
魚住が佐和の頭をかき混ぜる。
「自分で思っている以上に、仙道に影響を与えているよ。」
「先輩たちに免じて許すけど。」
「ハイ。」
「……私だって、寂しいんだから。」
「!」
「怪我さえなければ抱き締められるのに、って、思ってるし、」
「彰が辛い時に手を伸ばせないなんて…悔しいよ。」
右手がスカートを握りしめる。
しかし、直ぐに離すと、
「帰ろうか。」
そう言って、困ったように笑った。