*【藤真】彼はグリーンのサウスポー
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「ちょっと、ちゃんと援護してよ。」
「うるせえな。」
「あ、ちょ……あー!」
小声で大声、絶賛オンラインゲーム中。
授業中だけどね、あはは!
「藤真くんに唆されました。」
「沢上さんに脅されました。」
「はあ?そんなことするわけないでしょ。」
「あーあーあー、うるさい。」
担任は私たちの携帯を寄越すと、手をひらひらとさせる。
「お前ら頭いいのになんでそんな馬鹿なんだよ。もうすんなよ、帰れ帰れ。」
「うす。申し訳ありませんでした。失礼します。」
「失礼します。」
藤真は急に監督モード入ってるし。なんなの。職員室を出て並んで歩く。試験週間に入り、部活はない。と言っても帰宅部の私には関係ないのだけど。
「藤真はまだ部活やってんの?」
「おう。わりーか。」
「悪くないよ。熱くてよろしい。」
「馬鹿にしてんだろ。」
「まさか、言い掛かりはやめてよ。」
そんなことを話しながら、ふと目に付いた柱を指差す。あまりに不自然な位置にあり、控えめに言って相当邪魔だ。
「この柱ってなんのためにあんの?」
「あ?増築した時の名残だろ。取っちまうと強度に問題があるとか。」
「藤真にしちゃ賢いじゃん。花形?」
ちっ、とか舌打ちしてる。図星かい。それにしても邪魔だよな。廊下のど真ん中じゃん。
「ウレタン?巻いてあるね。」
「ぶつかる奴がいるんだろ。」
「あんたんとこの摩天楼軍団は顔面コンクリ行きだね。高さ足りてないでしょこれ。」
「いいんだよ、ぶつかるような間抜けいねーから。」
「意外と信用してんね。」
「…高野くらいはやるかもな。」
そんなことを話しながら上履きを履き替える。駅までは同じ道のりだ。
「あれ?お祭り?」
駅までの道中で、やけに賑わっているのを見かける。お祭りのようだ。金曜とはいえ、平日の夕方に開催されるのはなかなか珍しい。藤真もそちらを見ている。
「ね、見てみようよ!」
「は?」
「行こうっつってんの!」
半ば引きずるようにして屋台を覗く。あ、と何かを見つける声が重なった。
「射的やろうよ、勝負勝負!」
「お?いい度胸じゃねーか。」
さっきまで渋ってたくせに、やけに乗り気じゃん。
「ちっくしょおぉぉぉぉ…!」
「それみろ。俺の勝ち。」
…景品を持って藤真は笑っていた。チクショー!シュート上手い奴は射的も上手いの?神様は不公平だ!
自販機でジュースを買うと、藤真に手渡す。藤真はにやにやしながら、ごちそーさんと礼を言うが、全然感謝されてる気がしない。
「ほら、これやるから機嫌直せよ。」
景品を全部渡された。ねえ、要らないからこっち寄越したんでしょ。そう言ったら、バレた、なんて言って笑ってた。はは、そうだろうよ!