*【仙道】ハッピーエンドの欠片(高校編)
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「あきらだあ!おはよっす!」
「あきらくんおはよー!」
保育園に行く時は必ず公園の前を通る。仙道は丁度ボールを出して練習を始めようとしていたようで、靴紐を結んで立ち上がり、3人に手を振る。
「おはよう。2人ともいってらっしゃい。」
「ねえ佐和ちゃん、あきらくん帰りもいる?」
「流石にいないよ。今だけ。」
「あきらバスケうまいの?」
「超上手いよ。」
保育園に着くまで話題は仙道。
(本当に好きなんだなぁ、こいつら。)
由衣に至ってはすっかり恋する乙女だ。
(保育園にボーイフレンド3人くらいいなかったか?)
「おつかれ〜。」
フェンス越しに佐和が声を掛ける。
仙道は振り返ってにこ、と笑う。
「佐和もおつかれ。」
佐和は入り口に回りベンチに座ると、続けて続けて、と促す。
それからしばらく仙道は練習を続けていたが、やがてシュートを何本か打ち、息をついた。
「パス出す?」
「少し休憩したらお願いしよっかな。」
水分を摂り、汗を拭きながら佐和の隣に腰掛ける。
「冷えない?」
「今んとこ大丈夫。」
ふー、と息を吐き出して、仙道が佐和の方を見る。
「どこ行く?行きたいとこある?」
「んー…。すぐには思いつかないな、言い出したくせにごめん。」
「全然。じゃあさ、横浜まで出ちゃおうぜ。中華街で昼メシ、どう?」
「賛成!行ったことないから超楽しみ!」
よし、と仙道は立ち上がる。
「シュート練するから、パスちょうだい。」
「これラスト。」
スパッとネットを気持ちよくすり抜けたボールを佐和が拾いに行く。
「おつかれ。」
「佐和こそ、付き合ってくれてありがと。」
「たくさん盗んだから。こちらこそありがと。」
仙道は、げっ、と言って笑った。
「シャワー浴びたいから一度帰っていい?」
「もちろん。」
「……来る?」
「ご冗談を。」
ジャージ姿の佐和は笑うと、私も着替えます、と帰宅の意思を伝える。
「じゃあ、支度終わったら連絡して。俺迎えに行くよ。」
「分かった。」
そう言ってもう一度別れた。
(二度寝すんなよ。)
(こっちの台詞だよー。)