*【仙道】ハッピーエンドの欠片(高校編)
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「クリスマス?部活だな…。」
「俺も。」
彼氏彼女になってから初めてのイベント。
しょっぱいなーと苦笑いをする。
「ねえねえ佐和ちゃん!クリスマス、あきらくんもさそってパーティーしようよー!」
夕飯中に由衣が屈託の無い笑顔で提案する。
「その日も部活だからなー。」
佐和は困ったように笑うと、由樹も乗っかって「あきらよぼーぜ!」と言い始める。
「由樹、由衣、行儀悪い。ちゃんと座れ。」
千尋が注意すると、両親はにこにこと笑いながら「いいんじゃない?誘うだけさそってみたら?」と言う。
「うーーーーん…。」
(どうしてうちの家族はこんなに彰が好きなんだ?)
食器を洗っていると、隣にいた由佳が「上手くいったの?」と小声で聞いてくる。
「へ?」
「彰くんと。」
佐和は、あはは、と笑って頷く。
「由佳ちゃん、何か知ってた…?」
由佳は、さてね、と笑って肩をすくめた。
「えっ、いいの?」
「仙道が嫌じゃないなら…。」
「行く行く。嬉しいなぁ。」
帰り道、佐和がクリスマスの話をすると、仙道は快諾した。佐和は「無理してない?」と、気遣う。
「してないよ。俺、佐和の家族好き。みんな明るくて楽しいよな。」
「ありがと。」
(身内を褒められるの、悪い気しないな。)
「じゃあさ、その前に少しだけ2人で会おうよ。」
「え?」
仙道の提案に佐和は少し驚く。
「嫌?」
「ううん。そんなことないよ。」
寧ろ嬉しいよ、と小さく言うと、仙道はちゃんとそれを拾って「俺も嬉しい。楽しみだなぁ。」と言って繋いだ手を強く握った。
(そういう日に限って、大体練習は長引くんだ。)
合宿かよ、と突っ込みたくなる二部練習。
既に日はとっぷりと暮れている。
(仙道、帰ったかな…。)
部室に戻ると時計は間も無く18時をさそうとしている。
真っ先に携帯を確認すると、仙道からメールが入っていた。
『お疲れ様。終わるまで待ってるよ。慌てなくていいから。』
受信した時間は実に2時間前。
『お疲れ様。ごめん、今終わった。もう帰ったよね?』
急いで着替えていると返信が来た。
『俺もいま体育館出たとこだった。迎えに行ってもいい?』
着替えが終わったところで返信をすると、荷物を引っ掴んで武道場を出た。
「おつかれ。」
「ごめん、遅くなって…。」
「んーん、全然。じゃ、いこーか。」
佐和が、どこに?と見上げて聞いてみたが、仙道は笑うばかりで答えなかった。
(怒られるのは覚悟の上さ。)
(どういうことだよ…。)