*【仙道】ハッピーエンドの欠片(高校卒業編)
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
すごく楽しそうなんだけど、すごく疲れてるよな。
「1軍昇格しました!」
佐和は仙道に会うなりそう言って機嫌よく挙手をした。
「おお!おめでとう!」
「ありがと〜でも女帝が強い!厳しい!かっこいい!最高!」
「テンションたっか。」
仙道がからからと笑うのを見て、佐和は照れ臭そうに頭の後ろをかく。
「ごめん…嬉しくてつい。」
「すげーな、1年で。」
「でも、タメもう1人一緒なんだよ。」
「あ、仲良い子…杉村さん?インターハイでやったことある子。」
「正解!よく覚えてたね。」
「…ギリギリ。」
苦笑いする仙道の背中を叩きながら佐和は尚も笑う。
「でもさ、佐和、なんか疲れた顔してない?」
「疲れたけど、心地よい疲れだよ。」
「明日はバイトある?」
「ううん。部活終わったらまっすぐ帰るよ。彰は?」
「俺も。一緒に飯食いにいこーぜ。」
「あ、いいね!久し振りだ。」
にこにこしながら歩く佐和を見下ろし、仙道は笑みをこぼす。その後も部活のことや授業の話をしていたが、最後は期末の試験の話題になる。
「……勉強、してる?」
「……授業中、起きてる?」
週末の予定は決定した。
「佐和、授業中起きてんの?意外。」
「起きてるよ!…美代いねーし、自分でなんとかしないと。」
仙道の部屋で顔を付き合わせて勉強をする。曰く、実家なら変な気が起きない、とのことで彼の実家で週末を過ごしていた。
「そういう彰だって、割と…。」
「楽しいやつだけな。」
「…納得。」
2人は試験範囲を確認しながら、ああでもないこうでもないと言いつつ内容を浚う。
「お盆はどうするの?」
「私は、ヒロくん一家が由佳ちゃんの実家に来る間はこっちにいるかな。由衣がうちに遊びに来たいって言うし…。そのあと帰省する。彰は?」
「俺はまあ…ここが実家だしなあ。」
「あ、一緒に神奈川いく?遊びにいく?」
「おー、いいなそれ。」
「せいぜい2〜3日ってとこかな。合宿あるし…。」
「十分だよ。楽しみだなぁ。…その後が地獄だけど。」
そう言って教科書を閉じる。
「ま、でもそう思うと試験も乗り切れそうだ。」
「うん!今もかなり捗ったよね。」
「だな、俺らにしてはやるじゃん。」
「やればできる、ってお墨付きだから。」
そう笑う佐和に仙道は口付ける。
「これ以上はしないから。」
「はいはい。」
そう言って、もう一度キスをして笑い合った。
「楽しみだね。」
「そうだな。」
「試験も部活も、頑張ろうね。」
「ああ。」
無事に期末試験をパスし、長い夏休みが始まった。