大阪
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「……南ってさぁ、勉強できるん?」
「出来るんやったらこんなとこおらんやろ。」
図書室で赤本を積み上げて黙々と問題を解くクラスメイトは、顔も上げず、短く答えた。
確かにそうか、と自分も問題集に目を落とす。
かなりスムーズに解けるようになったが、
少しひねられると、かなわん。
あかん、またコイツや。
この手の問題は本当にタチが悪い。
「なあ南、これわかる?」
「あぁ?」
こっちのコイツはガラが悪い。
でも、ガラ悪いけど性根が腐ってるわけじゃないので
怖いとかそういうのではない。
そのせいか女子人気も、男子人気も高い。
男子バスケ部員はちょっとしたスターやしな。
隣に座っていた南は問題をみると、「ああ、」と説明を始める。
その説明について行きながら、ちらとその顔を盗み見る。
意外と可愛い目をしてるな。
けっこ顔整ってるやんけ。
声も心地ええなぁ。
そんなことを考えていたら「おい、徳重」と声を掛けられて我に返る。
「聞いとんか。」
「聞いてませんでした。」
「どアホ。お前に割く時間はない。」
「ごめんごめん、ごめんて!ここまでは分かったんやけど、この先がイマイチわからん。」
眉間にしわを寄せて溜息をついた南は、もう一度説明を始めた。
「……賢い。南賢いな!」
「うるさい。図書室では静かにって習わんかったか。」
「すっきりした!こうもすっきり解けるもんなんか!南は教えるん上手いなぁ。」
「かつぐな。きしょいわ。」
本音なのに、と南の方を見ると、存外近くて驚く。
わ、あかん、コイツ好みの顔やわ、今気づいた!
南の方も少し驚いてて、咳払いをした。
「あんま恥ずかしいこと真顔で言わなや。」
溜息をついて頭をなでられる。
……うわ、落ちたわ。
今ので私は落ちました。
恋に落ちるというのはこんな唐突なものなの!?
「徳重、顔がうるさい。」
「おま、ホンマ失礼やで。」
南は荷物を片付け始める。え、なに、帰るん?
するとこちらを見て「早よ片付けえ。」と催促する。
「お前、うるさいから場所変える。」
来るやろ、と南は肩をかきながら見下ろしてくる。
「お、おお、行く行く。待って。」
なんかデートみたい、と内心喜んでいる私の気持ちを知ってか知らずか、南は少し微笑んだ。
放課後のボーナスタイム
翌日知らない女子たちに囲まれたところで
私の心は折れたりしない。