第三十七話 理由
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高専へと戻ってすぐ、ナマエは医務室へと直行した。初めは血塗れのナマエを見た伊地知が顔を真っ青にして慌てて最寄りの病院に連れて行こうとしたが、出血は止まっているし病院へ寄ると帰りが遅くなると言うナマエに、絶対嫌だと拒否をされた。簡単な消毒と包帯による処置だけして、伊地知は(道路交通法の範囲内で)ぶっ飛ばして帰ってきた。
医務室へと着いて行こうとした恵だったが、ナマエに1人で大丈夫だと断られてしまった。怪我をして心配をかけたことは申し訳なく思っていたナマエだが、俵担ぎは無いだろうとへそを曲げてしまったのだ。
そして伊地知と別れて残された3人。自室へ戻り体を休めようと思った恵だったが。
「なぁなぁ、談話室行ってみようぜ!俺まだ行ったことないんだわ。」
「アンタたちと何を談話するのよ。私は疲れたから早く部屋で休みたいんだけど。」
「同感。」
恵にとって談話室は珍しくもなんとも無い。釘崎に同意して部屋へ戻ろうとした恵に虎杖が待ったをかけた。
「ちょ…待って待って!」
「何だよ。」
「俺たちさ、結局どんな呪いが出たかとか聞いてなくね?ミョウジを怪我させた奴がどんなんだったか伏黒も気になるだろ?」
「それはまぁ…。つーかそれなら帰りの車内で散々時間あっただろ。」
虎杖の言うことはもっともだがそれなら話す時間は充分あったはずだ。
「それは伏黒がミョウジのこと怒らせたせいで帰りずっと機嫌が悪かったからじゃん!途中でミョウジ疲れて寝ちゃったし!そんな状況で聞けるわけないだろ?」
「へぇ、アンタでもそういう気遣いできるのね。」
「釘崎は俺のことをなんだと思ってんの……」
「筋肉鈍感バカ。」
「ひでぇ!」
「……。」
虎杖の言い分がごもっとも過ぎて恵は黙り込んでしまった。今回の呪霊については後でナマエから直接聞こうと思っていた恵だが、これは釘崎から聞いた方が確実かもしれない。ナマエの機嫌が直っていないかもしれないし、何よりも、肝心な部分をごまかしたりしそうだ。ナマエの性格であれば十分考えられる。
「ミョウジの具合も気になるしさ。治療終わるまで待ってようぜ!」
「…釘崎、頼めるか?」
「伏黒まで……ちっ。分かったわよ。その代わり、虎杖。言い出しっぺのアンタが私たちにジュース奢るのよ。」
「え゛?なんで??」
「私は疲れてんの!それなのに付き合ってやるんだからジュース奢るくらい当然でしょ。」
「うわー…横暴…。」
「なんか言った?」
「イエ、ナンデモナイデス。」
それから3人で自販機で飲み物を調達した後、男子寮の方の談話室へと向かった。ナマエにも恵から、治療が終わったら談話室へ来るようにとメッセージを送っておいた。