第三十話 転入
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午前10時過ぎ。仙台から鞄ひとつでやってきた虎杖は、どうにか夜蛾学長との面談をクリアして今は五条により寮の自室へと案内されていた。
「とりあえずここは好きに使っていいから。悠仁の部屋だよ。」
「おー!広い広い!」
祖父と二人暮らしだった虎杖には自分だけの部屋というものがなかった。祖父が入院してからは一人部屋のようなものだったが歴とした自室というのが初めてだったためどうしてもテンションが上がる。窓から外を眺めたりクローゼットを開けたりとせわしない。予め届けてもらっていた段ボール箱からお気に入りのグラビアポスターを取り出していそいそとベッドの傍の壁に貼り付けていると、五条が「でも…」と話しかけてきた。
「別に悠仁が戦う必要なくない?」
「ん?」
「宿儺の指は僕や伏黒たちが取ってくるから君はここで待ってればいいじゃん。」
五条の言葉に壁に視線を向けたまま虎杖は「いい!やるったらやる!!」とキッパリと言い切った。その表情はまるで蒸し返すなとでも言いたげだ。だが、そのあとに少しだけ口角を上げて悪そうな顔で零した言葉に五条もにやりと笑った。
「でもまぁ、グータラしてる俺の所にボロボロの伏黒たちが指届ける絵面はウケるけどな。」
「確かに。」
「あーでも。ミョウジがボロボロになるってのはちょっとかわいそうかな。」
「なんで?あの子だって歴とした呪術師だよ?」
「んー、なんつうか。あいついかにも女の子ってかんじじゃん?力なんかなさそうだし。呪いをぶっ飛ばしてたけど建物の死角になってて直接見たわけじゃないし。」
たしかにナマエはガタイがいいわけでもなく男勝りな性格でもなく、一見すればその辺の女子高生と変わらない。虎杖がナマエに対してそういう第一印象を持つのも頷ける。だが…。
「ナマエは強いよ。肝も座ってる。呪術師うんぬんを除いても今の悠仁よりは強いんじゃないかな。」
「え?そうなん!?」
「ま、そのうち分かるよ。」
どこか得意げに話す五条の言葉に虎杖は素直に驚いた。人は見かけによらないもんだ…と思ったのと同時に、ナマエの強さを見る機会が楽しみだとも思った。
「まっ。君が戦わないなんてことはあり得ないんだけどね。」
「あっ!試したな!」
「そんな簡単に見つかるならとっくに全部見つけてるっちゅー話。」
五条によると虎杖の中の宿儺が自分の力を取り戻すために指の在り処を教えてくれるのだと。頭の中でうるさくしている宿儺がそんな親切なことをしてくれるのかと疑問に思った虎杖だったが、WINWINの関係を築けるだろうとのこと。虎杖はどうも信じられなかったが何もかも知らないことだらけだ。ここは五条のいう事が正しいのかもしれないとぼんやりと思った。
「そういやさ。伏黒とミョウジは?」
「二人なら術師の治療を受けて今はグッスリのはずだよ。でもそろそろ起きるころかな。ちなみに伏黒は君の隣の部屋だよ。行ってみる?」
「おう!」
虎杖の部屋を出たところで隣の部屋の扉が開く音がして、そちらを見るとちょうど部屋の主が出てきたところだった。
「げ。隣かよ。」
「とりあえずここは好きに使っていいから。悠仁の部屋だよ。」
「おー!広い広い!」
祖父と二人暮らしだった虎杖には自分だけの部屋というものがなかった。祖父が入院してからは一人部屋のようなものだったが歴とした自室というのが初めてだったためどうしてもテンションが上がる。窓から外を眺めたりクローゼットを開けたりとせわしない。予め届けてもらっていた段ボール箱からお気に入りのグラビアポスターを取り出していそいそとベッドの傍の壁に貼り付けていると、五条が「でも…」と話しかけてきた。
「別に悠仁が戦う必要なくない?」
「ん?」
「宿儺の指は僕や伏黒たちが取ってくるから君はここで待ってればいいじゃん。」
五条の言葉に壁に視線を向けたまま虎杖は「いい!やるったらやる!!」とキッパリと言い切った。その表情はまるで蒸し返すなとでも言いたげだ。だが、そのあとに少しだけ口角を上げて悪そうな顔で零した言葉に五条もにやりと笑った。
「でもまぁ、グータラしてる俺の所にボロボロの伏黒たちが指届ける絵面はウケるけどな。」
「確かに。」
「あーでも。ミョウジがボロボロになるってのはちょっとかわいそうかな。」
「なんで?あの子だって歴とした呪術師だよ?」
「んー、なんつうか。あいついかにも女の子ってかんじじゃん?力なんかなさそうだし。呪いをぶっ飛ばしてたけど建物の死角になってて直接見たわけじゃないし。」
たしかにナマエはガタイがいいわけでもなく男勝りな性格でもなく、一見すればその辺の女子高生と変わらない。虎杖がナマエに対してそういう第一印象を持つのも頷ける。だが…。
「ナマエは強いよ。肝も座ってる。呪術師うんぬんを除いても今の悠仁よりは強いんじゃないかな。」
「え?そうなん!?」
「ま、そのうち分かるよ。」
どこか得意げに話す五条の言葉に虎杖は素直に驚いた。人は見かけによらないもんだ…と思ったのと同時に、ナマエの強さを見る機会が楽しみだとも思った。
「まっ。君が戦わないなんてことはあり得ないんだけどね。」
「あっ!試したな!」
「そんな簡単に見つかるならとっくに全部見つけてるっちゅー話。」
五条によると虎杖の中の宿儺が自分の力を取り戻すために指の在り処を教えてくれるのだと。頭の中でうるさくしている宿儺がそんな親切なことをしてくれるのかと疑問に思った虎杖だったが、WINWINの関係を築けるだろうとのこと。虎杖はどうも信じられなかったが何もかも知らないことだらけだ。ここは五条のいう事が正しいのかもしれないとぼんやりと思った。
「そういやさ。伏黒とミョウジは?」
「二人なら術師の治療を受けて今はグッスリのはずだよ。でもそろそろ起きるころかな。ちなみに伏黒は君の隣の部屋だよ。行ってみる?」
「おう!」
虎杖の部屋を出たところで隣の部屋の扉が開く音がして、そちらを見るとちょうど部屋の主が出てきたところだった。
「げ。隣かよ。」