第一話 門出
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恵と朝食を共にした後、言われた通りタイツに履き替えるためにナマエは自室へと戻ってきていた。この後は集合場所である講堂で待ち合わせをしている。
(これ、持って行った方がいいかな?でも初日から実践は流石にない…よね?)
ベッドサイドに立て掛けている大きな鉄扇を見てナマエは思案する。ミョウジ家相伝の術式を中途半端にしか受け継がなかったナマエにとって、この鉄扇は無くてはならないとても大事な物だ。愛用の鉄扇を軽々と持ち上げて、その縁を感慨深げになぞった。
その名の通り鉄でできたその呪具はナマエの胸元の高さまであり、最初は重すぎて持ち上げる事すら困難な代物だった。それをここまで使いこなせるようになったのは、幼い頃から自分を可愛がってくれていた五条の指導の賜物であり、呪具に呪いを込めて扱うに当たって厳しい特訓をしてくれたのは、尊敬して止まない七海であった。
(建人くんにも早く直接会って報告したいな。)
やっと。やっとここまで来た。ミョウジ家の次期当主である兄はナマエが呪術師になる事を最後まで反対しており、御三家の一つ、五条家筆頭の悟の協力がなければナマエは高専へ入学することすらできなかっただろう。
自分は周りの人物に恵まれているな、とナマエは思う。
お調子者でいつもふざけてばっかりだけどいざという時に頼りになる、現代最強の術師、五条悟。いつでも冷静で、突き放すようなことをいう時もあるけど本当は心根の優しい人、大人オブ大人の七海建人。
___そして。
小学生の時、呪霊の呪の字も知らなかった自分が初めて呪霊に襲われた所を助けてくれてから、ずっと側に居てくれた幼馴染とも言える、伏黒恵。ナマエに対していつも小言ばかりで、いつも眉を顰めてばっかりだけれど。いつでもナマエの味方でいてくれたし、本当は誰よりも優しいことをナマエは知っている。
(恵。これからは私が恵の力になるよ。)
鉄扇を手に物想いに耽っていると、ポケットのスマホが振動して着信を知らせた。恵だ。
『おい、もう時間過ぎてんぞ。何やってんだ。』
「ごめん!すぐ行く!もしかしてもう悟くん来ちゃってる?」
『いや、来てない。でも今すぐ来たらいいことがある。』
「何それ?」
『さあな。早く来いよ。』
聞き出そうとする前に一方的に電話は切れてしまった。
(いいことって何よ。)
内心文句を言いつつも、恵の言ういいことに少しワクワクしながら急いで準備をして、鉄扇も一応手に持って急ぎ足で講堂へと向かった。
(これ、持って行った方がいいかな?でも初日から実践は流石にない…よね?)
ベッドサイドに立て掛けている大きな鉄扇を見てナマエは思案する。ミョウジ家相伝の術式を中途半端にしか受け継がなかったナマエにとって、この鉄扇は無くてはならないとても大事な物だ。愛用の鉄扇を軽々と持ち上げて、その縁を感慨深げになぞった。
その名の通り鉄でできたその呪具はナマエの胸元の高さまであり、最初は重すぎて持ち上げる事すら困難な代物だった。それをここまで使いこなせるようになったのは、幼い頃から自分を可愛がってくれていた五条の指導の賜物であり、呪具に呪いを込めて扱うに当たって厳しい特訓をしてくれたのは、尊敬して止まない七海であった。
(建人くんにも早く直接会って報告したいな。)
やっと。やっとここまで来た。ミョウジ家の次期当主である兄はナマエが呪術師になる事を最後まで反対しており、御三家の一つ、五条家筆頭の悟の協力がなければナマエは高専へ入学することすらできなかっただろう。
自分は周りの人物に恵まれているな、とナマエは思う。
お調子者でいつもふざけてばっかりだけどいざという時に頼りになる、現代最強の術師、五条悟。いつでも冷静で、突き放すようなことをいう時もあるけど本当は心根の優しい人、大人オブ大人の七海建人。
___そして。
小学生の時、呪霊の呪の字も知らなかった自分が初めて呪霊に襲われた所を助けてくれてから、ずっと側に居てくれた幼馴染とも言える、伏黒恵。ナマエに対していつも小言ばかりで、いつも眉を顰めてばっかりだけれど。いつでもナマエの味方でいてくれたし、本当は誰よりも優しいことをナマエは知っている。
(恵。これからは私が恵の力になるよ。)
鉄扇を手に物想いに耽っていると、ポケットのスマホが振動して着信を知らせた。恵だ。
『おい、もう時間過ぎてんぞ。何やってんだ。』
「ごめん!すぐ行く!もしかしてもう悟くん来ちゃってる?」
『いや、来てない。でも今すぐ来たらいいことがある。』
「何それ?」
『さあな。早く来いよ。』
聞き出そうとする前に一方的に電話は切れてしまった。
(いいことって何よ。)
内心文句を言いつつも、恵の言ういいことに少しワクワクしながら急いで準備をして、鉄扇も一応手に持って急ぎ足で講堂へと向かった。