第八十一話 確信
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それは質問と言うよりも確信していることを確認している様に五条は感じた。最初五条は軽くあしらおうとしたが、それは叶わなかった。
『悟くんさ、高専の端っこに結界張ってそこに虎杖くん隠してるよね。虎杖くんのっていうか両面宿儺の呪力がそこで出たり入ったりしてるの知ってるよ。』
『なんでわかったの?』
下手に嘘をつくのは良策ではないと判断した五条はナマエになぜ分かったのかを聞いて、場合によっては口止めの方向に持っていくことにした。ナマエの話では高専くらいの広さであればどこに誰の呪力があるかが手に取るように分かるようになったとのこと。五条でも高専内の呪力の把握は意識しないと難しい。それをいとも簡単にやってのけたナマエ。兄の呪いが憑いてからというもの、どんどんとその才能を開花させており、現代最強術師の五条でさえも末恐ろしく感じる程だった。
ナマエがもしも万が一、自分たちに敵対することがあれば……きっと呪術界にとっても脅威となるだろう。だからこそ、この少女の心を決して壊してはいけない。上層部のお偉方が必死になるのも仕方のない事だと五条は肩を竦めた。
『確かに悠二は生きてるよ。黙ってたのは、悠二の身を守るためだ。』
『……。』
『このこと、誰かに話した?』
『話してないよ。まずは悟くんに確認しなきゃって思ってたから。』
『そっか、ありがとうナマエ。このまま交流会まではオフレコでお願いしたいかな。』
『そういうと思った。……そしたらさ、ちゃんと黙ってるから代わりに___』
*
「悠二、そのナマエがさ、悠二に話を聞きたがってるんだけどどうする?」
「……え。」
虎杖が動揺を見せたのには、当然理由があった。虎杖は、知っているのだ。____ナマエの兄、翔の最期を___。
先程の通話で五条は、ナマエに保留にしてほしいと伝えた。虎杖がこうなると予想していたから。つまり、虎杖本人から翔の最期について聞かされていた。翔がナマエに憑いたのは、少年院で台風呪霊と戦った直後。___虎杖 と邂逅した時だからだ。虎杖は表に出ることもできず、ただただ傍観するしかなかった。だからこそ、ナマエに対して後ろめたさを抱えているのだ。
「ナマエはさ、薄々勘付いてるんだと思うよ。兄の死と宿儺が関わっていること。だから、知りたがってる。」
「……。」
ナマエの話では、ある日宿儺の呪力に気が付いた時、自分の中の兄の呪いがひどくザワついたのを体で感じたそうだ。だから、何かあると思った。少年院で ナマエが意識を失っている間に宿儺との間に何かあり、何らかの理由で呪いとしてナマエに憑くことになったのだと。
「どうする?悠二。ナマエに会って話す?」
「……でも。」
「僕は悠二から聞いた話でしか知らないけど。翔のことは悠二のせいじゃないよ。」
「っでも!俺が宿儺のコントロールができてれば……!てか俺が宿儺と代わったせいでミョウジの兄ちゃんは!」
「それは結果論だよ。オマエが宿儺と代わったから少年院の特級を退けた。代わらなかったら恵や野薔薇、ナマエだって今頃生きてないかもしれない。」
「っ!」
もしも、を言い出したらキリがない。どう足掻いてもやり直しはきかないのだから。結果を結果として受け入れないといけないのだ。
「ミョウジには……いつか話さないといけないって思ってたよ。恨まれても仕方ないってわかってる。」
「ナマエが勘づいてる以上、先延ばしにすればするほど話しづらくなるんじゃない?」
「そうだけどさ。てか、ミョウジに直接会って大丈夫なんかな。兄ちゃんの呪いが暴走とか……」
翔の呪いが虎杖 と対面したときにどう出るか。あの時の様子を思い返せば嫌な予感しかしない。
「それはもちろん僕も立ち会うからね、大丈夫でしょ。」
「先生ってミョウジの兄ちゃんに嫌われてんじゃないの?弾かれちゃったんでしょ?」
「いや?あれは畏怖とか尊敬の感情の裏返しだから。」
「スーパーポジティブ……。」
「ま、万が一暴走したとしても大丈夫でしょ。僕、最強だから。」
「すんげー自信…。つーか宿儺はミョウジのことなんでか気に入ったポイんだよね。だから余計にすごく嫌な予感がする。」
宿儺が恵とナマエに興味を持った。だから虎杖は本当はこのままずっと二人に会わずに高専を退いて五条に手助けをしてもらいながら残りの指を探していく方がいいのかも、とさえ思っていた。だが、五条は交流会に合わせて自分をみんなの元へ返そうとしている。
宿儺の考えも五条の考えも分からないままだが、五条が言うなら……みんなの元へ帰りたい。仲間の元へ帰りたい。そう思った。
「でも……分かった。俺、ミョウジと話すよ。」
「オッケー、んじゃ近々段取るわ。」
「うっす。」
ナマエと虎杖の再会。吉と出るか凶と出るか。まだ誰にも分からない。
『悟くんさ、高専の端っこに結界張ってそこに虎杖くん隠してるよね。虎杖くんのっていうか両面宿儺の呪力がそこで出たり入ったりしてるの知ってるよ。』
『なんでわかったの?』
下手に嘘をつくのは良策ではないと判断した五条はナマエになぜ分かったのかを聞いて、場合によっては口止めの方向に持っていくことにした。ナマエの話では高専くらいの広さであればどこに誰の呪力があるかが手に取るように分かるようになったとのこと。五条でも高専内の呪力の把握は意識しないと難しい。それをいとも簡単にやってのけたナマエ。兄の呪いが憑いてからというもの、どんどんとその才能を開花させており、現代最強術師の五条でさえも末恐ろしく感じる程だった。
ナマエがもしも万が一、自分たちに敵対することがあれば……きっと呪術界にとっても脅威となるだろう。だからこそ、この少女の心を決して壊してはいけない。上層部のお偉方が必死になるのも仕方のない事だと五条は肩を竦めた。
『確かに悠二は生きてるよ。黙ってたのは、悠二の身を守るためだ。』
『……。』
『このこと、誰かに話した?』
『話してないよ。まずは悟くんに確認しなきゃって思ってたから。』
『そっか、ありがとうナマエ。このまま交流会まではオフレコでお願いしたいかな。』
『そういうと思った。……そしたらさ、ちゃんと黙ってるから代わりに___』
*
「悠二、そのナマエがさ、悠二に話を聞きたがってるんだけどどうする?」
「……え。」
虎杖が動揺を見せたのには、当然理由があった。虎杖は、知っているのだ。____ナマエの兄、翔の最期を___。
先程の通話で五条は、ナマエに保留にしてほしいと伝えた。虎杖がこうなると予想していたから。つまり、虎杖本人から翔の最期について聞かされていた。翔がナマエに憑いたのは、少年院で台風呪霊と戦った直後。___
「ナマエはさ、薄々勘付いてるんだと思うよ。兄の死と宿儺が関わっていること。だから、知りたがってる。」
「……。」
ナマエの話では、ある日宿儺の呪力に気が付いた時、自分の中の兄の呪いがひどくザワついたのを体で感じたそうだ。だから、何かあると思った。
「どうする?悠二。ナマエに会って話す?」
「……でも。」
「僕は悠二から聞いた話でしか知らないけど。翔のことは悠二のせいじゃないよ。」
「っでも!俺が宿儺のコントロールができてれば……!てか俺が宿儺と代わったせいでミョウジの兄ちゃんは!」
「それは結果論だよ。オマエが宿儺と代わったから少年院の特級を退けた。代わらなかったら恵や野薔薇、ナマエだって今頃生きてないかもしれない。」
「っ!」
もしも、を言い出したらキリがない。どう足掻いてもやり直しはきかないのだから。結果を結果として受け入れないといけないのだ。
「ミョウジには……いつか話さないといけないって思ってたよ。恨まれても仕方ないってわかってる。」
「ナマエが勘づいてる以上、先延ばしにすればするほど話しづらくなるんじゃない?」
「そうだけどさ。てか、ミョウジに直接会って大丈夫なんかな。兄ちゃんの呪いが暴走とか……」
翔の呪いが
「それはもちろん僕も立ち会うからね、大丈夫でしょ。」
「先生ってミョウジの兄ちゃんに嫌われてんじゃないの?弾かれちゃったんでしょ?」
「いや?あれは畏怖とか尊敬の感情の裏返しだから。」
「スーパーポジティブ……。」
「ま、万が一暴走したとしても大丈夫でしょ。僕、最強だから。」
「すんげー自信…。つーか宿儺はミョウジのことなんでか気に入ったポイんだよね。だから余計にすごく嫌な予感がする。」
宿儺が恵とナマエに興味を持った。だから虎杖は本当はこのままずっと二人に会わずに高専を退いて五条に手助けをしてもらいながら残りの指を探していく方がいいのかも、とさえ思っていた。だが、五条は交流会に合わせて自分をみんなの元へ返そうとしている。
宿儺の考えも五条の考えも分からないままだが、五条が言うなら……みんなの元へ帰りたい。仲間の元へ帰りたい。そう思った。
「でも……分かった。俺、ミョウジと話すよ。」
「オッケー、んじゃ近々段取るわ。」
「うっす。」
ナマエと虎杖の再会。吉と出るか凶と出るか。まだ誰にも分からない。
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