第46話 天罰
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また一週間が始まった。ここ最近の俺にとって、平日は苦痛でしかない。
それもこれも、あの馬面野郎のせいだ。聞くところによると、あんなんでも一部の女子社員に密かに人気があるらしい。ただ背が高くてガタイがいいだけだろうが。
俺の方がスタイルも顔もいいのに。
ナマエのパートナーだか何だか知らねぇが、毎回俺の営業の仕方にネチネチ文句をつけてきやがる。商談を成立させてんだからなんでもいいだろうが。営業部全体の数字管理を任されてるってだけで偉そうに。シガンシナの頃なら、俺がどんなやり方をしても誰も文句を言わなかった。少し強く言ってやれば課長ですら俺に何も言えなかったのだ。
それが、あいつはどうだ。どんなに強い言葉で言っても睨みを利かせても全く動じずそれどころか論破さえしてくる。ただの平社員の癖に。鬱陶しい事この上ない。
まぁ、それもあと少しの辛抱だ。係長にさえなってしまえば俺があいつの上司になる。あの馬面の好きにはさせない。
現に順調にナマエの評判も落ちている。思惑通り。営業実績だって、馬よりもナマエよりも俺の方が上だ。もう決まったようなもんだろう。
「あ!アシュロフさんだぁ。おはようございまぁす。」
「おぅ。イーゼルか。」
「アシュロフさぁん。最近うちに来なくなったってパパが寂しがってましたよぉ。」
「あぁ、最近少し忙しくてな。また今度顔を出すって伝えといてくれ。」
こいつの親父はシガンシナ支部の常務だ。将来の為にとこいつに近づいておいて良かった。おかげで今では俺は常務のお気に入りだ。最近では娘を俺に、とさえ言ってくるが。それは流石に御免だな。
常務の娘っていう肩書がなけりゃ少し顔がいいだけの、頭が悪そうな話し方しかできねぇ女なんか気にかけたりしねぇよ。
それに、週末は俺は忙しいんだ。先週も合コンとエリーの店とで予定が立て込んでいた。
それにしても、先週の合コンは粒ぞろいだった。本社の秘書課はレベルが高いってのは本当だったな。
誰を持ち帰ってもよかったが、今回も慎重なのか恥ずかしがり屋ばかりだったのか。きっと俺の端正な顔を真っすぐ見れなかったんだろう。どの女も恥じらいながら顔を逸らし遠慮していた。
クソ寒い街路樹を抜けてやっと会社のロビーに着いた。シガンシナは南方だったのでこんなに寒くなかった。誰だ、こんな所に俺を異動させやがったやつは。ロビーに着くまでずっとイーゼルが話しかけてきていたが、先週の合コンの事を考えていたので生返事で返していた。
エレベータの前まで行くと、少し女子社員たちがざわついたのが分かった。
俺の登場にこっそり歓声を上げているんだろう。
「(あの人だよ。ーーで、ーーなんだって。)」
「(え?それホントなの?うわぁ…だっさ。)」
何を言っているのかは聞き取れなかったが、どうせ俺の魅力にやっと気付いた女子たちが騒いでいるんだろうな。俺は気分よくオフィスへと向かった。
「ねぇ、アシュロフさぁん。なんかしたんですかぁ?ここに来るまでの間に女子たちが『ださい』とか『キモい』とかめっちゃ言ってましたよぉ?一緒に歩くの恥ずかしいくらいだったぁ。」
「はぁ!?」
なんだそれ。何がどうなってそうなった。
オフィスに着いてからも周りの視線がおかしい。いつもなら挨拶してくる奴らもなぜかよそよそしい。
その中の一人を捕まえて談話室まで引っ張っていき問い詰めた。
「おい。お前何か知ってるんだろ?全部話せ。」
「いや…でも。聞かない方が…」
「いいから話せよ!」
「ひぃっ!分かりましたよ…。聞いたあと文句言わないで下さいよ。言えって言ったのあなたなんですから…」
-嘘だ。そんなはずはない。どこから漏れた。
…秘書課か!いや待て。ナマエの噂の件はともかく。店に通っていることは秘書課の女どもは知らねぇ。じゃあどこだ。
…まさか。あの時か!
俺はすぐにナマエとジャンの席へ向かった。俺よりも早く来ていたらしいこいつらはコーヒーを片手に和やかに談笑していた。勝手なことをしておいて何を呑気に…
「おい!お前ら!よくもやってくれたな!」
「おはようございます、アシュロフさん。朝からどうしたんですか?」
「お前らだろうが!俺の変な噂流したのは!」
「はい?何の事ですか?」
ジャンはいつものあの飄々とした表情で。ナマエに至ってはマジできょとんだ。
くっそ!いい性格してやがる!
「いけしゃあしゃあと…お前ら以外に誰がいるってんだ!」
「朝からうるせぇ。何を騒いでんだ。」
「リヴァイ…!こいつらが!俺のあることないことをベラベラとしゃべりやがったんだよ!」
「あぁ、朝からいろんなとこで聞くやつか。魔術師がなんとかってやつだろ?」
「…っ!」
「なぁ、ジャンよ。お前がやったのか?」
「まさか。そんな噂流しても俺にはメリットないし、興味もないですし。子供じゃねぇんだから。それに、趣味嗜好なんて人それぞれでしょ?それがどんな内容であれ、わざわざ言いまわったりしませんよ。」
「(ぶっ!)」
誰かが噴き出したのが聞こえて振り向いたが全員目を逸らすので誰だかわからねぇ。くそっ。
「だろうな。なぁ、ペトラ。お前どこで聞いたって言ってた?」
「私は秘書課ですね。人事部で聞いたって子もいましたけど…」
「…だとよ。ケール。こいつらが何かしたって言う証拠はあんのか?」
くっ…。悔しいが今はこちらの分が悪い。体勢を立てなおした方が良さそうだ。
「おはようございます!あ、アシュロフさん!ちょうどよかった!聞きたいことがあったんですよ!」
「…なんだよ。」
今の状況を何も知らないエレンが、相変わらずの空気の読めなさで話しかけてきた。だが、今は好都合だ。エレンを使ってなんとか理由をつけてここから立ち去るんだ。
「素人童貞ってどういう意味ですか?これって、アシュロフさんの事ですよね!誰に聞いても教えてくれないんですよ!」
「「「………。」」」
な…!?なんってことを…しかも大声で。
何の悪気もない、曇り一つない眼差しで言いやがった。
これはジャンも知らねぇはずだ。誰だ。誰が一体…
「…ぷっ」
「(おいバカ!笑うなよ!聞こえるだろ!)」
だめだ。限界だ。終わった…。もう理由なんか、どうでもいい。
「…今日は一日外回りしてくる。」
とりあえず。逃げた。
それもこれも、あの馬面野郎のせいだ。聞くところによると、あんなんでも一部の女子社員に密かに人気があるらしい。ただ背が高くてガタイがいいだけだろうが。
俺の方がスタイルも顔もいいのに。
ナマエのパートナーだか何だか知らねぇが、毎回俺の営業の仕方にネチネチ文句をつけてきやがる。商談を成立させてんだからなんでもいいだろうが。営業部全体の数字管理を任されてるってだけで偉そうに。シガンシナの頃なら、俺がどんなやり方をしても誰も文句を言わなかった。少し強く言ってやれば課長ですら俺に何も言えなかったのだ。
それが、あいつはどうだ。どんなに強い言葉で言っても睨みを利かせても全く動じずそれどころか論破さえしてくる。ただの平社員の癖に。鬱陶しい事この上ない。
まぁ、それもあと少しの辛抱だ。係長にさえなってしまえば俺があいつの上司になる。あの馬面の好きにはさせない。
現に順調にナマエの評判も落ちている。思惑通り。営業実績だって、馬よりもナマエよりも俺の方が上だ。もう決まったようなもんだろう。
「あ!アシュロフさんだぁ。おはようございまぁす。」
「おぅ。イーゼルか。」
「アシュロフさぁん。最近うちに来なくなったってパパが寂しがってましたよぉ。」
「あぁ、最近少し忙しくてな。また今度顔を出すって伝えといてくれ。」
こいつの親父はシガンシナ支部の常務だ。将来の為にとこいつに近づいておいて良かった。おかげで今では俺は常務のお気に入りだ。最近では娘を俺に、とさえ言ってくるが。それは流石に御免だな。
常務の娘っていう肩書がなけりゃ少し顔がいいだけの、頭が悪そうな話し方しかできねぇ女なんか気にかけたりしねぇよ。
それに、週末は俺は忙しいんだ。先週も合コンとエリーの店とで予定が立て込んでいた。
それにしても、先週の合コンは粒ぞろいだった。本社の秘書課はレベルが高いってのは本当だったな。
誰を持ち帰ってもよかったが、今回も慎重なのか恥ずかしがり屋ばかりだったのか。きっと俺の端正な顔を真っすぐ見れなかったんだろう。どの女も恥じらいながら顔を逸らし遠慮していた。
クソ寒い街路樹を抜けてやっと会社のロビーに着いた。シガンシナは南方だったのでこんなに寒くなかった。誰だ、こんな所に俺を異動させやがったやつは。ロビーに着くまでずっとイーゼルが話しかけてきていたが、先週の合コンの事を考えていたので生返事で返していた。
エレベータの前まで行くと、少し女子社員たちがざわついたのが分かった。
俺の登場にこっそり歓声を上げているんだろう。
「(あの人だよ。ーーで、ーーなんだって。)」
「(え?それホントなの?うわぁ…だっさ。)」
何を言っているのかは聞き取れなかったが、どうせ俺の魅力にやっと気付いた女子たちが騒いでいるんだろうな。俺は気分よくオフィスへと向かった。
「ねぇ、アシュロフさぁん。なんかしたんですかぁ?ここに来るまでの間に女子たちが『ださい』とか『キモい』とかめっちゃ言ってましたよぉ?一緒に歩くの恥ずかしいくらいだったぁ。」
「はぁ!?」
なんだそれ。何がどうなってそうなった。
オフィスに着いてからも周りの視線がおかしい。いつもなら挨拶してくる奴らもなぜかよそよそしい。
その中の一人を捕まえて談話室まで引っ張っていき問い詰めた。
「おい。お前何か知ってるんだろ?全部話せ。」
「いや…でも。聞かない方が…」
「いいから話せよ!」
「ひぃっ!分かりましたよ…。聞いたあと文句言わないで下さいよ。言えって言ったのあなたなんですから…」
-嘘だ。そんなはずはない。どこから漏れた。
…秘書課か!いや待て。ナマエの噂の件はともかく。店に通っていることは秘書課の女どもは知らねぇ。じゃあどこだ。
…まさか。あの時か!
俺はすぐにナマエとジャンの席へ向かった。俺よりも早く来ていたらしいこいつらはコーヒーを片手に和やかに談笑していた。勝手なことをしておいて何を呑気に…
「おい!お前ら!よくもやってくれたな!」
「おはようございます、アシュロフさん。朝からどうしたんですか?」
「お前らだろうが!俺の変な噂流したのは!」
「はい?何の事ですか?」
ジャンはいつものあの飄々とした表情で。ナマエに至ってはマジできょとんだ。
くっそ!いい性格してやがる!
「いけしゃあしゃあと…お前ら以外に誰がいるってんだ!」
「朝からうるせぇ。何を騒いでんだ。」
「リヴァイ…!こいつらが!俺のあることないことをベラベラとしゃべりやがったんだよ!」
「あぁ、朝からいろんなとこで聞くやつか。魔術師がなんとかってやつだろ?」
「…っ!」
「なぁ、ジャンよ。お前がやったのか?」
「まさか。そんな噂流しても俺にはメリットないし、興味もないですし。子供じゃねぇんだから。それに、趣味嗜好なんて人それぞれでしょ?それがどんな内容であれ、わざわざ言いまわったりしませんよ。」
「(ぶっ!)」
誰かが噴き出したのが聞こえて振り向いたが全員目を逸らすので誰だかわからねぇ。くそっ。
「だろうな。なぁ、ペトラ。お前どこで聞いたって言ってた?」
「私は秘書課ですね。人事部で聞いたって子もいましたけど…」
「…だとよ。ケール。こいつらが何かしたって言う証拠はあんのか?」
くっ…。悔しいが今はこちらの分が悪い。体勢を立てなおした方が良さそうだ。
「おはようございます!あ、アシュロフさん!ちょうどよかった!聞きたいことがあったんですよ!」
「…なんだよ。」
今の状況を何も知らないエレンが、相変わらずの空気の読めなさで話しかけてきた。だが、今は好都合だ。エレンを使ってなんとか理由をつけてここから立ち去るんだ。
「素人童貞ってどういう意味ですか?これって、アシュロフさんの事ですよね!誰に聞いても教えてくれないんですよ!」
「「「………。」」」
な…!?なんってことを…しかも大声で。
何の悪気もない、曇り一つない眼差しで言いやがった。
これはジャンも知らねぇはずだ。誰だ。誰が一体…
「…ぷっ」
「(おいバカ!笑うなよ!聞こえるだろ!)」
だめだ。限界だ。終わった…。もう理由なんか、どうでもいい。
「…今日は一日外回りしてくる。」
とりあえず。逃げた。