第44話 SWEETS PARADISE
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うめき声をあげるエレンを放置してナマエさんの方をまじまじと見ると、今日は私服ということもありいつもと雰囲気が違う。いつもカッチリという印象の彼女だが、今日は髪をおろして緩く巻かれていて、タートルネックのダボッとしたニットワンピースといういで立ちだ。メイクもいつもより華やかに施しているようにも見える。
可愛い。私服可愛い。いつもより少し幼くというか若くも見えるナマエさんに見惚れていたら、横からミカサの腕がにょきっと出てきた。
「ナマエさん、早くそれ貸して。今にも落ちそう。」
「わ、ありがとう!」
そう言ってナマエさんが両手で持っていたそのトレイを、片手だけでひょいと取り上げた。
どんな腕力だ。そして男前かよ。
「ナマエさん、はじめまして。僕は人事部のアルミン・アルレルトと言います。ジャンとは同僚で、エレンやミカサとは幼馴染でもあるんです。お会いできて嬉しいです!」
おい、アルミン。お前昨日はミョウジさんって言ってなかったか?いきなり名前呼びかよ。
「こちらこそはじめまして。ナマエ・ミョウジです。アルミンくんの事はミカサちゃんから聞いてたよ。すごく頭のいい幼馴染ってあなたのことだよね?アルミンくんが人事部に配属されたときに当時のうちの部長が、凄いやつが入ったって言ってたの。」
「そんな…僕なんて。でもナマエさんにそんな風に言われると照れるけど嬉しいなぁ。」
おい、アルミン(二度目)。キャラが違ぇ。誰だお前。
それよりもだ。ナマエさんが、アルミンの事をアルミンと言った。間違いなく言った。俺の事はいつまでたってもキルシュタインくんなのに。初対面でなぜだ、納得がいかない。
「そうだ!せっかく会えたんだし、お邪魔でなけでばご一緒してもいいですか?」
「私は大歓迎だよ!ミカサちゃんは?」
「ナマエさんがいいなら私は構わない。」
「良かったぁ!じゃあお言葉に甘えますね。ほら、ジャン!ぼーっとしてないで僕たちも取りにいこうよ!」
いってらっしゃいというナマエさんの声を背にケーキが並ぶブースへと向かった。
「アルミン。」
「だからおしゃれしたほうがって言ったでしょ?ジャンの恰好いつもとあまり変わらないけど、ナマエさんとお揃いみたいになって良かったね!」
「…なんか話があるんじゃなかったのか?」
「あるよ。でもエレンから今日の話を聞いて、ジャンを驚かせようと思いついたんだ。だから、話についてはこの後も時間もらってもいかな?」
「分かったよ。」
アルミンはニコニコしながらトレイにケーキを乗せていく。ナマエさんほどではないにしても結構な量だ。女子か。
俺は元々そんなに得意ではないので、あっさりしてそうなレモンのムースとフルーツジュレだけ乗せて二人で席に戻った。
広めのテーブル席に移動して、ソファ側にナマエさんミカサエレン、椅子側にアルミンと俺が腰かけた。
「キルシュタインくんそれだけ?せっかく食べ放題なのに!」
「昨日飲みすぎてちょっと二日酔いなんすよ。」
「いろんな味を楽しむのが食べ放題のいいところなのに。」
「じゃあナマエさんのを一口だけ貰えればいいですよ。いつもみたいに。そしたら俺も楽しめますから。」
意味ありげに微笑むと、あ…うん。とナマエさんが少し頬を染めて照れくさそうにしていた。それを満足げに見ていると、ミカサがすかさず反応を示した。
心なしか表情が険しい。
「いつも…?ナマエさんいつもそんなことをしているの?」
「気をつけろよ、ジャン。ミカサはナマエさん大好きだからな。下手なことするとお前消されるぞ。昔はアニとミカサとでナマエさんを取り合って大変だったから。」
アニとミカサの争い。それ、暴力沙汰じゃねぇだろうな。想像しただけで恐ろしい。
ミカサに詰められたナマエさんはあわあわと弁解をした。
「ミカサちゃん!誤解だよ!誰にでもするわけじゃないから!」
誰にでも…。脳内で「キルシュタインくんにしかしないから!」に自動変換される。俺は冷静を装いつつも口元の緩みが隠し切れず、隣のアルミンにこっそり「気持ち悪い顔になってるよ。」と突っ込まれた。それも気にならないほどに右肩上がりだった俺のテンションはその後のナマエさんの言葉を聞いた途端に一気に地に落ちてしまった。
「食べ物の分けっこするのはキルシュタインくんとリヴァイだけだよ!」
「………」
「ぶふっ…!」
堪えきれず噴き出したアルミンを睨む。リヴァイ課長の名前を聞いたミカサは更に表情を険しくした。
「クソチビにもそんなことをしているの?ナマエさん、それはだめ。絶対ダメ。」
「えええ。何でそんなにリヴァイを目の敵にするの…」
「あいつはエレンに対する態度がなっていない。それに………いや、なんでもない。」
ミカサは何かを言いかけたが俺の方をチラリと見てからやめた。にしても、親戚なのによっぽど嫌いなんだな。そういえば電話番号変えたことも課長には内緒にしてたって言ってたな。親戚なのに。
「何だよミカサ、あれだろ?ナマエさんとリヴァイ課長が時々同じシャンプーの匂いさせてんのが気に入らないんだよな?」
「………は?」
「エレン…。」
「(ハァ。)」
エレンは今何と言ったのか。なんだかものすごく聞いてはきけない内容だった気がする。それをものすごーくサラッと言われた気がする。
同じシャンプー。しかも時々。
…いや、大丈夫。俺は。何も聞こえていない。何も知らない。
「エレン。アイスが溶けてる。早く食べた方がいい。そしてもう何もしゃべらない方がいい。一生。」
「はぁ?なんでだよ。」
「わぁ!ジャンのレモンのムース、すごくおいしそうだね!僕も後でとってこようかな~。」
ミカサやアルミンの気遣いを感じるが心配は無用だ。大丈夫、聞いてなかったことにしたから。俺は何も聞いていない。そう自分に言い聞かせた。
というかこの時点でミカサにも俺の気持ちがなぜかバレているようだ。どうせエレンが話したんだろうな。
ナマエさんはフォークでケーキを掬ったまま固まっている。
「ナマエさん、そのイチゴのやつ、うまそうっすね。一口もらってもいいですか?」
「あ…うん!どうぞ!」
ハッとしたあとにケーキの皿をこちらに寄せてきたが、そちらを取らずにナマエさんの右腕を掴みそのままフォークに刺さっている方のケーキをいただいた。
「甘っ。でもさすがナマエさんチョイスですね。うまいっす。ごちそうさま。」
目を丸くしてぽかんとしているナマエさんを見て満足した俺はそう言って笑顔を見せる。テンパったのかまた少し顔を赤くして「こちらこそ!」とよくわからない返事をされた。…やっぱり可愛い。
「おいジャン!何やってんだよ!そんな…かかか間接キ…ムゴッ!」
「エレン、私もあなたに食べさせてあげる。ほら、もっと口を開けて。」
飲み込む暇なくどんどん口の中にケーキを詰め込まれていくエレンを見て、少しだけスッとした。
ざまあみろ。
可愛い。私服可愛い。いつもより少し幼くというか若くも見えるナマエさんに見惚れていたら、横からミカサの腕がにょきっと出てきた。
「ナマエさん、早くそれ貸して。今にも落ちそう。」
「わ、ありがとう!」
そう言ってナマエさんが両手で持っていたそのトレイを、片手だけでひょいと取り上げた。
どんな腕力だ。そして男前かよ。
「ナマエさん、はじめまして。僕は人事部のアルミン・アルレルトと言います。ジャンとは同僚で、エレンやミカサとは幼馴染でもあるんです。お会いできて嬉しいです!」
おい、アルミン。お前昨日はミョウジさんって言ってなかったか?いきなり名前呼びかよ。
「こちらこそはじめまして。ナマエ・ミョウジです。アルミンくんの事はミカサちゃんから聞いてたよ。すごく頭のいい幼馴染ってあなたのことだよね?アルミンくんが人事部に配属されたときに当時のうちの部長が、凄いやつが入ったって言ってたの。」
「そんな…僕なんて。でもナマエさんにそんな風に言われると照れるけど嬉しいなぁ。」
おい、アルミン(二度目)。キャラが違ぇ。誰だお前。
それよりもだ。ナマエさんが、アルミンの事をアルミンと言った。間違いなく言った。俺の事はいつまでたってもキルシュタインくんなのに。初対面でなぜだ、納得がいかない。
「そうだ!せっかく会えたんだし、お邪魔でなけでばご一緒してもいいですか?」
「私は大歓迎だよ!ミカサちゃんは?」
「ナマエさんがいいなら私は構わない。」
「良かったぁ!じゃあお言葉に甘えますね。ほら、ジャン!ぼーっとしてないで僕たちも取りにいこうよ!」
いってらっしゃいというナマエさんの声を背にケーキが並ぶブースへと向かった。
「アルミン。」
「だからおしゃれしたほうがって言ったでしょ?ジャンの恰好いつもとあまり変わらないけど、ナマエさんとお揃いみたいになって良かったね!」
「…なんか話があるんじゃなかったのか?」
「あるよ。でもエレンから今日の話を聞いて、ジャンを驚かせようと思いついたんだ。だから、話についてはこの後も時間もらってもいかな?」
「分かったよ。」
アルミンはニコニコしながらトレイにケーキを乗せていく。ナマエさんほどではないにしても結構な量だ。女子か。
俺は元々そんなに得意ではないので、あっさりしてそうなレモンのムースとフルーツジュレだけ乗せて二人で席に戻った。
広めのテーブル席に移動して、ソファ側にナマエさんミカサエレン、椅子側にアルミンと俺が腰かけた。
「キルシュタインくんそれだけ?せっかく食べ放題なのに!」
「昨日飲みすぎてちょっと二日酔いなんすよ。」
「いろんな味を楽しむのが食べ放題のいいところなのに。」
「じゃあナマエさんのを一口だけ貰えればいいですよ。いつもみたいに。そしたら俺も楽しめますから。」
意味ありげに微笑むと、あ…うん。とナマエさんが少し頬を染めて照れくさそうにしていた。それを満足げに見ていると、ミカサがすかさず反応を示した。
心なしか表情が険しい。
「いつも…?ナマエさんいつもそんなことをしているの?」
「気をつけろよ、ジャン。ミカサはナマエさん大好きだからな。下手なことするとお前消されるぞ。昔はアニとミカサとでナマエさんを取り合って大変だったから。」
アニとミカサの争い。それ、暴力沙汰じゃねぇだろうな。想像しただけで恐ろしい。
ミカサに詰められたナマエさんはあわあわと弁解をした。
「ミカサちゃん!誤解だよ!誰にでもするわけじゃないから!」
誰にでも…。脳内で「キルシュタインくんにしかしないから!」に自動変換される。俺は冷静を装いつつも口元の緩みが隠し切れず、隣のアルミンにこっそり「気持ち悪い顔になってるよ。」と突っ込まれた。それも気にならないほどに右肩上がりだった俺のテンションはその後のナマエさんの言葉を聞いた途端に一気に地に落ちてしまった。
「食べ物の分けっこするのはキルシュタインくんとリヴァイだけだよ!」
「………」
「ぶふっ…!」
堪えきれず噴き出したアルミンを睨む。リヴァイ課長の名前を聞いたミカサは更に表情を険しくした。
「クソチビにもそんなことをしているの?ナマエさん、それはだめ。絶対ダメ。」
「えええ。何でそんなにリヴァイを目の敵にするの…」
「あいつはエレンに対する態度がなっていない。それに………いや、なんでもない。」
ミカサは何かを言いかけたが俺の方をチラリと見てからやめた。にしても、親戚なのによっぽど嫌いなんだな。そういえば電話番号変えたことも課長には内緒にしてたって言ってたな。親戚なのに。
「何だよミカサ、あれだろ?ナマエさんとリヴァイ課長が時々同じシャンプーの匂いさせてんのが気に入らないんだよな?」
「………は?」
「エレン…。」
「(ハァ。)」
エレンは今何と言ったのか。なんだかものすごく聞いてはきけない内容だった気がする。それをものすごーくサラッと言われた気がする。
同じシャンプー。しかも時々。
…いや、大丈夫。俺は。何も聞こえていない。何も知らない。
「エレン。アイスが溶けてる。早く食べた方がいい。そしてもう何もしゃべらない方がいい。一生。」
「はぁ?なんでだよ。」
「わぁ!ジャンのレモンのムース、すごくおいしそうだね!僕も後でとってこようかな~。」
ミカサやアルミンの気遣いを感じるが心配は無用だ。大丈夫、聞いてなかったことにしたから。俺は何も聞いていない。そう自分に言い聞かせた。
というかこの時点でミカサにも俺の気持ちがなぜかバレているようだ。どうせエレンが話したんだろうな。
ナマエさんはフォークでケーキを掬ったまま固まっている。
「ナマエさん、そのイチゴのやつ、うまそうっすね。一口もらってもいいですか?」
「あ…うん!どうぞ!」
ハッとしたあとにケーキの皿をこちらに寄せてきたが、そちらを取らずにナマエさんの右腕を掴みそのままフォークに刺さっている方のケーキをいただいた。
「甘っ。でもさすがナマエさんチョイスですね。うまいっす。ごちそうさま。」
目を丸くしてぽかんとしているナマエさんを見て満足した俺はそう言って笑顔を見せる。テンパったのかまた少し顔を赤くして「こちらこそ!」とよくわからない返事をされた。…やっぱり可愛い。
「おいジャン!何やってんだよ!そんな…かかか間接キ…ムゴッ!」
「エレン、私もあなたに食べさせてあげる。ほら、もっと口を開けて。」
飲み込む暇なくどんどん口の中にケーキを詰め込まれていくエレンを見て、少しだけスッとした。
ざまあみろ。