第44話 SWEETS PARADISE
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ヴーーーッ ヴーーーッ ヴーーーッ
-うるせぇ…
んだよ、誰だ。休みの日くらいゆっくり寝させてくれ…
ヴーーーッ ヴーーーッ ヴーーーッ
「うるせぇ!!さっさと出ろよ!お前のスマホが鳴ってんだよ!!」
「!!!……え?」
ガバっと体を起こすと、鬼の剣幕のファーランさんに俺のスマホが突きつけられる。
なんでファーランさんが居るんだ?
「ぼーっとしてんじゃねぇよ!電話だっつってんだろ!」
なんで、俺は…ここは…ファーランさんの店…?
そうか、昨日あれから寝落ちしたのか。
つーか体が痛ぇ。頭も痛ぇ。
回らない頭で昨夜のことを思い出しながら、誰からかも見ずに鳴り止まないスマホの通話ボタンをタップした。
「…はい。」
『あ、出た!おはようジャン!ゆうべはお疲れ様、今ちょっといいかな?』
「アルミン…どした。」
いいかなも何も。あの鳴らし方は出るまでやめねぇやつだろ。外の光が入らないこの店では今が何時なのかが分からない。チラリと壁の時計を見てギョッとした。
まだ7時かよ…
『あのね、本当は昨日話そうと思ってたんだけどタイミングがなくて。でもジャンは知っておいた方がいい話だから早い方がいいかなって。電話で話す内容でもないからさ、今日会えないかな?』
「…いいけど。でも俺まだファーランさんの店に居んだよ。帰ってシャワーも浴びてぇし。」
『え?そうなの?まさか朝まで飲んでたの?』
「いや、寝落ちしてた。」
『そっか。僕も午前中は予定があるから、15時くらいはどうかな?』
「分かった。」
『良かったぁ!じゃあ、待ち合わせ場所はメッセージで送るから、後で見てね!あ、来る時おしゃれしといた方がいいよ!』
「は?何でだよ。」
『いいからいいから!じゃあまた後でね!』
そう言って一方的に切られてしまった。朝から元気だな。じいさんか。つーか解散したの3時だぞ。ついさっきじゃねぇか。
ぼーっと通話の終わったスマホを眺めていたら、ファーランさんが水の入ったコップを持ってきてくれた。優しい。
「…うま。これ、レモン水すか?」
「飲んだ次の日にはこれが1番だよ。」
確かに。これはありがたい。お礼を言おうと思ったが。
「つーかお前、電話でもあんな感じなんだな。あんなそっけなかったら友達減るぞ。」
…やっぱりやめた。
「それより、すんません。昨日先に寝落ちしちまってたみたいで。」
「あー、俺も似たようなもんだ。気にすんな。」
昨夜、解散してみんなが帰った後、宣言通り後片付けを手伝わされた。
その後自分も帰ろうとすると、飲み足りないと言うので付き合うことにして、散々飲みまくった後に知らぬ間に落ちていた。数時間前の事なのに何の話をしていたかさえ思い出せない。
「ジャンがどれだけナマエの事が大好きなのかそれはそれはよく分かったしな。楽しかったよ。」
…何を言ったんだ。数時間前の俺は。
「んな顔すんなって。ま、リヴァイには黙っててやるよ。お前の命があぶねぇ。」
「助かります…」
「あー…腰が痛ぇ。変な体勢で寝てたわ。」
あ"ーーーと言いながら体を伸ばしている。
激しく同意。俺も全身バキバキだ。
「…帰りましょうか。」
「だな。」
ファーランさんが戸締りするのを待って地下にあるこの店から地上に出る。ビルの間からこぼれ出る朝日に思わず目を細めた。どうやら今日は天気は良さそうだ。
休日の早朝ということもあり人通りはほとんどない。
回収される前のゴミ捨て場でカラスが朝食を求めて少し騒いでいるくらいだ。
「「さっむ。」」
吸い込んだ外気は肺を凍り付かせる勢いの冷たさで、二人して身を縮こませた。
「じゃあ、また。」
「あぁ。またな。」
さすがに二人とも眠いせいか言葉数少なく解散となった。
その後眠い目をこすりながらもなんとか自宅に辿り着き、着替えもそこそこにベッドに身を沈めた。
-このまま一日寝て過ごしたい。
アルミン、また今度にしてくれねぇかな。でもなんか大事な話っぽいしな。
眠気とアルミンとの約束どっちを取るかの葛藤をしながらも気づけば意識を飛ばしていて、そして次に意識が浮上した時には約束の二時間前だった。
シャワーを浴びていくらかスッキリしたものの、明らかに二日酔いだ。思わずこめかみに手を押し当てる。それでも約束だからと、とりあえず着替えてアルミンに指示された場所へと向かった。なにやらおしゃれをしろだの何だの言っていたが意味が分からないので、タートルネックのニットにパンツスタイルという、所謂無難な恰好でダウンジャケットを羽織って外に出た。
地図アプリに従って目的地に着き店の看板を目にした俺は。とりあえずその看板を二度見した。
【SWEETS PARADISE】
ここは、あれだ。最近新装開店されたとナマエさんが騒いでいた店だ。ふざけた店名の割に手の込んだ本格スイーツが楽しめて、さらにリーズナブルな価格で食べ放題らしい。
フランスで修業を積んで帰ってきたパティシエがイケメンらしいとペトラさんが胸をときめかせて、それを見たオルオさんが余計なことを言った上にやっぱり噛むというお約束をかましていたのを思い出した。
いや、今はオルオさんの事はどうでもいい。
なんでまたこんな所に…。
「ジャーン!こっち!」
唖然としていると少し離れた所からアルミンが声をかけてきた。
「アルミン、ここに入るのか?男二人で?」
ガラス張りの店内を外から見る限りでもほぼ女性客しかいないと思われる。
「たまにはいいでしょ?甘いものが食べたい気分だったんだ!」
「アルミンお前、甘いもん好きだったか?」
「まぁまぁ、とにかく入ろうよ!」
何が何だか分からないままアルミンにぐいぐいと背中を押されて、女だらけのこの店に足を踏み入れた。
店に入った瞬間甘い匂いに包まれて思わず眉を顰める。二日酔いの脳には正直キツい。
チョコレートをイメージしているであろう店内は茶色がベースで思ったより落ち着いていて、そこだけは幸いだった。
店に入って受付を済ませた途端にアルミンはキョロキョロと何かを探し始めたようだ。何してんだ。
そして目的の物を見つけたのか、ある一方に足を向けた。
「エレン!ミカサ!わぁ、偶然だね!」
「アルミン、どうしてここに?」
「偶然って…昨日ここに来るんだって話し…モゴっ!」
「ずっとここに来たいと思っててさ、今日はジャンに付き合ってもらって一緒に来たんだよ。」
「モガ!(おい!)ムゴゴゴ!(アルミン!)」
アルミンが向かったその場所に居たのはまさかのエレンとミカサで。エレンの方はなぜかアルミンに羽交い絞めにされて口を塞がれている。こんな所で何をじゃれてんだこいつらは。
「ジャン。久しぶり。」
「あぁ、お前ら二人も来てたんだな。」
「いや、私たちは…」
「お待たせーー!見て見てミカサちゃん!ほら!おいしそうなのがいっぱいだよ!」
会いたすぎて聞こえた幻聴かと思った。振り向くとそこには、色とりどりのスイーツたちを乗せたトレイを持つ、ナマエさんが居た。
トレイの上はどうやって乗せたんだと思うくらいに絶妙なバランスでスイーツが積み上げられていて、少しでもつつけば総崩れ間違いないだろうという状態だった。
流石です。ナマエさん。
「あれ?キルシュタインくん!なんでここに居るの?」
「それは…。」
そのままアルミンの方を見ると…
それはそれは言葉にできないほどの悪い笑顔で、エレンを締め上げていた。
「ん˝ん˝ん˝ー!(はなせー!)」
-うるせぇ…
んだよ、誰だ。休みの日くらいゆっくり寝させてくれ…
ヴーーーッ ヴーーーッ ヴーーーッ
「うるせぇ!!さっさと出ろよ!お前のスマホが鳴ってんだよ!!」
「!!!……え?」
ガバっと体を起こすと、鬼の剣幕のファーランさんに俺のスマホが突きつけられる。
なんでファーランさんが居るんだ?
「ぼーっとしてんじゃねぇよ!電話だっつってんだろ!」
なんで、俺は…ここは…ファーランさんの店…?
そうか、昨日あれから寝落ちしたのか。
つーか体が痛ぇ。頭も痛ぇ。
回らない頭で昨夜のことを思い出しながら、誰からかも見ずに鳴り止まないスマホの通話ボタンをタップした。
「…はい。」
『あ、出た!おはようジャン!ゆうべはお疲れ様、今ちょっといいかな?』
「アルミン…どした。」
いいかなも何も。あの鳴らし方は出るまでやめねぇやつだろ。外の光が入らないこの店では今が何時なのかが分からない。チラリと壁の時計を見てギョッとした。
まだ7時かよ…
『あのね、本当は昨日話そうと思ってたんだけどタイミングがなくて。でもジャンは知っておいた方がいい話だから早い方がいいかなって。電話で話す内容でもないからさ、今日会えないかな?』
「…いいけど。でも俺まだファーランさんの店に居んだよ。帰ってシャワーも浴びてぇし。」
『え?そうなの?まさか朝まで飲んでたの?』
「いや、寝落ちしてた。」
『そっか。僕も午前中は予定があるから、15時くらいはどうかな?』
「分かった。」
『良かったぁ!じゃあ、待ち合わせ場所はメッセージで送るから、後で見てね!あ、来る時おしゃれしといた方がいいよ!』
「は?何でだよ。」
『いいからいいから!じゃあまた後でね!』
そう言って一方的に切られてしまった。朝から元気だな。じいさんか。つーか解散したの3時だぞ。ついさっきじゃねぇか。
ぼーっと通話の終わったスマホを眺めていたら、ファーランさんが水の入ったコップを持ってきてくれた。優しい。
「…うま。これ、レモン水すか?」
「飲んだ次の日にはこれが1番だよ。」
確かに。これはありがたい。お礼を言おうと思ったが。
「つーかお前、電話でもあんな感じなんだな。あんなそっけなかったら友達減るぞ。」
…やっぱりやめた。
「それより、すんません。昨日先に寝落ちしちまってたみたいで。」
「あー、俺も似たようなもんだ。気にすんな。」
昨夜、解散してみんなが帰った後、宣言通り後片付けを手伝わされた。
その後自分も帰ろうとすると、飲み足りないと言うので付き合うことにして、散々飲みまくった後に知らぬ間に落ちていた。数時間前の事なのに何の話をしていたかさえ思い出せない。
「ジャンがどれだけナマエの事が大好きなのかそれはそれはよく分かったしな。楽しかったよ。」
…何を言ったんだ。数時間前の俺は。
「んな顔すんなって。ま、リヴァイには黙っててやるよ。お前の命があぶねぇ。」
「助かります…」
「あー…腰が痛ぇ。変な体勢で寝てたわ。」
あ"ーーーと言いながら体を伸ばしている。
激しく同意。俺も全身バキバキだ。
「…帰りましょうか。」
「だな。」
ファーランさんが戸締りするのを待って地下にあるこの店から地上に出る。ビルの間からこぼれ出る朝日に思わず目を細めた。どうやら今日は天気は良さそうだ。
休日の早朝ということもあり人通りはほとんどない。
回収される前のゴミ捨て場でカラスが朝食を求めて少し騒いでいるくらいだ。
「「さっむ。」」
吸い込んだ外気は肺を凍り付かせる勢いの冷たさで、二人して身を縮こませた。
「じゃあ、また。」
「あぁ。またな。」
さすがに二人とも眠いせいか言葉数少なく解散となった。
その後眠い目をこすりながらもなんとか自宅に辿り着き、着替えもそこそこにベッドに身を沈めた。
-このまま一日寝て過ごしたい。
アルミン、また今度にしてくれねぇかな。でもなんか大事な話っぽいしな。
眠気とアルミンとの約束どっちを取るかの葛藤をしながらも気づけば意識を飛ばしていて、そして次に意識が浮上した時には約束の二時間前だった。
シャワーを浴びていくらかスッキリしたものの、明らかに二日酔いだ。思わずこめかみに手を押し当てる。それでも約束だからと、とりあえず着替えてアルミンに指示された場所へと向かった。なにやらおしゃれをしろだの何だの言っていたが意味が分からないので、タートルネックのニットにパンツスタイルという、所謂無難な恰好でダウンジャケットを羽織って外に出た。
地図アプリに従って目的地に着き店の看板を目にした俺は。とりあえずその看板を二度見した。
【SWEETS PARADISE】
ここは、あれだ。最近新装開店されたとナマエさんが騒いでいた店だ。ふざけた店名の割に手の込んだ本格スイーツが楽しめて、さらにリーズナブルな価格で食べ放題らしい。
フランスで修業を積んで帰ってきたパティシエがイケメンらしいとペトラさんが胸をときめかせて、それを見たオルオさんが余計なことを言った上にやっぱり噛むというお約束をかましていたのを思い出した。
いや、今はオルオさんの事はどうでもいい。
なんでまたこんな所に…。
「ジャーン!こっち!」
唖然としていると少し離れた所からアルミンが声をかけてきた。
「アルミン、ここに入るのか?男二人で?」
ガラス張りの店内を外から見る限りでもほぼ女性客しかいないと思われる。
「たまにはいいでしょ?甘いものが食べたい気分だったんだ!」
「アルミンお前、甘いもん好きだったか?」
「まぁまぁ、とにかく入ろうよ!」
何が何だか分からないままアルミンにぐいぐいと背中を押されて、女だらけのこの店に足を踏み入れた。
店に入った瞬間甘い匂いに包まれて思わず眉を顰める。二日酔いの脳には正直キツい。
チョコレートをイメージしているであろう店内は茶色がベースで思ったより落ち着いていて、そこだけは幸いだった。
店に入って受付を済ませた途端にアルミンはキョロキョロと何かを探し始めたようだ。何してんだ。
そして目的の物を見つけたのか、ある一方に足を向けた。
「エレン!ミカサ!わぁ、偶然だね!」
「アルミン、どうしてここに?」
「偶然って…昨日ここに来るんだって話し…モゴっ!」
「ずっとここに来たいと思っててさ、今日はジャンに付き合ってもらって一緒に来たんだよ。」
「モガ!(おい!)ムゴゴゴ!(アルミン!)」
アルミンが向かったその場所に居たのはまさかのエレンとミカサで。エレンの方はなぜかアルミンに羽交い絞めにされて口を塞がれている。こんな所で何をじゃれてんだこいつらは。
「ジャン。久しぶり。」
「あぁ、お前ら二人も来てたんだな。」
「いや、私たちは…」
「お待たせーー!見て見てミカサちゃん!ほら!おいしそうなのがいっぱいだよ!」
会いたすぎて聞こえた幻聴かと思った。振り向くとそこには、色とりどりのスイーツたちを乗せたトレイを持つ、ナマエさんが居た。
トレイの上はどうやって乗せたんだと思うくらいに絶妙なバランスでスイーツが積み上げられていて、少しでもつつけば総崩れ間違いないだろうという状態だった。
流石です。ナマエさん。
「あれ?キルシュタインくん!なんでここに居るの?」
「それは…。」
そのままアルミンの方を見ると…
それはそれは言葉にできないほどの悪い笑顔で、エレンを締め上げていた。
「ん˝ん˝ん˝ー!(はなせー!)」