第24話 安堵
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「ごめん。あんたに、頼むって言われてたのに。」
家へと送る車中で、ずっと黙りこくっていたアニが、やっと言葉を発した。
「お前のせいじゃねぇし、誰のせいでもねぇよ。悪ぃのはクソ野郎一人だ。」
「でも、私が気を抜かなきゃナマエが殴られることはなかった。」
事の詳細は大体聞いた。こいつが伸したと思っていたクソヤロウが起き上がり、後ろからバットを振りかざし、先に気付いたナマエが間に入ってアニを庇った。ナマエならそうするだろうと、俺でもわかる。
「あまり気にするな。ナマエが起きた時、庇ったことを責めてやるなよ。」
「…わかってるよ。」
それからまた沈黙が続いたが。あと少しでアニの自宅に着くという時、再びアニが口を開いた。
「ねぇ。ジャンだけどさ。あいつ、ナマエに惚れてるの?」
「何故そう思う?」
俺自身も、もしかしてとは思っていたが。あの短い時間でそう感じたアニの意見を聞いておきたかった。
「なんでだろうね。」
言わねぇのかよ。
「でも、あんな風に取り乱すっていうか、考えなしに誰かを責めたりするのって珍しいから、かな。」
「…そうか。」
普段冷静で飄々としてる分余計にね、と付け足した。アニは人の感情や機微に敏感なやつだ。こいつの考察はあながち間違ってはいないんだろう。
「アンタも大変だね。今も昔もライバルが多いみたいで。」
「うるせぇよ。ほら、着いたぞ。」
家の前でハザードをつけて車を止めた。
「明日、というかもう今日だな。聴取、一人で行けるか?なんなら付き合うが。」
「相変わらずの子供扱いだね。一人で行くよ。アンタはナマエに付いててあげな。」
送らせて悪かったね、そう言ってアニは車を降りていった。相変わらず可愛げのねぇやつだ。
ナイルに連絡するため、近所のコンビニに車を止めてスマホを操作して発信した。…が。出ねぇ。
時刻は2時を過ぎている。仕方がない時間だといえばそうなんだが、起きろよ。
日が昇ってから掛け直すか。諦めて、ナマエの家の方向へとハンドルを切った。
家の鍵を開け部屋に入った瞬間、いつものナマエの香りがした。ナマエの部屋に入るのは随分久しぶりだったが、家具の配置などは特に変わっておらず安心した。模様替えされていたら物の場所が分からず困るところだった。前に来たときよりも少し散らかっている。これは起きたら一言言ってやらねぇとな。
いくつかの着替えと、化粧品が入っているらしいボックス、あとでナマエは怒るだろうがいくつかの下着も鞄に詰め込み、部屋を出た。
ナマエは目を覚ましただろうか。これから戻ることを連絡するついでに聞いてみるか。女と一緒に居たであろうジャンを呼び出す事は多少申し訳ないと思ったが、あいつが来てくれて助かった。ちなみに、ジャンに掛ける前にハンジに連絡したが見事に捕まらなかった。どこで何やってんだか。イラつきを思い出しながらジャンに発信する。…が。
『お掛けになった電話は、電波の…』
…お前もか。電源を切ってやがるのか充電が切れたのか…。仕方がないのでそのまま病院に戻ることにした。
ナマエが居る病室があるフロアに着いたとき、夜勤の看護師が声を掛けてきた。
「あっ!ミョウジさん、先程目を覚まされましたよ!意識もハッキリされてますし、脈も安定しています。ひとまず今日はゆっくりとお休みになるようお伝えしました。」
良かった。これで先ずは一安心だ。看護師に礼を言って病室へと急いだ。
「ナマエ!」
病室に飛び込んで最初に目に入ったのは、ベッドの縁にうつ伏せで眠ってしまっている馬と、ベッドを起こした状態でその馬の頭を撫でてやっているナマエの姿だった。
「しーーー。起きちゃうから。…あの、リヴァイ…。心配掛けてごめんね。」
人差し指を口に当てて俺を制したあと、眉を下げて小さな声で謝った。
「…体は平気か?」
「うん、ちょっと頭はズキズキするけど、平気だよ。アニちゃんは?どこも怪我してない?」
やはり人の心配ばかりか。分かっていた事だが、それでもため息が漏れる。
「あいつは傷一つついてねぇよ。さっき家まで送ってきた所だ。午前中に事情聴取を受けてからこっちに顔を出すと言ってた。」
「そっか。迷惑かけちゃったな…。」
「それより、こいつはいつから寝てるんだ?医師や看護師もさっき来てたんだろう?その後か?」
ナマエに質問すると困ったような顔でその時の様子を話した。
「目が覚めたとき、既にこの状態だったよ。私も起きたときは何がなんだか分からなかったんだけど、だんだん思い出してきて。それでナースコール鳴らしてお医者さんたちに来てもらったんだけど、起こさないであげてくださいってお願いしたの。」
ナマエの診察でバタバタしてる間も起きなかったのか?その体勢でよく熟睡できるもんだ。俺なら無理だな。
「そうか。午前中にここにも警察が聴取に来ると思うが…平気か?」
「うん、あったこと、全部話すよ。大丈夫。」
「わかった。とりあえず、お前も休め。馬はどうする?起こすか?」
「姿勢はしんどそうだけどよく眠ってるから、本人が自然に起きるまではこのままでもいいかな?」
「お前がいいなら放っておく。俺は家族用の仮眠室を借りて少し寝る。」
そう言ってから、ナマエに近づく。
そのまま腕を引っ張って自分の腕の中に閉じ込めた。大きく深呼吸をして、ナマエの匂いを近くで感じることで、やっと心から安心することができた。
「リヴァイ?」
「無事で…良かった。お前に何かあれば…俺は…。」
そこまで言ったところで、ナマエが背中に腕を回して力を込めてきた。
「ごめんね。ちょっと痛かったけど、全然平気。昔みたいな事にはならな…んんっ!」
最後まで聞きたくなくて、口を塞いだ。
「ぷはっ、ちょっ、と!ここ病い…んぅっ」
上唇と下唇をそれぞれ啄むように味わった後、そのまま舌を割り込ませる。
「んんっ……はぁっ……ちょっ……だめ…っ!」
ここが病院だという環境と横に馬がいるという状況が俺をより興奮させた。ナマエの吐息とくちゅくちゅという唾液の混ざり会う音だけが病室に響く。
今だけは馬を呼び出した事を後悔した。幸い個室だ。例えばここで今致したとしてもバレねぇはずだ。邪な事を考えながらナマエの唇を堪能していると、息が苦しくなったのか、ナマエが俺の胸をドンドンと叩いたことで、ようやく離してやる。
「はぁっ…キルシュタインくんが起きたら…どうするの。」
「そんときゃそん時だ。」
「嘘でしょ。…信じらんない。」
真っ赤になって怒るナマエに苦笑しながらも、額に一つ唇を落として、
「続きは家に帰れてからだな。おやすみ。」
病室を出た。
家へと送る車中で、ずっと黙りこくっていたアニが、やっと言葉を発した。
「お前のせいじゃねぇし、誰のせいでもねぇよ。悪ぃのはクソ野郎一人だ。」
「でも、私が気を抜かなきゃナマエが殴られることはなかった。」
事の詳細は大体聞いた。こいつが伸したと思っていたクソヤロウが起き上がり、後ろからバットを振りかざし、先に気付いたナマエが間に入ってアニを庇った。ナマエならそうするだろうと、俺でもわかる。
「あまり気にするな。ナマエが起きた時、庇ったことを責めてやるなよ。」
「…わかってるよ。」
それからまた沈黙が続いたが。あと少しでアニの自宅に着くという時、再びアニが口を開いた。
「ねぇ。ジャンだけどさ。あいつ、ナマエに惚れてるの?」
「何故そう思う?」
俺自身も、もしかしてとは思っていたが。あの短い時間でそう感じたアニの意見を聞いておきたかった。
「なんでだろうね。」
言わねぇのかよ。
「でも、あんな風に取り乱すっていうか、考えなしに誰かを責めたりするのって珍しいから、かな。」
「…そうか。」
普段冷静で飄々としてる分余計にね、と付け足した。アニは人の感情や機微に敏感なやつだ。こいつの考察はあながち間違ってはいないんだろう。
「アンタも大変だね。今も昔もライバルが多いみたいで。」
「うるせぇよ。ほら、着いたぞ。」
家の前でハザードをつけて車を止めた。
「明日、というかもう今日だな。聴取、一人で行けるか?なんなら付き合うが。」
「相変わらずの子供扱いだね。一人で行くよ。アンタはナマエに付いててあげな。」
送らせて悪かったね、そう言ってアニは車を降りていった。相変わらず可愛げのねぇやつだ。
ナイルに連絡するため、近所のコンビニに車を止めてスマホを操作して発信した。…が。出ねぇ。
時刻は2時を過ぎている。仕方がない時間だといえばそうなんだが、起きろよ。
日が昇ってから掛け直すか。諦めて、ナマエの家の方向へとハンドルを切った。
家の鍵を開け部屋に入った瞬間、いつものナマエの香りがした。ナマエの部屋に入るのは随分久しぶりだったが、家具の配置などは特に変わっておらず安心した。模様替えされていたら物の場所が分からず困るところだった。前に来たときよりも少し散らかっている。これは起きたら一言言ってやらねぇとな。
いくつかの着替えと、化粧品が入っているらしいボックス、あとでナマエは怒るだろうがいくつかの下着も鞄に詰め込み、部屋を出た。
ナマエは目を覚ましただろうか。これから戻ることを連絡するついでに聞いてみるか。女と一緒に居たであろうジャンを呼び出す事は多少申し訳ないと思ったが、あいつが来てくれて助かった。ちなみに、ジャンに掛ける前にハンジに連絡したが見事に捕まらなかった。どこで何やってんだか。イラつきを思い出しながらジャンに発信する。…が。
『お掛けになった電話は、電波の…』
…お前もか。電源を切ってやがるのか充電が切れたのか…。仕方がないのでそのまま病院に戻ることにした。
ナマエが居る病室があるフロアに着いたとき、夜勤の看護師が声を掛けてきた。
「あっ!ミョウジさん、先程目を覚まされましたよ!意識もハッキリされてますし、脈も安定しています。ひとまず今日はゆっくりとお休みになるようお伝えしました。」
良かった。これで先ずは一安心だ。看護師に礼を言って病室へと急いだ。
「ナマエ!」
病室に飛び込んで最初に目に入ったのは、ベッドの縁にうつ伏せで眠ってしまっている馬と、ベッドを起こした状態でその馬の頭を撫でてやっているナマエの姿だった。
「しーーー。起きちゃうから。…あの、リヴァイ…。心配掛けてごめんね。」
人差し指を口に当てて俺を制したあと、眉を下げて小さな声で謝った。
「…体は平気か?」
「うん、ちょっと頭はズキズキするけど、平気だよ。アニちゃんは?どこも怪我してない?」
やはり人の心配ばかりか。分かっていた事だが、それでもため息が漏れる。
「あいつは傷一つついてねぇよ。さっき家まで送ってきた所だ。午前中に事情聴取を受けてからこっちに顔を出すと言ってた。」
「そっか。迷惑かけちゃったな…。」
「それより、こいつはいつから寝てるんだ?医師や看護師もさっき来てたんだろう?その後か?」
ナマエに質問すると困ったような顔でその時の様子を話した。
「目が覚めたとき、既にこの状態だったよ。私も起きたときは何がなんだか分からなかったんだけど、だんだん思い出してきて。それでナースコール鳴らしてお医者さんたちに来てもらったんだけど、起こさないであげてくださいってお願いしたの。」
ナマエの診察でバタバタしてる間も起きなかったのか?その体勢でよく熟睡できるもんだ。俺なら無理だな。
「そうか。午前中にここにも警察が聴取に来ると思うが…平気か?」
「うん、あったこと、全部話すよ。大丈夫。」
「わかった。とりあえず、お前も休め。馬はどうする?起こすか?」
「姿勢はしんどそうだけどよく眠ってるから、本人が自然に起きるまではこのままでもいいかな?」
「お前がいいなら放っておく。俺は家族用の仮眠室を借りて少し寝る。」
そう言ってから、ナマエに近づく。
そのまま腕を引っ張って自分の腕の中に閉じ込めた。大きく深呼吸をして、ナマエの匂いを近くで感じることで、やっと心から安心することができた。
「リヴァイ?」
「無事で…良かった。お前に何かあれば…俺は…。」
そこまで言ったところで、ナマエが背中に腕を回して力を込めてきた。
「ごめんね。ちょっと痛かったけど、全然平気。昔みたいな事にはならな…んんっ!」
最後まで聞きたくなくて、口を塞いだ。
「ぷはっ、ちょっ、と!ここ病い…んぅっ」
上唇と下唇をそれぞれ啄むように味わった後、そのまま舌を割り込ませる。
「んんっ……はぁっ……ちょっ……だめ…っ!」
ここが病院だという環境と横に馬がいるという状況が俺をより興奮させた。ナマエの吐息とくちゅくちゅという唾液の混ざり会う音だけが病室に響く。
今だけは馬を呼び出した事を後悔した。幸い個室だ。例えばここで今致したとしてもバレねぇはずだ。邪な事を考えながらナマエの唇を堪能していると、息が苦しくなったのか、ナマエが俺の胸をドンドンと叩いたことで、ようやく離してやる。
「はぁっ…キルシュタインくんが起きたら…どうするの。」
「そんときゃそん時だ。」
「嘘でしょ。…信じらんない。」
真っ赤になって怒るナマエに苦笑しながらも、額に一つ唇を落として、
「続きは家に帰れてからだな。おやすみ。」
病室を出た。