第21話 一触即発
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初めて会ったのは確か小学生の時。ジムに隣接している自宅の庭でいつものように簀巻きにした竹に蹴りを入れていることろへ声を掛けてきたのが隣に越してきたナマエだった。
最初はずっと無視をし続けていたが毎日毎日飽きもせずに声を掛けてくるものだから流石にこちらが折れてしまった。
『なんで毎日話しかけてくんの。』
『わ!初めて声が聞けた!お友達になりたいなぁって思ってたんだよ。私はナマエって言います。あなたのお名前は?』
『…アニ。』
『アニちゃんね!私と、お友達になってくれる?』
学校でもこの性格のせいで孤立していたし、ずっと格闘術の訓練しかしてなかった私に、ナマエは初めてできた友達だった。
性格は分かりやすいくらい正反対で。ナマエは、なんで私に構いたがるのか不思議なくらい明るいやつだった。でも何故か嫌な気分にはならない変なやつだ。
お互い大人になって、住む場所が変わっても私たちの関係は変わることはなく、こうやって時々一緒に酒を飲むほどには親しくしている。
「なんで先に飲んでんの。」
「あははー。我慢できなくて先に頼んじゃった!」
相変わらずの酒好き。どれだけ飲んでも顔色一つ変わらないナマエに付き合ううちに自然と私も酒に強くなったくらいだ。人柄的には乾杯もなしに先に始めるようなタイプではないのだろう。それが私には心を許してくれているような気がして怒る気にならない。
一年くらい会ってなかったからか、話すのはお互いの近況や変化。そこでさっきのクソチビの話を思い出した。
「クソチビが言ってたけど、変な奴に付きまとわれてんだって?」
「ぶっ…!クソチビって、リヴァイのこと?」
「ほら、拭きな。…ミカサがそう呼んでる。」
汚いな、そう言いながら紙ナプキンを渡してやる。さっきのクソチビは、ナマエが高校に上がった頃から一緒に居るところをよく見かけるようになった。
『アンタ…誰?ナマエのカレシ?』
『お前こそ誰だ、クソガキ。』
『ちょっと二人とも!いきなりどうしたの!』
ナマエの隣にいつもいたこいつが最初から何かと気に食わなかった。幼心にナマエを取られたような気がしたのかもしれない。大人にも負けたことが無かった私の格闘術もこいつには全く通用しないものだから余計に腹が立ったのを今でも覚えている。
うちのジムに通っていたミカサとは親戚だと聞いて妙に納得した。あそこの家系はどうなってるんだと思ったのも懐かしい思い出だ。
「で、どうなの?心当たりとかあるの?」
「ないよ!それに、ただ単に見られてるなぁって思ってただけだから、リヴァイにしてもキルシュタインくんにしても心配しすぎなんだよね。」
「キル…?あぁ、ジャンか。」
高校の同級生だったジャンがナマエやクソチビと一緒の会社に就職したことを聞いた時も、世間は狭いななんて思ったのを思い出した。
「まぁ、ジャンはどうか知らなけど。あんたは昔から変なやつに好かれたり付き纏われたりが多かったから、クソチビもちょっとのことでも心配なんでしょ。」
「そうかなぁ。」
ナマエは納得がいかないという表情でクラッカーに乗せたクリームチーズを口に頬張ってはワインに口をつける。あ、おいしい!と言って顔を綻ばせるナマエを見て思わず呆れてしまう。相変わらず美味しそうに飲んだり食べたりするもんだから気が抜けてしまった。
「そういえばね、そのキルシュタインくんと、また組むことになったんだよ!」
「確かあいつが入社したした時の教育係だったんだっけ?あいつの性格だと振り回されてるんじゃないの?」
「それがね、キルシュタインくん、凄いんだよ!この間もね…」
ナマエの話を聞く限り、ジャンは思っていたよりもデキる奴らしい。私の知っているジャンは皮肉な態度でいつも斜に構えていて、とてもじゃないけど営業マンなんてできないと思っていた。
「ってことがあったんだ。私もおちおちしてられないよ。このままだと主任の座も危ういかも。あ、次はスパークリングにしようかな。」
ナマエはそう言ったあと、店員におかわりを注文した。既に6杯目だ。ナマエに促され私も同じものを注文することにした。ちなみに私はまだ3杯目。ほんと、その体のどこに入るんだか。
店員を探すため店内に目を向けた時、知らない男と目が合った。その男はその瞬間にパッと目を逸らした。…何か怪しい。気づいてない振りをして店員に注文をしてナマエと何気ない会話をしながらも意識はそいつから離さないようにした。
…やはりこちらを気にしているようだ。ナマエはもちろん気づいていない。いつからいた?こいつが例の付き纏い野郎なんだろうか。
そのままバレないように様子を伺っていると、その男が席を立ってこちらに向かってきた。思わず肩に力が入る。
ついに目と鼻の先までやってきた。念のためすぐに動けるようバレないように身構える。ゴクリと唾を飲む。一秒が何分にも感じられた。
…が、その男はそのまま私たちの席を素通りして会計の後店を出て行ってしまった。
気のせい…だった?とにかく、何事もなくて良かった。こんな人の多い場所で事に及ぶバカではなかったようだ。大きくため息をついた所でナマエが心配そうにこちらを伺ってきた。
「アニちゃん?どうしたの、顔が怖いよ?」
「いや、何でもないよ。」
帰りは…少し慎重になった方が賢明かもね。
「ねぇ、久しぶりだしさ、今日はアンタの家に泊まってってもいい?」
「どうしたの?珍しいね。でも嬉しい!もちろん大歓迎だよ!あ、でも明日はリヴァイと約束があるから朝がちょっと早いよ?」
「それは別に構わないよ。どうせ朝はジョギングで早く起きてるし。」
「さすがトレーニングの鬼だね。あ!アニちゃんも一緒に猫の写真展行く?」
「行かない。なんで休みの日にまでクソチビの顔見なきゃなんないの。」
「もぉ。なんでそんなに目の敵みたいにするの?」
そんな話をしながらナマエとの久しぶりの時間を楽しんだ。
ーほんの数時間後に自分の考えの甘さを後悔することになるとも知らずに。
最初はずっと無視をし続けていたが毎日毎日飽きもせずに声を掛けてくるものだから流石にこちらが折れてしまった。
『なんで毎日話しかけてくんの。』
『わ!初めて声が聞けた!お友達になりたいなぁって思ってたんだよ。私はナマエって言います。あなたのお名前は?』
『…アニ。』
『アニちゃんね!私と、お友達になってくれる?』
学校でもこの性格のせいで孤立していたし、ずっと格闘術の訓練しかしてなかった私に、ナマエは初めてできた友達だった。
性格は分かりやすいくらい正反対で。ナマエは、なんで私に構いたがるのか不思議なくらい明るいやつだった。でも何故か嫌な気分にはならない変なやつだ。
お互い大人になって、住む場所が変わっても私たちの関係は変わることはなく、こうやって時々一緒に酒を飲むほどには親しくしている。
「なんで先に飲んでんの。」
「あははー。我慢できなくて先に頼んじゃった!」
相変わらずの酒好き。どれだけ飲んでも顔色一つ変わらないナマエに付き合ううちに自然と私も酒に強くなったくらいだ。人柄的には乾杯もなしに先に始めるようなタイプではないのだろう。それが私には心を許してくれているような気がして怒る気にならない。
一年くらい会ってなかったからか、話すのはお互いの近況や変化。そこでさっきのクソチビの話を思い出した。
「クソチビが言ってたけど、変な奴に付きまとわれてんだって?」
「ぶっ…!クソチビって、リヴァイのこと?」
「ほら、拭きな。…ミカサがそう呼んでる。」
汚いな、そう言いながら紙ナプキンを渡してやる。さっきのクソチビは、ナマエが高校に上がった頃から一緒に居るところをよく見かけるようになった。
『アンタ…誰?ナマエのカレシ?』
『お前こそ誰だ、クソガキ。』
『ちょっと二人とも!いきなりどうしたの!』
ナマエの隣にいつもいたこいつが最初から何かと気に食わなかった。幼心にナマエを取られたような気がしたのかもしれない。大人にも負けたことが無かった私の格闘術もこいつには全く通用しないものだから余計に腹が立ったのを今でも覚えている。
うちのジムに通っていたミカサとは親戚だと聞いて妙に納得した。あそこの家系はどうなってるんだと思ったのも懐かしい思い出だ。
「で、どうなの?心当たりとかあるの?」
「ないよ!それに、ただ単に見られてるなぁって思ってただけだから、リヴァイにしてもキルシュタインくんにしても心配しすぎなんだよね。」
「キル…?あぁ、ジャンか。」
高校の同級生だったジャンがナマエやクソチビと一緒の会社に就職したことを聞いた時も、世間は狭いななんて思ったのを思い出した。
「まぁ、ジャンはどうか知らなけど。あんたは昔から変なやつに好かれたり付き纏われたりが多かったから、クソチビもちょっとのことでも心配なんでしょ。」
「そうかなぁ。」
ナマエは納得がいかないという表情でクラッカーに乗せたクリームチーズを口に頬張ってはワインに口をつける。あ、おいしい!と言って顔を綻ばせるナマエを見て思わず呆れてしまう。相変わらず美味しそうに飲んだり食べたりするもんだから気が抜けてしまった。
「そういえばね、そのキルシュタインくんと、また組むことになったんだよ!」
「確かあいつが入社したした時の教育係だったんだっけ?あいつの性格だと振り回されてるんじゃないの?」
「それがね、キルシュタインくん、凄いんだよ!この間もね…」
ナマエの話を聞く限り、ジャンは思っていたよりもデキる奴らしい。私の知っているジャンは皮肉な態度でいつも斜に構えていて、とてもじゃないけど営業マンなんてできないと思っていた。
「ってことがあったんだ。私もおちおちしてられないよ。このままだと主任の座も危ういかも。あ、次はスパークリングにしようかな。」
ナマエはそう言ったあと、店員におかわりを注文した。既に6杯目だ。ナマエに促され私も同じものを注文することにした。ちなみに私はまだ3杯目。ほんと、その体のどこに入るんだか。
店員を探すため店内に目を向けた時、知らない男と目が合った。その男はその瞬間にパッと目を逸らした。…何か怪しい。気づいてない振りをして店員に注文をしてナマエと何気ない会話をしながらも意識はそいつから離さないようにした。
…やはりこちらを気にしているようだ。ナマエはもちろん気づいていない。いつからいた?こいつが例の付き纏い野郎なんだろうか。
そのままバレないように様子を伺っていると、その男が席を立ってこちらに向かってきた。思わず肩に力が入る。
ついに目と鼻の先までやってきた。念のためすぐに動けるようバレないように身構える。ゴクリと唾を飲む。一秒が何分にも感じられた。
…が、その男はそのまま私たちの席を素通りして会計の後店を出て行ってしまった。
気のせい…だった?とにかく、何事もなくて良かった。こんな人の多い場所で事に及ぶバカではなかったようだ。大きくため息をついた所でナマエが心配そうにこちらを伺ってきた。
「アニちゃん?どうしたの、顔が怖いよ?」
「いや、何でもないよ。」
帰りは…少し慎重になった方が賢明かもね。
「ねぇ、久しぶりだしさ、今日はアンタの家に泊まってってもいい?」
「どうしたの?珍しいね。でも嬉しい!もちろん大歓迎だよ!あ、でも明日はリヴァイと約束があるから朝がちょっと早いよ?」
「それは別に構わないよ。どうせ朝はジョギングで早く起きてるし。」
「さすがトレーニングの鬼だね。あ!アニちゃんも一緒に猫の写真展行く?」
「行かない。なんで休みの日にまでクソチビの顔見なきゃなんないの。」
「もぉ。なんでそんなに目の敵みたいにするの?」
そんな話をしながらナマエとの久しぶりの時間を楽しんだ。
ーほんの数時間後に自分の考えの甘さを後悔することになるとも知らずに。