第17話 働き方改革
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9月。上半期最終月だ。開拓チームも軌道に乗り、なんとか前半を無事に終える目処が立ってきた。とは言え、下期に向け、年末商戦を迎える為の準備やら何やらで忙しいのは相変わらずだった。要するに、俺たちに休息は無いのだ。
「で?話ってのは何だ。」
ナマエと馬から相談があると言われ、えらく真面目な顔をしている様子を見て機密性を感じた為、空いている会議室へとやってきたところだ。
「今後の業務体制についてです。実動できるのは下期からになるとは思いますが、アッカーマン課長のチームの案件を、手が空いている他の社員に振り分けることはできませんか?」
「…どうしていきなりそんな話になるんだ。自分たちが必死で取ってきた案件をわざわざ他へ回せと?」
あいつらが毎日必死に駆け回りやっと掴んだものをなぜ渡さなきゃならねぇ。おのずと顔が険しくなる。
「もぅ。そんな顔しないで下さい。ちゃんと理由もお話ししますから。」
ナマエは眉を下げて俺に言った後、チラリと馬の方を見た。馬は目で頷き、俺の方を向いて話しだした。
「理由は二つ、いや三つですね。一つ目は、リヴァイ課長のチームの皆さん、業務量が多すぎじゃねぇかと。いくら精鋭チームといっても、他の社員たちとの差がありすぎませんか?」
「アッカーマン課長が選んだだけあって、皆さんとても優秀です。仕事に誇りも持ってる。でも、これから年末に向けてさらに業務は増えますよね?誰か体調を壊したりするんじゃないかと心配なんです。」
二人に言われて思案する。確かに最近残業が重なっていたのは事実だった。俺の選んだメンバーは皆が皆、不平不満を一切言わないような奴らだ。一人例外のクソガキはいるが。そのクソガキでさえ文句を言いつつもついてきていた。しかし。
「だからってどうして他に振り分ける話になるんだ。」
「それが二つ目の理由っすね。」
俺に臆することなく馬が続けた。
「単純に他との業務量の差が気にはなってはいましたけど。能力差もあるしある程度は仕方ねぇって思ってました。でも。ゲルガーさんたちや俺の同期なんかは別として、他のヤツら。最近手を抜いてるって感じねぇっすか?」
確かに新規の報告はここ最近減っている。自分のチームの忙しさで全体へと目を向けられていなかったのか。自身の忙しさを理由にはしたくないがどうやらナマエたちの方が周りを見ていたようだ。
「頑張って取れねぇってのならまだカワイイもんっすけど。新規は課長たちが取ってくるからいいだろうとか、仕事が増えてキツくなるのが嫌だからってヤツもいるみたいなんですよね。」
「課長たちの分を他の社員に振り分けることができれば皆さんの負荷が減って、他の社員にお願いすることでバランスが取れるようになるんじゃないかと思ったのですが、どうでしょうか?」
理屈は分かった。営業部の現状も理解できた。だが双方が納得するとは思えない。
「エルドたちに自分が取ってきたものを他の奴らに渡せと言えってのか?」
「そこは申し訳ないですが、何とかしてください。お前らの体の方が大事だとか何とか言えば逆に喜ぶんじゃねぇっすか?エレンはともかく他の人たちはリヴァイ課長命って感じしますし。」
「ちょっと。またそんな言い方!」
ナマエに咎められ、肩をすくめているが反省はしていないようだ。要するに丸投げか。言い方は気に入らねぇがこいつは俺のチームのこともよく見ている。
「他の社員はどうするんだ。こっちより説得は難しそうだが。」
「そこはまぁ、話してみますよ。ナマエさんに言われたら断れる社員はそうそういないと思いますし。」
これも丸投げか。だが一理ある。ナマエなら何とかするだろう。
「あとは三つ目の理由っすね。36 協定、そろそろ上から突っ込まれるんじゃないっすか?今はなんとか守れてますが、時間の問題だと思います。」
決して忘れていたわけではないが。企業として労基に触れる部分を蔑ろにするわけにはいかない。
「さすがに法を持ち出せば双方納得するでしょう。元々残業してねぇヤツらにはうまく言わねぇといけませんが、社員間の労働時間格差も下手したら問題になりますよね。限られた時間の中でも生産性を落とさねぇようにって考えたらこれだったんすよ。」
俺の想定以上にこいつは考えていたらしい。正直みくびっていた。
「業務体制について意見するような形になってしまい申し訳ありません。ですが、彼の考えた方法で運用できれば多方面でいい方向に変わるんじゃないでしょうか。」
これがうまくいけば業務過多の社員の負担が減り、逆にサボってやがる奴らには給料分働かせることができる。皆が皆平等にとはいかねぇかもしれないが、今より良くなることは確かだろう。
「お前らの考えは分かった。上には俺から話しておこう。」
「「ありがとうございます!」」
そう声を揃えたあと、二人ともの顔の筋肉が緩んだように見えた。あれだけ堂々と話していた馬もどうやら話すのに緊張していたようだ。
「で?話ってのは何だ。」
ナマエと馬から相談があると言われ、えらく真面目な顔をしている様子を見て機密性を感じた為、空いている会議室へとやってきたところだ。
「今後の業務体制についてです。実動できるのは下期からになるとは思いますが、アッカーマン課長のチームの案件を、手が空いている他の社員に振り分けることはできませんか?」
「…どうしていきなりそんな話になるんだ。自分たちが必死で取ってきた案件をわざわざ他へ回せと?」
あいつらが毎日必死に駆け回りやっと掴んだものをなぜ渡さなきゃならねぇ。おのずと顔が険しくなる。
「もぅ。そんな顔しないで下さい。ちゃんと理由もお話ししますから。」
ナマエは眉を下げて俺に言った後、チラリと馬の方を見た。馬は目で頷き、俺の方を向いて話しだした。
「理由は二つ、いや三つですね。一つ目は、リヴァイ課長のチームの皆さん、業務量が多すぎじゃねぇかと。いくら精鋭チームといっても、他の社員たちとの差がありすぎませんか?」
「アッカーマン課長が選んだだけあって、皆さんとても優秀です。仕事に誇りも持ってる。でも、これから年末に向けてさらに業務は増えますよね?誰か体調を壊したりするんじゃないかと心配なんです。」
二人に言われて思案する。確かに最近残業が重なっていたのは事実だった。俺の選んだメンバーは皆が皆、不平不満を一切言わないような奴らだ。一人例外のクソガキはいるが。そのクソガキでさえ文句を言いつつもついてきていた。しかし。
「だからってどうして他に振り分ける話になるんだ。」
「それが二つ目の理由っすね。」
俺に臆することなく馬が続けた。
「単純に他との業務量の差が気にはなってはいましたけど。能力差もあるしある程度は仕方ねぇって思ってました。でも。ゲルガーさんたちや俺の同期なんかは別として、他のヤツら。最近手を抜いてるって感じねぇっすか?」
確かに新規の報告はここ最近減っている。自分のチームの忙しさで全体へと目を向けられていなかったのか。自身の忙しさを理由にはしたくないがどうやらナマエたちの方が周りを見ていたようだ。
「頑張って取れねぇってのならまだカワイイもんっすけど。新規は課長たちが取ってくるからいいだろうとか、仕事が増えてキツくなるのが嫌だからってヤツもいるみたいなんですよね。」
「課長たちの分を他の社員に振り分けることができれば皆さんの負荷が減って、他の社員にお願いすることでバランスが取れるようになるんじゃないかと思ったのですが、どうでしょうか?」
理屈は分かった。営業部の現状も理解できた。だが双方が納得するとは思えない。
「エルドたちに自分が取ってきたものを他の奴らに渡せと言えってのか?」
「そこは申し訳ないですが、何とかしてください。お前らの体の方が大事だとか何とか言えば逆に喜ぶんじゃねぇっすか?エレンはともかく他の人たちはリヴァイ課長命って感じしますし。」
「ちょっと。またそんな言い方!」
ナマエに咎められ、肩をすくめているが反省はしていないようだ。要するに丸投げか。言い方は気に入らねぇがこいつは俺のチームのこともよく見ている。
「他の社員はどうするんだ。こっちより説得は難しそうだが。」
「そこはまぁ、話してみますよ。ナマエさんに言われたら断れる社員はそうそういないと思いますし。」
これも丸投げか。だが一理ある。ナマエなら何とかするだろう。
「あとは三つ目の理由っすね。
決して忘れていたわけではないが。企業として労基に触れる部分を蔑ろにするわけにはいかない。
「さすがに法を持ち出せば双方納得するでしょう。元々残業してねぇヤツらにはうまく言わねぇといけませんが、社員間の労働時間格差も下手したら問題になりますよね。限られた時間の中でも生産性を落とさねぇようにって考えたらこれだったんすよ。」
俺の想定以上にこいつは考えていたらしい。正直みくびっていた。
「業務体制について意見するような形になってしまい申し訳ありません。ですが、彼の考えた方法で運用できれば多方面でいい方向に変わるんじゃないでしょうか。」
これがうまくいけば業務過多の社員の負担が減り、逆にサボってやがる奴らには給料分働かせることができる。皆が皆平等にとはいかねぇかもしれないが、今より良くなることは確かだろう。
「お前らの考えは分かった。上には俺から話しておこう。」
「「ありがとうございます!」」
そう声を揃えたあと、二人ともの顔の筋肉が緩んだように見えた。あれだけ堂々と話していた馬もどうやら話すのに緊張していたようだ。