第16話 ペトラの心情
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私には憧れの上司が二人いる。
一人は言わずと知れたリヴァイ課長。新人の頃、今でも信じられない程の大失敗をしてしまい、クビになってもおかしくない状況に陥ったことがあったんだけど。その時に窮地を救ってくれたのがリヴァイ課長だった。
どうにもならないと思っていた取引先との関係も修復してくれた上に、私の処分についても上に掛け合ってくれた。課長は何も言わなかったけど実際は何度も相手の会社へと足を運んだと後から部長から聞いた時は、どう課長にお詫びをしたらいいか、責任を取る方法はあるのかと心臓を握りつぶされる思いで。更に課長は、ただ単に今後もその会社と契約継続に持っていっただけじゃなく。大失敗したはずの私を敢えてまた担当に戻した。課長の意図が最初は全く理解できなかったけど、「お前の担当だろうが。自分でなんとかしろ。」そう言われて気が付いた。私に挽回するチャンスを与えてくれたのだと。
その時の私はとにかく必死だった。何とか取引先に認めてもらえるように、リヴァイ課長の顔に泥を塗らないように。そして、リヴァイ課長にも認めてもらいたくて。
私の努力が認めてもらえたからか、それともあまりの私のしつこさに折れてしまったのか。今ではその会社と良好な関係を築けており、毎年契約更新もしていただいている。
その時の課長は私を叱ることも、慰めることも、ましてや励ますことも無かった。ただ一言。最後に「よくやった。」と。
この一言で私は決めた。この人について行く、と。またあの「よくやった。」が聞きたくて。今日まで必死で頑張ってきた。
そして今年、リヴァイ課長の作る新チームに課長自ら指名していただいたのだ。あの時の感情はとても一言では言い表せない。
…と。課長のことになるとついつい饒舌になってしまうのが私の悪い癖だな。本当はこれくらいじゃ全然足りないけれど。もう一人の上司についても話したいから、課長についてはまた今度。
もう一人は、ナマエさん。我が社では珍しい女性主任で。見た目は華奢な可愛らしい女性という感じなのに、仕事の上でそのか弱さを感じたことはない。ご自身も一人で契約を取ってくるくらい実力があるのにも関わらず、彼女の主な仕事は他の社員のフォロー。どんなに困難な案件も彼女が関わればよっぽどのことがない限りは成立するのだからすごいと思う。でもそれを鼻にかけることもなく彼女はいつもふわりと笑って成果を皆と一緒に喜ぶものだから。大人だなぁっていつも思ってた。
仕事が出来てかわいくて、謙虚で、いつも笑って周りを華やかにして。(ついでにリヴァイ課長と同期とか羨ましすぎる。)そんな誰から見ても完璧なナマエさんに憧れない方がおかしい。
だから、本当はずっとお近づきになりたいって思ってた。でも、いつまでたっても私のことはラルさんって呼ぶし、特定の誰かと親密そうなのも見たことがなかった。もちろん営業部みんな仲が良い。ナマエさんもその中に入る。でも、どこか違う。リヴァイ課長のことですら苗字で呼ぶナマエさんを見てたら、関わらないでって言われているみたいで。だから今まで踏み込むことができないでいた。
でもここ数ヶ月、実は私はちょっとした変化を感じていた。彼女がジャンとペアを組みだしてからだ。先月だったか、あの二人はあることでちょっと揉めた。揉めたっていうか、ジャンが一方的に言いたいこと言っちゃったって感じだったけど。あの時オフィスにいた全員が、「ジャン、黙れ。」って最初は思ったはず。私もそのうちの一人で。ナマエさんになんてこと言うの!ってそれはそれは腹が立った。…でも。ジャンの言い分に、今度は別の意味で皆が驚いた。
言い方は許されたものじゃなかったけど、言ってることは、正論だったから。会社のこと、社員のこと、ちゃんと考えてた。あと、ナマエさんのことも。あれは心配してるって言ってるようなものだった。
でも、あの日のオフィスはあの後ほんとに気まずくて。ナマエさんのあんな顔、初めて見たし。言い逃げしたジャンにやっぱりどうしても一言言ってやりたくて、次の日の朝ジャンに文句言ってやる宣言をしたんだけど。
朝礼が始まる頃には二人はいつも通りの様子に戻ってた。全く意味がわからなくてナマエさんに聞いてみたら、「謝ってくれようとしたんだけど私がお断りしたんだよ。ああ言ってもらえてよかったなって思ってるから。」って。
この人どんだけいい人なの?そんなこと言われたらもう私は出しゃばれないなって思ったから、ジャンにも何も言わないことにした。
それからかな。ジャンとナマエさんの話し方?雰囲気が少し変わったかなって思うようになったのは。
ジャンはナマエさんに対してなんとなく砕けた感じになってて、ナマエさんはジャンに冗談で返したりしてるのを見かけるようになった。「うるさいな。」ってナマエさんがジャンに言ったのを聞いたときは、一瞬、誰!?って思ったくらい。あとは意外とお茶目人なのかも…とか、もしかして天然?って思うこととか。別に盗み聞きしてるわけじゃないんだけど、席が近いから入ってきちゃって。
そんなのを見てたら、私の”ナマエさんと仲良くなりたいゲージ”がついに満タンになってしまった。
もちろん、自分の仕事はキリの良いところまで進めて、リヴァイ課長にも休憩の了承を貰って。ナマエさんたちの進捗具合もこっそり様子を伺って。…よし。今だ。
「ナマエさん、一階のカフェ改装終わったらしいんです。良かったら…一緒に行きませんか?ケーキ、食べましょ?」
甘いものが好きだということは(ジャンとの会話から)リサーチ済みだ。ナマエさんは一瞬驚いたような顔をしたけど、私が少し恐る恐る誘ってしまったのが伝わったのか。ジャンに了承を貰った上で、快諾してくれた。…良かった。
「なんだペトラ休憩か?それなら俺も一緒に行ってやっても「オルオ。あんたは誘ってないから。」……。」
一人は言わずと知れたリヴァイ課長。新人の頃、今でも信じられない程の大失敗をしてしまい、クビになってもおかしくない状況に陥ったことがあったんだけど。その時に窮地を救ってくれたのがリヴァイ課長だった。
どうにもならないと思っていた取引先との関係も修復してくれた上に、私の処分についても上に掛け合ってくれた。課長は何も言わなかったけど実際は何度も相手の会社へと足を運んだと後から部長から聞いた時は、どう課長にお詫びをしたらいいか、責任を取る方法はあるのかと心臓を握りつぶされる思いで。更に課長は、ただ単に今後もその会社と契約継続に持っていっただけじゃなく。大失敗したはずの私を敢えてまた担当に戻した。課長の意図が最初は全く理解できなかったけど、「お前の担当だろうが。自分でなんとかしろ。」そう言われて気が付いた。私に挽回するチャンスを与えてくれたのだと。
その時の私はとにかく必死だった。何とか取引先に認めてもらえるように、リヴァイ課長の顔に泥を塗らないように。そして、リヴァイ課長にも認めてもらいたくて。
私の努力が認めてもらえたからか、それともあまりの私のしつこさに折れてしまったのか。今ではその会社と良好な関係を築けており、毎年契約更新もしていただいている。
その時の課長は私を叱ることも、慰めることも、ましてや励ますことも無かった。ただ一言。最後に「よくやった。」と。
この一言で私は決めた。この人について行く、と。またあの「よくやった。」が聞きたくて。今日まで必死で頑張ってきた。
そして今年、リヴァイ課長の作る新チームに課長自ら指名していただいたのだ。あの時の感情はとても一言では言い表せない。
…と。課長のことになるとついつい饒舌になってしまうのが私の悪い癖だな。本当はこれくらいじゃ全然足りないけれど。もう一人の上司についても話したいから、課長についてはまた今度。
もう一人は、ナマエさん。我が社では珍しい女性主任で。見た目は華奢な可愛らしい女性という感じなのに、仕事の上でそのか弱さを感じたことはない。ご自身も一人で契約を取ってくるくらい実力があるのにも関わらず、彼女の主な仕事は他の社員のフォロー。どんなに困難な案件も彼女が関わればよっぽどのことがない限りは成立するのだからすごいと思う。でもそれを鼻にかけることもなく彼女はいつもふわりと笑って成果を皆と一緒に喜ぶものだから。大人だなぁっていつも思ってた。
仕事が出来てかわいくて、謙虚で、いつも笑って周りを華やかにして。(ついでにリヴァイ課長と同期とか羨ましすぎる。)そんな誰から見ても完璧なナマエさんに憧れない方がおかしい。
だから、本当はずっとお近づきになりたいって思ってた。でも、いつまでたっても私のことはラルさんって呼ぶし、特定の誰かと親密そうなのも見たことがなかった。もちろん営業部みんな仲が良い。ナマエさんもその中に入る。でも、どこか違う。リヴァイ課長のことですら苗字で呼ぶナマエさんを見てたら、関わらないでって言われているみたいで。だから今まで踏み込むことができないでいた。
でもここ数ヶ月、実は私はちょっとした変化を感じていた。彼女がジャンとペアを組みだしてからだ。先月だったか、あの二人はあることでちょっと揉めた。揉めたっていうか、ジャンが一方的に言いたいこと言っちゃったって感じだったけど。あの時オフィスにいた全員が、「ジャン、黙れ。」って最初は思ったはず。私もそのうちの一人で。ナマエさんになんてこと言うの!ってそれはそれは腹が立った。…でも。ジャンの言い分に、今度は別の意味で皆が驚いた。
言い方は許されたものじゃなかったけど、言ってることは、正論だったから。会社のこと、社員のこと、ちゃんと考えてた。あと、ナマエさんのことも。あれは心配してるって言ってるようなものだった。
でも、あの日のオフィスはあの後ほんとに気まずくて。ナマエさんのあんな顔、初めて見たし。言い逃げしたジャンにやっぱりどうしても一言言ってやりたくて、次の日の朝ジャンに文句言ってやる宣言をしたんだけど。
朝礼が始まる頃には二人はいつも通りの様子に戻ってた。全く意味がわからなくてナマエさんに聞いてみたら、「謝ってくれようとしたんだけど私がお断りしたんだよ。ああ言ってもらえてよかったなって思ってるから。」って。
この人どんだけいい人なの?そんなこと言われたらもう私は出しゃばれないなって思ったから、ジャンにも何も言わないことにした。
それからかな。ジャンとナマエさんの話し方?雰囲気が少し変わったかなって思うようになったのは。
ジャンはナマエさんに対してなんとなく砕けた感じになってて、ナマエさんはジャンに冗談で返したりしてるのを見かけるようになった。「うるさいな。」ってナマエさんがジャンに言ったのを聞いたときは、一瞬、誰!?って思ったくらい。あとは意外とお茶目人なのかも…とか、もしかして天然?って思うこととか。別に盗み聞きしてるわけじゃないんだけど、席が近いから入ってきちゃって。
そんなのを見てたら、私の”ナマエさんと仲良くなりたいゲージ”がついに満タンになってしまった。
もちろん、自分の仕事はキリの良いところまで進めて、リヴァイ課長にも休憩の了承を貰って。ナマエさんたちの進捗具合もこっそり様子を伺って。…よし。今だ。
「ナマエさん、一階のカフェ改装終わったらしいんです。良かったら…一緒に行きませんか?ケーキ、食べましょ?」
甘いものが好きだということは(ジャンとの会話から)リサーチ済みだ。ナマエさんは一瞬驚いたような顔をしたけど、私が少し恐る恐る誘ってしまったのが伝わったのか。ジャンに了承を貰った上で、快諾してくれた。…良かった。
「なんだペトラ休憩か?それなら俺も一緒に行ってやっても「オルオ。あんたは誘ってないから。」……。」