伝説はここから始まる
2014年6月11日。
マスターハンドから、スマメン達に新たな挑戦者の発表があった。
マスター「まずはMiiファイター。次にパルテナ」
ピット「ぱ、パルテナ様ぁ!?」
嬉しさと戸惑いを隠せないピットを横目に、マスターハンドは発表を続ける。
マスター「そして・・・新たな他社からのファイター、ナムコからの使者、パックマンだ!」
***
マリオ「はーい!というわけで、やってきました地中海!!!」
ソニック「・・・ではなく、スマブラ城下町のとあるカラオケボックスです」
マリオ「今回はこの地中海からお送りするぜぃ!!」
ソニック「だから、カラオケボックスだっつうの!!」
マリオ「さて、今日はゲストを二人お招きして、四人で色々やっていこうと思ってるワケだ」
ソニック「ゲスト?」
マリオ「そろそろ来るころだな・・・」
その時、部屋のドアが開いた。
「こんにちはー!」
ソニック「お前ら・・・!?」
ロックマン「やぁソニック!久しぶり!」
パックマン「道に迷っちゃったんだけど、無事に来れてよかったよ」
入ってきたのは、新作スマブラに参戦が決まった他社からのファイター、ロックマンとパックマンだった。
ロックマン「マスターハンドさんから許可をもらってね、スマブラ界の見学&下見と称して、二人に会いに来ちゃった」
パックマン「マリオから新他社組の顔合わせ会をしたいって連絡があったから」
マリオ「新作スマブラ3DSは9月13日発売だからな、その前に仲良くなっておこうと思って。ほら、スネークとソニック、Xが始まって顔合わせしたもんだから、関係最悪だっただろ?」
ソニック「ハハ・・・まぁな」
マリオ「だから今日は色々やって、親睦を深めるつもりだ!」
***
パックマン「とりあえずさぁ、何か注文しようよ。僕お腹すいちゃって・・・」
マリオ「流石パックマン、食いしん坊!」
ソニック「カービィ、デデデ、ヨッシー、アイクに加えて、また食欲旺盛な奴が増えるのか・・・」
パックマン「カービィ?友達から聞いたことがあるよ!別名『ピンクのブラックホール』!」
ロックマン「ブラックホール!?」
パックマン「吸い込みは超強力!破壊的な歌声はゲームの液晶画面をもぶち壊す!!」
マリオ「あー、うん、そうだね。そーゆうことにしとこう」
ソニック「いいのか!?それでいいのか!?」
マリオ「だって強ち間違いでもないし」
ロックマン「わあ、このマルゲリータピザ美味しそうですよ」
パックマン「唐揚げもあるぞ!」
マリオ「キノコのパスタがあるじゃあないか!!!」
ソニック「あ、おい待てよお前ら、」
ロックマン「ほらソニック、チリドックがあるよ」
ソニック「Really!?」
わいわいとメニューを眺め回し、ピザと唐揚げとキノコのパスタとチリドックを注文した。
マリオ「さあて、ご馳走を待つ間、少し話をしようか」
パックマン「はい、はい!僕、大乱闘のルールをまだよく知らないんだけど・・・」
ソニック「簡単さ。ただ周りの相手を場外にぶっ飛ばせばいいんだ」
マリオ「スマブラはHPとかないからな。蓄積ダメージが数字で表される」
ロックマン「その蓄積ダメージの数が大きい程、ふっ飛びやすくなるんですよね」
マリオ「エクスコレクート!(その通り)」
ソニック「回復・攻撃アイテムやポケモンを呼び出すモンスターボール、アシストキャラを上手く使うことも重要になるな」
マリオ「そしてなんといっても見逃せないのが、最後の切り札!たまに出現するスマッシュボールを壊した者が、超強力な必殺技を出すことが出来るのだ!!!」
パックマン「へぇ~」
ソニック「ロックマンの最後の切り札は豪華だよなあ。ファンは嬉しがってるよ」
ロックマン「いやぁそれほどでも・・・」
パックマン「ちなみに管理人は『ロックマンエグゼ』と『流星のロックマン』のロックマンしかよくわからない」
ソニック「何その激しくどうでもいい情報!?」
パックマン「テーブルの上にカンペみたいなメモが置いてあったもんだから」
マリオ「鼻かんで捨てとけ」
***
さてさて、注文したご馳走が運ばれてきたので、四人はわいわいと食べ始めた。
マリオ「ふむ・・・このマッシュルームの食感、まあまあだな」
ロックマン「ピザも分けたんで、どうぞ」
パックマン「唐揚げも分けるよ~」
ソニック(パックマン・・・無我夢中で食べないんだな)
ちゃんと分け与えることを知っているパックマンに、日々食事を貪りまくるデデデ達を見ているソニックは感動した。
ソニック「チリドックも四等分しようか?」
マリオ「待てい!そんな辛いもん食えるのはお前くらいだ」
ロックマン「僕食べたいなー」
パックマン「僕も!」
マリオ「∑(゚ω゚)」
ソニック「辛いの大丈夫なのか?」
ロックマン「僕ロボットだし、そのくらいは大丈夫だと思うよ」
パックマン「食は何でも食べてみることが大事だからねぇ」
ロックマン「じゃあ僕が綺麗に三等分するね」
ソニック「サンキュー」
マリオ(なんだ・・・急に疎外感が・・・)
食事を済ませた四人は、更に会話を進める。
マリオ「いやぁ、それにしても、まさか住む世界の違う俺達がこうして同じ世界の同じ場所の同じ部屋に集うなんて、未だに信じられないよ」
ロックマン「任天堂・セガ・カプコン・ナムコ・・・」
ソニック「スマブラっていう世界観がなかったら、考えられなかったことだよな」
パックマン「でも新作スマブラが始動したら、毎日のように顔を合わせることになるんだよね」
マリオ「ああ!みんなでご飯食べたり、くつろいだりな」
ソニック「自室も一人一部屋だから、プライバシーも安心」
ロックマン「何より、任天堂の皆さんとお手合わせすることが出来るのがスゴいですよね!」
マリオ「スマメンの中でも特別なのが、他社から参戦する君達三人ってわけだ。俺は任天堂代表だからな」
パックマン「それで他社組っていうんだね」
ロックマン「楽しみだなぁ・・・ね、ソニック」
ソニック「ん?あ、ああ」
マリオ「よし!せっかく地中海に来てるんだ!パアーッと歌いまくろうぜぃ!!」
ソニック「だから、ここは地中海じゃねーよ!!!」
パックマン「え?違うの?」
ソニック「パックマンまで!?」
ロックマン「いや、ここ地中海だよ?」
ソニック「ロックマンもボケなくていいから!!オレを一人にしないで!!」
ロックマン「ボケてないよ?『カラオケボックス 地中海』」
ソニック「(・ω・)」
ロックマン「このカラオケボックスの名前だよ」
マリオ「初めから地中海って言ってたじゃないか」
パックマン「地中海、ぶっ飛んだ名前だよねー。流石スマブラ」
地中海だった。
***
夜。
スネーク「・・・」
自室で椅子に座り、机に顔を伏せて眠っているソニックに、スネークは毛布を被せていた。
スネーク「鍵が開けっ放しだったぞ、不用心だな」
ソニック「・・・・・・伊達にあの世は、見てねーぜ・・・」
寝言を言いながらスヤスヤと寝息をたてるソニックに苦笑する。
机には、ソニックが書いていたと思われる日記と、カラオケボックスで撮られた新他社組四人の記念写真が置いてあった。
日記でソニックの今日一日の出来事を知り、少しの疎外感と寂しさを感じていると。
文章の最後に、小さい文字で構成された文を見つけた。
『スネークが続投出来なかったら、オレはどうしたらいい?』
たとえ次回参戦出来なくても悔いはない。
お前に出逢えて、最初は気に入らなかったものの、こうして親しい仲になれたのだから。
もしも、もしも本当に自分が続投出来なかったとしたら、その時は。
スネーク「・・・俺のことは気にするな、お前はお前の道を行け」
日記を閉じて、机に置いて。
写真をそばにあった鉛筆立てに立てかけてやって、ソニックの頭を撫でてやって。
スネークはそっと部屋を出ていった。
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