七不思議チョコレート
***
ソニック「池といえば、ここだよなぁ」
早速ソニックがインクリングと共にやって来たのは、スマブラ城から少し離れた場所にある森だった。
その森の奥深く。木々に遮られ日差しが殆ど通らない場所に、その池はあった。
インクリング「静かな所っすねぇ。鳥の囀る音くらいしか聞こえないっす」
ソニック「あとは、どうやって河童がいるかどうかを調べるか、だな…」
インクリング「先輩、潜れます?」
ソニック「オレに死ねと言うんだな?」
インクリング「冗談っす」
ソニック「お前は潜れるか?」
インクリング「アタシに死ねと言うんすね?」
ソニック「冗談だよ」
はぁ…とため息をつく2人。
早速行き詰まってしまった。
ソニック「釣れるもんなのかな、河童って」
インクリング「この際呼んでみるのはどうっすか?河童さーん!って」
インクリングはすぅと息を大きく吸い込むと、池に向かって大声で叫んだ。
インクリング「河童、河童、河童さーーん!!七不思議の河童さーーーーん!!!!出てきておくれーーーっす!!」
ソニック「おいおい、まっく○くろ○けでもあるまいし、そんなことで出てくるわけが」
「はーーーーーーぁーーーーいーーーー!」
ソニック「マジかよ」
ザパァァァ!!!と豪快な水しぶきと共に池から飛び上がったのは、紛うことなき河童だった。
インクリング「うおおおおおおマジもんの河童だーーー!!!!!うおおおおおおイカすーーー!!!!」
「そうです、僕ちんが!!七不思議が1人、河童ですッ!!!」
ドヤ顔を決める河童の頭の上には綺麗に光る皿がある。
ソニックは開いた口が塞がらなかった。
インクリング「ソニック先輩!七不思議はやっぱり本当だったんすね!!!アタシ嬉しいっす!!」
ソニック「お、おう…」
インクリング「あっそうだ河童さん!写真!写真撮ってもいいっすか!?」
「いいともいいとも!」
インクリングはスマホを片手に河童の隣を陣取ると、「ソニック先輩もほら!」と無理やりソニックの腕を掴んで引き寄せた。
インクリング「はい、マンメンミー!」
「ミー!!」
ソニック「み、みー……」
パシャリ。パシャ、パシャリ。
何回もシャッターを切る音。
やがて満足したインクリングは河童の手を取りぶんぶん上下に振った。
インクリング「ありがとうございました!」
「いやいやこちらこそ!いや~やっと僕ちん達を見つけてくれる人達が現れるとは…!この見つけてもらえた嬉しさ、満足感!くーーーったまんねぇ~!」
ソニック「もしかして、お前を見つけられたのは…オレ達が初めてなのかい?」
「そうだよー!なんか巷で七不思議がウワサにはなってるみたいだけど、実際に僕ちん達を見つけられた人はこの数ヶ月間1人もいなかったのさ」
インクリング「数ヶ月間…?」
「そう。僕ちん達七不思議キャラクターは、このスマブラSPが始まってからマスターハンド様に密かに創られたのさ~」
ソニック「Really?」
「七不思議だからねー。マスターハンド様は僕ちん達の存在を君達ファイターにも、この世界のエキストラキャラ達にもちゃんと公表していないんだよね」
インクリング「それじゃあ、七不思議のウワサを信じてここまで来たアタシ達だけが、今、河童さんという存在に気づけたってわけっすね…!感激っす…!」
「僕ちん達は誰かにずっと見つけてほしかった。だから今とても嬉しいんだよね~!嬉しいから、君達にこれをあげちゃう♡」
河童は一度池に潜ると、今度はキラキラ光るものを両手に持って浮上してきた。
「今はバレンタインシーズンだからねー。これがあれば素晴らしいチョコが作れるよん」
ソニック「!?」
「この光はね、『希望』。希望の力がキラキラ凝縮したものさ。こいつをチョコレートに混ぜればOKなのさ~」
ソニック「ほ、ほんとにこれで、美味しいチョコになるのか!?」
「うーん、これだけでもいいんだけど、他の七不思議仲間が持っている光も一緒に混ぜれば、究極のすんばらしいチョコが出来ること間違いなしだよん」
インクリング「他の七不思議さん達も持ってるんっすか!」
「仲間達も皆、見つけてもらいたくてうずうずしてるだろうからねー。是非見つけてあげてよ」
ソニックは考えた。
このままインクリングの七不思議探しを手伝えば、インクリングは七不思議の存在を皆に証明することが出来る。
自分は集めた光を使って今までにないチョコレートを作り、スネークにプレゼントすることが出来る。
ソニック「よし、インクリング!残りの七不思議も頑張って探すぞ!」
インクリング「おっ、ソニック先輩急にやる気になったっすね!アタシも負けてられないっす!おーー!!」
「次の七不思議、海上に現れるニッシーは霧の深い日じゃないと現れないから、気をつけてねー」
河童に別れを告げた2人は、静かな森を後にするのだった。
***
スネーク「……」
そう、俺がアイツの自室の前でうろうろしながら出待ちをしているのは、アイツが人気者だからだ。
もたもたしているとすぐに他の誰かにとられてしまうからだ。
そう己に言い聞かせながら、スネークは隣のソニックの自室の前で文字通りうろうろしていた。
すると程なくしてドアがバタンと開き、中からお目当ての青い針鼠が飛び出してきた。
スネーク「ハリネズミ」
すかさず声をかける。
ソニック「おぅおっさん!奇遇だな」
スネーク「あ、あぁ。ところで、今日は…」
ソニック「今日?あぁ、オレはこれからインクリングと出かけるんだ!おっさんは?」
スネーク「む…俺は…お前と…」
インクリング「ソニック先輩ー!今日は霧が出まくりっすよー!絶好のニッシー捜索日和っす!」
ソニック「あぁ今行く!じゃあなおっさん!」
スネーク「あ、あの、」
ソニックはびゅんと風を起こすと、いつの間にか遠くの廊下の先に立っていたインクリングの隣に移動していた。
スネーク「………」
予想外の先客に舌打ちしていると、
トゥーン「ねえねえ、ニッシーってなんぞや?」
インクリングの言葉が聞こえていたのか、トゥーンリンクがネス達に尋ねていた。
子リン「最近巷でウワサされてる七不思議の1つだね。海上に現れるニッシー、首長竜らしいよ」
リュカ「な、七不思議…!?」ブルブル
ポポ「スマブラ界にも七不思議ってあったんだねー」
ネス「どうせ迷信でしょ。それよりむらびと、今日こそとんとんずもうの決着をつけようじゃないか」
むらびと「ぎったぎたにしてやんよ」
スネーク(七不思議…)
スネークは頬を掻いた。
その日、ソニックとインクリングは霧の深い海に近い崖から、双眼鏡で首長竜らしきシルエットを探した。
インクリング「あ、あそこ!!あれじゃないっすか!?」
ソニック「ほんとだ、呼びかけてみようぜ」
2人は「ニッシー!!」と大声で海に向かって叫んだ。
すると小さかったシルエットがどんどん大きくなっていき、
「は~~~~~~い!!」
ザパァァァンと波を掻き分け、大きな首長竜が2人の前に姿を現した。
インクリング「ひゃ~~~!デカい!!イカすーーー!!!!写真撮らせてくださいっす!」
「いいよ~~!見つけてくれてありがとう~~ぼく嬉しい~~~!」
ソニック「なぁ、河童からバレンタインデーのチョコに混ぜる光をもらったんだけど、」
「ああ、あれね~、ちょっと待ってね~」
ニッシーがガパと大きな口を開けると、中から小さな光が2つ出てきた。
「はいこれ~。これは『素直』な力が凝縮したものさ~~。バレンタインデーは自分の気持ちに素直に正直になる日だからね~~」
ソニック「サンキュー!」
インクリング「あの、ニッシーさんはどうしてニッシーって名前なんすか?」
「任○堂だからニッシーだって、マスターハンド様が言ってたよ~~」
インクリング「なるほど~~」
「次の七不思議、雪女姐さんはアイスクリームが大好きだから、持って行ってあげると喜ぶと思うよ~~」
インクリング「よーし、じゃあ早速…」
ソニック「待て待て待て待て、こんな霧の深い日に雪山は無理があるだろう。また明日にしようぜ」
インクリング「うーん、それもそうっすね。あ、じゃあこの後城下町でアイスクリームと防寒具買っていくっす!」
残る七不思議はあと5つ。
先は長いが、バレンタインデーまであと数日はある。
スネークを驚かせるためにも頑張らなければと、ソニックは心の中で1人気合いを入れるのだった。
ソニック「池といえば、ここだよなぁ」
早速ソニックがインクリングと共にやって来たのは、スマブラ城から少し離れた場所にある森だった。
その森の奥深く。木々に遮られ日差しが殆ど通らない場所に、その池はあった。
インクリング「静かな所っすねぇ。鳥の囀る音くらいしか聞こえないっす」
ソニック「あとは、どうやって河童がいるかどうかを調べるか、だな…」
インクリング「先輩、潜れます?」
ソニック「オレに死ねと言うんだな?」
インクリング「冗談っす」
ソニック「お前は潜れるか?」
インクリング「アタシに死ねと言うんすね?」
ソニック「冗談だよ」
はぁ…とため息をつく2人。
早速行き詰まってしまった。
ソニック「釣れるもんなのかな、河童って」
インクリング「この際呼んでみるのはどうっすか?河童さーん!って」
インクリングはすぅと息を大きく吸い込むと、池に向かって大声で叫んだ。
インクリング「河童、河童、河童さーーん!!七不思議の河童さーーーーん!!!!出てきておくれーーーっす!!」
ソニック「おいおい、まっく○くろ○けでもあるまいし、そんなことで出てくるわけが」
「はーーーーーーぁーーーーいーーーー!」
ソニック「マジかよ」
ザパァァァ!!!と豪快な水しぶきと共に池から飛び上がったのは、紛うことなき河童だった。
インクリング「うおおおおおおマジもんの河童だーーー!!!!!うおおおおおおイカすーーー!!!!」
「そうです、僕ちんが!!七不思議が1人、河童ですッ!!!」
ドヤ顔を決める河童の頭の上には綺麗に光る皿がある。
ソニックは開いた口が塞がらなかった。
インクリング「ソニック先輩!七不思議はやっぱり本当だったんすね!!!アタシ嬉しいっす!!」
ソニック「お、おう…」
インクリング「あっそうだ河童さん!写真!写真撮ってもいいっすか!?」
「いいともいいとも!」
インクリングはスマホを片手に河童の隣を陣取ると、「ソニック先輩もほら!」と無理やりソニックの腕を掴んで引き寄せた。
インクリング「はい、マンメンミー!」
「ミー!!」
ソニック「み、みー……」
パシャリ。パシャ、パシャリ。
何回もシャッターを切る音。
やがて満足したインクリングは河童の手を取りぶんぶん上下に振った。
インクリング「ありがとうございました!」
「いやいやこちらこそ!いや~やっと僕ちん達を見つけてくれる人達が現れるとは…!この見つけてもらえた嬉しさ、満足感!くーーーったまんねぇ~!」
ソニック「もしかして、お前を見つけられたのは…オレ達が初めてなのかい?」
「そうだよー!なんか巷で七不思議がウワサにはなってるみたいだけど、実際に僕ちん達を見つけられた人はこの数ヶ月間1人もいなかったのさ」
インクリング「数ヶ月間…?」
「そう。僕ちん達七不思議キャラクターは、このスマブラSPが始まってからマスターハンド様に密かに創られたのさ~」
ソニック「Really?」
「七不思議だからねー。マスターハンド様は僕ちん達の存在を君達ファイターにも、この世界のエキストラキャラ達にもちゃんと公表していないんだよね」
インクリング「それじゃあ、七不思議のウワサを信じてここまで来たアタシ達だけが、今、河童さんという存在に気づけたってわけっすね…!感激っす…!」
「僕ちん達は誰かにずっと見つけてほしかった。だから今とても嬉しいんだよね~!嬉しいから、君達にこれをあげちゃう♡」
河童は一度池に潜ると、今度はキラキラ光るものを両手に持って浮上してきた。
「今はバレンタインシーズンだからねー。これがあれば素晴らしいチョコが作れるよん」
ソニック「!?」
「この光はね、『希望』。希望の力がキラキラ凝縮したものさ。こいつをチョコレートに混ぜればOKなのさ~」
ソニック「ほ、ほんとにこれで、美味しいチョコになるのか!?」
「うーん、これだけでもいいんだけど、他の七不思議仲間が持っている光も一緒に混ぜれば、究極のすんばらしいチョコが出来ること間違いなしだよん」
インクリング「他の七不思議さん達も持ってるんっすか!」
「仲間達も皆、見つけてもらいたくてうずうずしてるだろうからねー。是非見つけてあげてよ」
ソニックは考えた。
このままインクリングの七不思議探しを手伝えば、インクリングは七不思議の存在を皆に証明することが出来る。
自分は集めた光を使って今までにないチョコレートを作り、スネークにプレゼントすることが出来る。
ソニック「よし、インクリング!残りの七不思議も頑張って探すぞ!」
インクリング「おっ、ソニック先輩急にやる気になったっすね!アタシも負けてられないっす!おーー!!」
「次の七不思議、海上に現れるニッシーは霧の深い日じゃないと現れないから、気をつけてねー」
河童に別れを告げた2人は、静かな森を後にするのだった。
***
スネーク「……」
そう、俺がアイツの自室の前でうろうろしながら出待ちをしているのは、アイツが人気者だからだ。
もたもたしているとすぐに他の誰かにとられてしまうからだ。
そう己に言い聞かせながら、スネークは隣のソニックの自室の前で文字通りうろうろしていた。
すると程なくしてドアがバタンと開き、中からお目当ての青い針鼠が飛び出してきた。
スネーク「ハリネズミ」
すかさず声をかける。
ソニック「おぅおっさん!奇遇だな」
スネーク「あ、あぁ。ところで、今日は…」
ソニック「今日?あぁ、オレはこれからインクリングと出かけるんだ!おっさんは?」
スネーク「む…俺は…お前と…」
インクリング「ソニック先輩ー!今日は霧が出まくりっすよー!絶好のニッシー捜索日和っす!」
ソニック「あぁ今行く!じゃあなおっさん!」
スネーク「あ、あの、」
ソニックはびゅんと風を起こすと、いつの間にか遠くの廊下の先に立っていたインクリングの隣に移動していた。
スネーク「………」
予想外の先客に舌打ちしていると、
トゥーン「ねえねえ、ニッシーってなんぞや?」
インクリングの言葉が聞こえていたのか、トゥーンリンクがネス達に尋ねていた。
子リン「最近巷でウワサされてる七不思議の1つだね。海上に現れるニッシー、首長竜らしいよ」
リュカ「な、七不思議…!?」ブルブル
ポポ「スマブラ界にも七不思議ってあったんだねー」
ネス「どうせ迷信でしょ。それよりむらびと、今日こそとんとんずもうの決着をつけようじゃないか」
むらびと「ぎったぎたにしてやんよ」
スネーク(七不思議…)
スネークは頬を掻いた。
その日、ソニックとインクリングは霧の深い海に近い崖から、双眼鏡で首長竜らしきシルエットを探した。
インクリング「あ、あそこ!!あれじゃないっすか!?」
ソニック「ほんとだ、呼びかけてみようぜ」
2人は「ニッシー!!」と大声で海に向かって叫んだ。
すると小さかったシルエットがどんどん大きくなっていき、
「は~~~~~~い!!」
ザパァァァンと波を掻き分け、大きな首長竜が2人の前に姿を現した。
インクリング「ひゃ~~~!デカい!!イカすーーー!!!!写真撮らせてくださいっす!」
「いいよ~~!見つけてくれてありがとう~~ぼく嬉しい~~~!」
ソニック「なぁ、河童からバレンタインデーのチョコに混ぜる光をもらったんだけど、」
「ああ、あれね~、ちょっと待ってね~」
ニッシーがガパと大きな口を開けると、中から小さな光が2つ出てきた。
「はいこれ~。これは『素直』な力が凝縮したものさ~~。バレンタインデーは自分の気持ちに素直に正直になる日だからね~~」
ソニック「サンキュー!」
インクリング「あの、ニッシーさんはどうしてニッシーって名前なんすか?」
「任○堂だからニッシーだって、マスターハンド様が言ってたよ~~」
インクリング「なるほど~~」
「次の七不思議、雪女姐さんはアイスクリームが大好きだから、持って行ってあげると喜ぶと思うよ~~」
インクリング「よーし、じゃあ早速…」
ソニック「待て待て待て待て、こんな霧の深い日に雪山は無理があるだろう。また明日にしようぜ」
インクリング「うーん、それもそうっすね。あ、じゃあこの後城下町でアイスクリームと防寒具買っていくっす!」
残る七不思議はあと5つ。
先は長いが、バレンタインデーまであと数日はある。
スネークを驚かせるためにも頑張らなければと、ソニックは心の中で1人気合いを入れるのだった。