初恋
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レオンが僕の居る反対側で血を洗い流していた。よく見ると珍しく数ヶ所、大きな傷を負っていた。
普段血まみれになって帰って来るレオンに付着していたのは、敵から浴びた返り血ばかりだったのに。
「……!」
レオンもこちらに気が付いて一瞬だけ目が合ったが、すぐに背けてはその場を去ろうとする。
「……」
やっぱり、何か怖い。
そう思った矢先に、
──ドサッ。
レオンは歩き始めて数歩というところで、顔面から地面に倒れ込んだ。
「なっ、ちょっ……!!」
避けているとはいえ、さすがに目の前で倒れられて放置して帰る訳にも行かない。
僕は湖に浮かぶ岩から岩へと跳躍して、反対側に居た彼の元へと向かう。
「大丈夫? ケガしてるのか? そんなにひどいんだったら無理して行かなくても──」
「触れるな、毒が感染する」
「毒?」
「貴様に感染されては、ウルフに合わす顔がなくなる」
「そんなのどうでも良いから、毒抜きするよ」
「……貴様」
衛生的には良くないと思いながらも、僕は口で毒抜きをした。その後湖の水で傷口を洗い、持っていた包帯で傷口を包んだ。
「かなり荒い応急処置だけど、放置してるよりはマシだ。あとはアジトまで一緒に帰って治療してもらえば──」
「ランス」
「!」
初めてレオンに名を呼ばれた。思わず身体が強張ったが、心の中では何故か嬉しかった。
「借りは……必ず返……す」
フッと力が抜けて、レオンは僕の肩に身体を預けるように倒れ込んだ。
「ちょっ……と」
レオンと触れたほんの一瞬、心臓が強く脈打った。そして少し身体が火照ってきている。
「ってか、熱っ!? レ、レオンってばめっちゃ熱っ!!」
「フン…どうやら、既に毒が身体に回っていたよう……だな」
毒による発熱・発汗作用が酷く、レオンは苦しそうだった。しかも彼は種族がカメレオンという事もあり、温度調節が苦手なのか熱くなったり冷たくなったりと急激な変化があった。
「冷静に状況判断してる場合じゃない!! は、早くリーダー達に知らせないと!」
「……構わん」
「何言ってんだ!? 毒で死んじゃうかも知れな──」