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自動扉が開き、ランスとレオンはコモンルームに入った。
あんなにもドタバタと走っていた仲間達は既に居なくなっていて、其処にはスターウルフのリーダーであるウルフと新入りらしき黒豹の青年が立っていた。
「おはよー」
ランスの姿を見たウルフは一瞬驚いたように見えたが、すぐにいつもの表情に戻って言う。
「よぉ、元気そうだな」
「僕はいつも元気だけど」
「何を言ってやがる。あんな──」
「ウルフ」
すると、レオンがウルフに何かしらのアイコンタクトを取る。それを理解した彼は、深く溜息を吐く。
「まぁ、その話はまた後にするか。それよりも、コイツが今日からスターウルフに新しく入隊するパンサーだ」
ウルフが目を遣ると、黒豹の青年──パンサーがランスに近づいて来る。
それから片膝を付いては彼女の手を取り。軽く口付けた。
「何」
初対面なのに変な事をされ、不機嫌そうに尋ねるランス。
「初めましてお嬢さん。私の名はパンサー・カルロッソ。君との運命の出会いに心から感謝するよ」
「本当にこの男をスターウルフに入れるつもり?」
ランスはパンサーの言葉を完全に無視して、嫌そうな顔でウルフに訊ねた。パンサーは「あれれ?」と言ってきょとんとしている。
「性格はともかく、パイロットとしての腕は良いからな」
「僕、こういうタイプが一番嫌いなんだけど」
「はははは。随分とはっきり言ってくれるじゃないか」
「リーダーは俺様だ。一緒に居るのが嫌なら、お前が抜けても良いんだぜ?」
ウルフはランスにからかうように言った。
ランスにとって、ウルフの言葉は絶対だ。逆らうなんてとんでもない事だと彼女は思っている。
「……分かった」
だから大人しく引き下がるしかなかった。
「フン、お利口だな」
「これから宜しく、ランス」
パンサーは立ち上がり、優しげな表情でランスに片手を差し出してきた。友好的な握手を求めているのか。
「認めた訳じゃない。だから馴れ馴れしくするなっ」
言ってパシッと音を立てて、ランスはパンサーの手を振り払う。
しかし彼は弾かれた手をさすりながら、クスクスと笑う。
「何か変なこと言った?」
「いや、怒ってても表情は愛らしいと思ってね」
「なっ……?!」
可愛い? 僕が?
言われた事のない言葉に戸惑いを隠せない様子のランス。残念ながら褒め言葉に対する免疫は持ち合わせていなかった。
「クク、良かったな」
レオンもあまり見ない彼女の姿を楽しんでいるのか、冷やかしを言ってきた。
「良くない!!」
頬を真っ赤に染めながら言い放った。