憧れの彼と私
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いっ、今のは何でも無いの。……あ、ランスはウルフさんにチョコあげないの?」
私は何とか話題を切り替える。無意識な行動だったから、敢えて言い訳をするのも何だか気が引けてしまった。
「僕の料理は兵器らしいから、チョコなんて作ったってリーダーは逃げちゃうんだ」
「そうなの?」
「うん。それに僕はリーダーの傍に居られる、今の関係で十分満足してるから。作る必要も無い」
「……」
彼女はウルフさんに想いを伝える気は無いのか。それは分からないけれど、とにかくバレンタインデーには何もしなかったみたいだった。
ある意味、良かったと言えば良かったのかも知れない。
「緑野はリーダーにチョコあげたんだろ? 何か言われたりした?」
「いや……特に何も」
私がそう言うと、ランスは大きな溜め息を吐く。そして呆れたような口調で言った。
「リーダーってモテるのに、恋愛に関して意外と鈍感な所があるんだよね。何と言うか……想われている事に気が付かない、みたいな所とか」
「?」
「バレンタインデーはただチョコが貰える日だと勘違いしてるのかも。好きとか関係無く」
そんな……。
せっかく、最大の勇気を振り絞って渡したのに想いに気が付いてくれてないなんて事──。
無いわよね?
きっと。
ウルフさんはちゃんと、バレンタインデーの意味を把握してるはずよ。
って、何で動揺なんかしてるのよ私は。
彼に渡したんだから、それで良いじゃない。
私の想いなんて、どうせ届かないんだから。
どうせ、私になんか──。