桜と君
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次はレオンが現れた。コイツはこの3日間、部屋に引きこもっていたから桜の話は知らないはずだ。
「八雲がね、この桜は今日に咲くんだって」
「ホゥ……興味深い話だな」
普段は残酷な雰囲気や趣味を持つあのレオンが、珍しく興味を持っている。ヤツとは長い付き合いの俺様だが、久々にあんな笑みを見た。
「ならば幹に手をあてて、想いを伝えたらどうだ? 咲いて欲しいと願っていると」
「?」
「これは、私の部屋の何処かにあった書物に書いていた」
「そんな事出来るの?」
「お前なら出来るさ、八雲」
その言葉には妙に説得力があった。まさかコイツ──。
「やってみる」
言うと、彼女は桜の幹に手をあてる。目を閉じて願う。
咲いて欲しい、と。
──少しだけ、桜が羨ましいと思ってしまった。
しばらくして、八雲は目を開き、桜に想いを馳せるように見上げた。
「願ったか」
「うん」
「さぁて、どうなるかな」
……。
…………。
…………………………。
「何も起きないぞ」
「気のせいだったんじゃねぇのか?」
「そっ、そんな事ないもん! 絶対に咲いてくれるもん!」
彼女は言い切った。何故そんなにもこの桜にこだわるのか。