デディケート・デート
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
--*--*--*--
デート前夜。
ランスはベッドの上で横になりながら、考えていた。
デート、か。実は初めてだったりするんだよね。
ランスは幼少期から異性に囲まれた環境ではあったが、不思議と恋愛というものには無縁だった。今日までの17年間、ずっと。
彼女にとって、恋愛は雑誌でよく特集されている『夢物語』だ。
だからこそ、自分を異性として接してくるパンサーの存在は、新鮮であると同時にどうにも違和感を感じてしまったのだ。
そんな彼と二人でデートとなったら、絶対無事では帰れない。
リーダーとレオンを巻き込んで正解だった。
彼らが居れば、パンサーにいざ『お持ち帰り』なんて事はさせないだろうし。とりあえずの防衛線は張った。
あとは、彼の動向を探っていくだけ。
僕としては、これで問題ない。
明日。少し、ほんの少しだけど、楽しみだ。
--*--*--*--
一方、こちらは共有ルーム。
真夜中にも関わらず、此処にはスターウルフの三人が揃っていた。
「──で。本当に二人共、デートに来る気なの?」
「貴様ごときがランスと二人でデート出来ると思うな」
レオンは入念にナイフやスナイパーライフルを磨く。恐らく、明日の万が一の為に。
「……絶対、先程の発言のせいでレオンの中での俺の株、暴落したよね。もう完全に明日の標的にされてるよね」
「好景気から大不況だ。良かったな」
「いや、良くないよ! やっとレオンも最近、心を開いてくれたなぁと思ってたのに!」
「チームの信頼を壊したくなければ、ランスには手を出すな」
「絶対、出しません! 神に誓って!」
こうして、パンサーが神に誓った所で。
「しかし。あいつもパンサーに異性として見られて、もうおかしくない年齢なんだな。こないだまでちょこまか動く小せぇガキだったのによ」
少し懐かしむように、ウルフは言った。するとパンサーがそういえば、とこの間──カフェテリアでのランスとの会話を振り返る。
「ウルフは彼女の幼少の頃から、親代わりみたいなものだったね」
ウルフは頷く。レオンもまた、武器を磨くのを止め、ゆっくりと回想していた。
「懐かしいな。私にも最初は警戒していたものだが……」
「え。そうなの?」
パンサーは意外、と小さく溢す。
現在のレオンへの依存性を見ると、最初から懐いていたものかと思っていたが。
「当然だ。今の貴様とは少し違うが……かなり警戒されていた」
「へぇ。どうやってあんなに好かれるようになったの?」
「クク。まぁ、色々とな」
「その色々と、が一番聞きたいんだけど?」
レオンに少し強請り始めた所で、ウルフがパンサーに声を掛ける。
「明日。何かしら進展があると良いな?」
「……やっぱり二人共、来る気なんだね」
さすがは親代わり。そう思いながらも、少しがっかりするパンサーであった。