デディケート・デート
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Episode.4 デディケート・デート
「おはよう、ランス。今日も一段と可愛らしいね」
「……」
コーネリアの時間軸で言うと、朝。
爽やかな笑顔でパンサーは挨拶をしてきた。
しかしランスは返事をせず、黙って彼を凝視した。
正直、彼にどうやって接するべきか、今も分からない。
割と常識人なのだろうけど、やっぱり気障な科白は余計だし。
挨拶も普通にすれば良いのだろうけど、それも少し嫌だ。
「どうしんたんだい? 俺の顔をまじまじ見て……」
「君って、何なの?」
「え?」
唐突な、しかも挨拶を無視してのこの問いには、流石のパンサーも目が点になる。
後先を考えずに物を言う所は、ランスの悪い癖だ。
「実力があるのは認めるけど、君自身の事はよく分からない」
「おや? それは俺に興味を持ってくれたって事?」
パンサーは嬉しそうに顔を綻ばす。
「違う」
好きだから興味を持ったんじゃなく、"敵を知り己を知れば百戦危うからず”、というヤツだ。昔レオンが貸してくれた難しい書物に載っていた。敵だからこそ知るべきだ、と。
「なんだ、それは残念」
パンサーは少し考えて、言葉を続ける。
「じゃあ、デートでもする?」
『……は?』
静観していたウルフ・レオンでさえもこの反応だった。
どういうつもりなんだ、彼は。
「だって、君は俺が何者なのか知りたいんだろう? そして、俺も君の事が知りたい。お互いに利益はあると思うけど?」
そういう意味であれば、納得出来なくないけど。
「だからと言って、わざわざデートにする必要があるのか? 貴様の下心が丸見えているぞ」
「やだなぁ、レオン。俺に下心なんてある訳ないじゃないか」
パンサーはそう言うが、レオンはまだ疑わしそうに視線を送る。
「下心のないヤツが軽々しくデートしよう、とは言わねぇと思うが」
「確かに行けそうだったら、お持ち帰りしちゃうかもだけど」
「……やはり貴様は殺す」
「ちょっ、そんな怖い顔しないでよ!」
「おい、ダメだ。このデート、絶対実行させるなよ」
パンサーの下心丸出しの爆弾発言に、レオンは完全に殺し屋モードに入ってしまっている。ウルフもレオンの本気には少し焦っているようだった。
「じゃあ、四人で出掛ければ良いんじゃない?」
ランスはしばらく考えた後、ぽそりと呟いた。
『え』
「だから、四人でデート。すればいい」
それは、デートというのだろうか。
そんな疑問を三人は抱きつつも、この発言が後日、現実となる。