月夜の逃走劇
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コーネリアのとあるバー。
ここはパンサー御用達であり、たまにウルフやレオンも来ているという、ならず者でもきちんと商売をしてくれる数少ない店だ。
VIPルーム。広い部屋の中心に綺麗に配置されていたテーブルは端に移動され、其処に今回の犠牲者となる、椅子にぐるぐる巻きで縄に縛られたオイッコニーが置かれた。
「では、何から聞こうか」
様々な拷問器具を取り揃えて来た様子のレオン。
端から見たら最早拷問の部屋だ。
彼はオイッコニーを見ながら、短鞭を取り出すとパシン、パシンと手で弄ぶ。
「まさか、その痛そうな鞭で私を叩くのではないだろうな!?」
「貴様の解答次第ではお望み通りにしてやる」
「やめろ! そんなもので叩かれたら私の身体に傷が付く!」
「ククク。それは随分愉しそうだ」
実に愉しそうに笑みを浮かべるレオン。
流石は【殺人マシーン】と謳われる殺し屋。
こういった手は多分、初めてではないのだろう。
「では聞かせてもらおうか。まずは、何故お前がこの案件に関わったのかを」
傍らに居たウルフが口火を切る。オイッコニーはレオンに脅かされながらも、ゆっくりと口を開く。
「つ、通信でピグマが呼び掛けて来たのだ。『わての代わりにやって欲しい仕事がある』と」
「ピグマが?」
「先日のアパロイド侵食で奴が行方不明になってから、オイッコニーが仕事を引き継いだって」
「ほう」
「では次は私が聞こう。何故ランスを拐かそうとした? 返答次第では短鞭だけでは済まさんぞ」
「い、依頼人に頼まれたからだ! 〈負の生物兵器計画〉の成功例である小娘と、一緒に持っているであろうマニュアルデータを入手しろと」
ウルフとレオンはその言葉に反応した。
「ほぅ? それは話しても良かったのか? それはまるで、依頼人がランスを利用して〈負の生物兵器計画〉を復活させようとしている、と取られてもおかしくないぞ」
あの噂──レオンが〈負の生物兵器計画〉の研究を未だに続けている科学者がいる、という情報を聞いて、まだそんなに日は経っていない。そういう捉え方をしても、おかしくはないだろう。
「わ、私は連れて来るようにと頼まれただけだ! それ以外の情報は何も知らないし、知りたくもない! これ以上ロクな目には遭いたくない!」
「もういいだろう! 早く私を解放しろ!」
「まぁ待て、まだ終わっちゃいないぜ。お前にそれを頼んだ依頼人とやらは──今、何処にいる?」
「……」
「だんまり決め込みやがったか」
「なるほど。やはりこの鞭で痛ましい姿になりたいと?」
「ち、違う! ただ、その件に関しては、私も知らないのだ。いつも通信していると言っても、どうやら使いの者のようだしな……」
「やはり、そう簡単に当人が出張ってくる訳はないか」
「それはそうと、僕の中にマニュアルデータがあるってどういう事なの?」
ランスが訊ねる。
「それに関しても、先程言った事の情報しか貰っていない。貴様の中に何故それがあるかは聞いていないぞ」
「……リーダーはこの話、知ってた?」
ふとウルフを見る。彼はしばらく考える素振りを見せると、小さく溜息を吐いた。
「」