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Very Short Story.02 梅の花言葉
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私とランスは惑星フォーチュナを訪れていた。
此処は人の手が加えられていない地区が多く、自然という自然を満喫するには持ってこいの場所だ。
「レオン、この木は何の木?」
「これは梅、と言ったか。コーネリアでも早春に咲いている」
彼女は「へぇ」と興味深そうに頷き、既に付き始めている白い蕾をじっと見つめる。
ランスは他人以上に一般教養に欠けている。
平和である今の内に少しでも身に付けさせようと、今回動いたのである。
赤の他人ならば、一般教養が有ろうが無かろうが、どうでも良いのだが。
彼女に対しては、つい助力してしまいがちである。
「梅は、この色しか咲かないの?」
「種類によっては、紅梅や桃色のものもある。だが、その木はどうやら白梅のようだな」
「ふぅん」
「ところで、梅の花言葉を知っているか」
ランスはふるふると首を横に振った。
「複数の意味があるが、有名なのは『高潔』。心が気高く、清らかであるという意味だ」
彼女は頷いて、黙ったまま梅の花を見ていた。
彼女には将来、そうなってもらいたいものだ。
たとえ、どんな苦難がこれから待ち受けていようと。
それに屈する事の無い、気高い純粋な女性に。
私はいつも、そう心から願ってしまうのである。