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連れて来られたのは、レオンの自室だった。
普段から多忙にも関わらず、相変わらず綺麗に整頓されている。
彼は部屋に入るなり傍らにあった椅子に座り、足を組む。
「さて。私に用事とは何だ?」
「今日って、愛の日でしょ」
「世間では流行りらしいな」
「で、いつもお世話になってるから。これ」
言って、持っていたチョコを渡す。
緊張で手が震えている。
レオンは静かにそれを受け取ると、ラッピングをじっくりと眺める。
難なく受け取ってくれた。
それだけで、心の中で万歳をした。
「これは、既製品か。手作りは諦めたのか?」
「……うん」
「そもそも厨房は出入禁止と言ったはずだが」
「それは、リーダーに許可を頂いて」
レオンは少し納得の行かなさそうな表情を浮かべる。
厨房は彼の領域だ。ウルフに許可を取っているとはいえ、自分の居ない所で勝手に使われたのは不服なのだろう。
まぁ、それは何かで詫びてもらうとして、と呟く。
「今日はお前の誕生日だ。私からも贈り物をやろう」
レオンは椅子から立ち上がりこちらへ近付いてくる。
今年は一体、何をくれるのだろう。
昨年は確か、難しめの本を数冊貰った。
まだ全部は読み切れていないけど。
レオンは、ランスの頬に手を添えた。
熱を持った頬に、ひやりと彼の手の冷たさが伝わってくる。
その瞬間、何をされるのかランスは察してしまった。
同時に鼓動がドキリと跳ねる。
慌ててレオンを引き離そうとするが、時既に遅し。
彼は頬にそっと口付けた。
突然の事に、目を見開いたまま固まってしまう。
状況を理解するのがかなり遅れてしまった。
レオンはその反応を待っていたかのように口許が弧を描く。
「クク。相変わらず初な反応を」
「……うぅ」
口付けられた頬を押さえて、ランスはレオンを見る。
「この程度は慣れてもらわねば困る。将来的にもな」
「え? それって──」
ランスが何かを言いかけるが、その直前にレオンに腰へ手を回され、引き寄せられる。
「さぁ、今日は特別だ。存分に甘やかしてやる」
その妖艶な笑みに、胸が締め付けられる。
こういう時にも余裕のある態度を見ると、改めて彼と自分の年の差を思い知らされる。
大人の余裕、とでも言うのだろうか。
レオンはランスの額に更に口付ける。
思わず目をきゅっと閉じてしまう。
その行動にも、彼は嬉しそうに微笑む。
「本当はもっと虐めてやりたいのだが。お前を前にすると、ただただ可愛がってやりたくなる」
言って、頭を撫でられる。
ランスは更に頬を染めた。
やっぱり、レオンには敵わないな。
この後、更に甘やかされる事になった。
一線は辛うじて越えなかったけれど、割とギリギリの所までは行っていた、と思う。
数分のやり取りでカフェテリアに戻るはずが、小一時間程掛かってしまった事は今でも猿達に申し訳ないと思っている。