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2月14日。恋や愛を捧げる日。
そして、ランスの生まれた日である。
サルガッソーコロニーは大きく賑わっていた。
大人数が入る事の出来るカフェテリア及び食堂は、色とりどりの華やかな装飾が施されている。
猿達にとっても、ランスの存在というのは大きなものだ。
彼女は時に彼らの射撃や体術の教官を務めている事もあり、関わる事も多々ある。
彼女に性的な意味で手を出そうものならスターウルフの面々が黙っちゃいないが、そうでなければ気さくに話せる妹のようなものである。
そんな彼女の誕生日。盛大に祝わずはいられない。
猿達はそれに加えて、滅多にない祝宴に気合いが入っていた。
「精が出るねェ」
パンサーは口笛一つ吹き、感心したかのように言った。
「口を動かさずに手を動かせ。あと何人分の料理を作らねばならんと思っているのだ」
「分かってるよ、レオン」
レオンとパンサーは料理が得意だ。
特にレオンは、コロニーにいる者全てが口を揃えて「絶品」と答える程の実力である。
猿達の分も作らなければならない彼らは、朝から厨房を離れられない状態となっている。
因みにウルフは、ランスがこのカフェテリアに近付かないように、見張りの傍らでカードゲームを一緒に嗜んでいる。
彼も料理が出来ない訳ではない。が、手際良く出来る二人に任せた方が早く済ませられる、という理由で厨房には入らなかったのである。
「そういえば、聞いた? ランスがまたバイオ兵器を作ったって話」
「性懲りもなくまたやらかしたらしいな。今度はチョコ菓子を作ろうとしていたとか」
お互い、手は動かしたまま。
レオンの方は途切れる事なく包丁が俎板を叩く。一方のパンサーは、泡立て器で卵を溶いている。
「きっと、どこかの誰かの為に作っていたんだろうね」
何と羨ましい。その気持ちだけ俺にも向けて欲しい。
パンサーは少し悔しそうに言う。
どこかの誰か──それが一体誰なのかはレオンは既に判っていたが、無駄な事を言ってパンサーに冷やかされるのはとても癪なので、答える事はなかった。