第五話
夢小説設定
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「ああ、ベノム軍の極秘計画についてかい?」
閑散とした薄暗い飲み屋の中。
最奥に座っていた情報屋に訊ねると、すぐにその言葉を発した。
「知ってるの?」
「何しろあの皇帝・アンドルフが率いていたベノム軍の情報だ、簡単には入手出来ないレア物。骨が折れたさ」
「まずはその概要を教えて貰おうか
「この計画自体に興味を持つとは変わってるな」
そう言いながらも、情報屋は話し始める。
ベノム軍の極秘計画の一つ──〈負の生物兵器計画〉。
この計画は、アンドルフを始めとした研究者の上層部のみが関わったとされている。
因みに機密レベルは特A級、上から二番目に高いらしい。
詳しい研究内容は未だに不明だが、これも机上の空論から始まったもの。研究までは、かなりの時間を要したらしい。
ただ一つ。それを研究してみようといの一番に発言したのが、稀代の科学者・アンドルフだった。
彼が居るだけで、不可能な研究も可能に変わる。
かつてはあのコーネリアでさえも優秀、卓越したと認めた程だ。
それから何千、何万回も試行錯誤を繰り返した。
それでも、成功と言える領域まで達したのはたったの一度。
いや、科学者達にとってはそれが大きな成果だった。
しかし、或る年を境に研究は中止となる。
その理由や経緯についてもやはり明かされておらず、真相は未だに闇の中だという。
「──以上が、俺の知る計画についての概要だ」
「……」
なるほど。やはり重要な部分は曖昧にされている。
もっと内容を探る必要がありそうだ。
計画の内容と中止になった理由。特にこの二点に関しては。
ランスは顎に手を遣り、考える。
「研究資料なんかはほとんど盗まれたか、焼き払っちまったかで殆ど現場には残ってないらしくてな」
その内容が分かれば、もっと情報屋としても料金をぶん取れるんだが、と本音を漏らす情報屋。
恐らく研究関連の資料達は、研究を続けているらしい例の科学者が持っているのだろう。
「では、その計画を復活させようとしてる存在については?」
「その情報も掴んでいたのか。やるねぇ」
「そいつに関する情報も欲しい」
「そうかい。だったら」
追加料金。そう言って、片手を受けられると思った瞬間だ。
「俺達に付いて来て貰おうか」
突如、眉間に銃を突き付けられる。
同時に情報屋の後ろから別の男達が現れ、素早く二人を取り囲む。
勿論、近くに居たパンサーの頭にも銃を構えられる。
二人は思わず両手を上げ、無抵抗を意思表示する。
何なんだ、この状況は。
「情報屋、あんた──」
「この間は弟達が世話になったな」
「……なるほどね」
合点がいった。
この情報屋は、先日から追われていた男達の兄貴分で。
そして恐らく、この一帯は彼の領域。
弟分と言えど、好き放題は出来ないのだろう。
通りでここに着いてから、彼らが追いかけてこなかった訳だ。