第五話
夢小説設定
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ランスは人波を抜け、聞き込みを続けていた。
残念ながら、計画に関する直接的な収穫は無かった。
だがこの町周辺には、どうやら流れ者の情報屋が幾人か潜んでいるらしい。
もしかしたら、その中に有力な情報を持った者が居るかも知れない。
そう期待をしていた所だった。
「あれあれ? こんな所に女一人で歩いてるなんて珍しいなぁ?」
「もしかして迷子? だったらお兄さん達が安全な所まで連れて行ってあげようか?」
見知らぬ男二人に行く先を阻まれ、絡まれてしまう。
一人は大柄で、もう一人は小柄。
外見からして如何にも軽いです、と言っている様にチャラチャラとしている。
ランスはこう言った連中が大の苦手である。
周囲が年上ばかりで貫禄や落ち着きがあるからだろうか、こう言った浮ついてそうな者とは出来れば関わりたくない。
故に、現在のこの状況は非常に面倒だと感じていた。
「必要ない」
「そんなつれない事言わずにさぁ」
早速、馴れ馴れしく肩を抱いてくる大柄な男。
──鬱陶しい。
あの女誑しのパンサーにさえ、まだここまで馴れ馴れしくされた事は無いというのに。
「ってか、マジで可愛いじゃん」
「男知らなさそうな顔しちゃって。遊び甲斐があるな?」
頭から爪先まで舐めるように見られる。
色々と好き放題言ってくれているが、生憎お前達の餌食になるつもりはない。
「他の仲間を呼んで、玩具(おもちゃ)にするのもアリか」
「あ、それ、めっちゃ楽しそう!」
嬉々として叶わぬ未来を想像して語る二人。
そろそろ、手持ちのリボルバーで脅してやろうか。
そう思った時だった。
「君達。その汚らしい手で彼女に触れるのは止してもらおう」
聞き覚えのある声が耳に入ってきた。
彼女達の背後から現れたのは──パンサーだった。
「あらら、男が来ちゃったよ。面倒だな」
「でもこんな上玉をあっさりと逃す訳にはいかないんだよね」
抱かれた腕に更に力が入った。
気持ち悪いから、この腕を吹き飛ばしても良いだろうか。
「君達のような下品な輩に彼女を明け渡す程、俺も優しくない」
「おー、怖。でも、こっちには呼び出せる程の数が居るから」
アンタ一人くらいなら余裕じゃね?と嘲笑う小柄な男。
しかし、パンサーは動揺する事なく冷静さを保っている。
「とにかく、彼女を解放して貰おうか」
「言ったはずだぜ? こんな上玉を逃す手はないって」
「そうか。それは残念だ」
言い放った、その刹那だった。
パンサーはすかさず銃を取り出し、狙いを定める事なくランスの肩を抱く男の手首を見事に撃ち抜いた。
「っ!?」
言葉にならない叫びをあげる大柄な男。
その隙にランスは男の手を擦り抜け、パンサーの元へ走る。
「こっちだ!」
彼は手を差し出す。
それに応え、彼の手を取るランス。
そのまま二人は走り出した。