11.道連れ*
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例えば、ここでオーバーに酔ったフリでもすれば、アカギに素直に甘えられるだろう。
問題は、それほどの演技力があるかだが。
(でも、アカギをたぶらかせるなら……)
舞美は難しいことを考えるのを諦め、潤んだ瞳でアカギを見つめた。
じいっと見ていると、はてなマークを浮かべたように、彼はこちらを見る。
「ふふ、アカギだ」
「そうだな」
「うん、嬉しい」
「よかったね」
面倒な酔っ払いに対処するみたいに、彼は淡々と舞美に返答する。
それでも舞美を無視することは一切なく、生産性のない彼とのやりとりは非常に心踊るのだった。
「アカギ」
「なに?」
舞美は堪え切れず、にんまりと子供らしい笑みを浮かべ、
「アカギって、結構わたしのことすきなんじゃない?」
と、唐突に切り込んだ。
「……え?」
「そうでしょ?」
アカギは肩をすくめた。
「……あんた、酔いすぎだ」
アルコールの力を借りて攻めた質問をしたものの、アカギは取り合ってくれない。それどころか、舞美のグラスを取り上げた。
「あ、もうちょっと飲みたいのに」
「今日はもう寝なよ。明日二日酔いになるぜ」
「嫌。まだ寝ない」
「まあ、それはあんたの勝手だけどさ」
「うん」
「でも、そんなに見られると飲みづれえ」
「わっ」
アカギは、ずうっと彼を見つめていた舞美の目を、片手で覆った。
「ちょっとー!」
「うるさい。早く寝たら」
彼のじんわりと温かい手のひらで目元を覆われ、確かにこのままでは眠ってしまいそうになる。
「そんなにわたしに寝てほしいんだ」
舞美は苦し紛れに言った。
「わたしを襲うことさえできない臆病者 のくせに!」
……あれ?
言い終わって、空気が変わったことに気がつく。
……。
反論が返ってこない。
真っ暗な世界で、舞美は混乱した。
(もしかして、まずった?)
問題は、それほどの演技力があるかだが。
(でも、アカギをたぶらかせるなら……)
舞美は難しいことを考えるのを諦め、潤んだ瞳でアカギを見つめた。
じいっと見ていると、はてなマークを浮かべたように、彼はこちらを見る。
「ふふ、アカギだ」
「そうだな」
「うん、嬉しい」
「よかったね」
面倒な酔っ払いに対処するみたいに、彼は淡々と舞美に返答する。
それでも舞美を無視することは一切なく、生産性のない彼とのやりとりは非常に心踊るのだった。
「アカギ」
「なに?」
舞美は堪え切れず、にんまりと子供らしい笑みを浮かべ、
「アカギって、結構わたしのことすきなんじゃない?」
と、唐突に切り込んだ。
「……え?」
「そうでしょ?」
アカギは肩をすくめた。
「……あんた、酔いすぎだ」
アルコールの力を借りて攻めた質問をしたものの、アカギは取り合ってくれない。それどころか、舞美のグラスを取り上げた。
「あ、もうちょっと飲みたいのに」
「今日はもう寝なよ。明日二日酔いになるぜ」
「嫌。まだ寝ない」
「まあ、それはあんたの勝手だけどさ」
「うん」
「でも、そんなに見られると飲みづれえ」
「わっ」
アカギは、ずうっと彼を見つめていた舞美の目を、片手で覆った。
「ちょっとー!」
「うるさい。早く寝たら」
彼のじんわりと温かい手のひらで目元を覆われ、確かにこのままでは眠ってしまいそうになる。
「そんなにわたしに寝てほしいんだ」
舞美は苦し紛れに言った。
「わたしを襲うことさえできない
……あれ?
言い終わって、空気が変わったことに気がつく。
……。
反論が返ってこない。
真っ暗な世界で、舞美は混乱した。
(もしかして、まずった?)